見出し画像

西表島紀行 2023秋 -前編-


プロローグ

カメラを持って出かける。
いつも見ていた景色が姿を変え、そしていつの間にか自然と被写体を探してしまうようになった。

2020年の夏にNikonD5600を買ってからすっかり写真の面白さにハマってしまった。
買って1年半くらいはカメラを持ってよく出掛けていた。
気がつけばカメラを手にしてから3年以上も経っている事になるが、仕事が忙しく撮影に出掛ける日は少なくなってしまった。(仕事で忙しいというのは言い訳にしかならないが…)


それでも暇な時や出掛けた時にはなるべくカメラを持ち歩くようにして写真を撮っているのだが、せっかく撮った写真も気に入ったのをInstagramにたまに投稿するだけでフォルダの中で眠っている写真も多い。
これは勿体ないなと思ったので撮影に行った記録をこのnoteに残そうと思います。
これを読む方はほとんどいないと思いますが、読んでくれた方がわくわくするような、自分も読み返した時にその時の思い出が頭に浮かぶような記事にできたらと思います。


そんな写真記録noteの第1回目は秋に行った西表島の記録になります。




山猫の住む島 西表


10月、本来本州では暑い夏が終わり朝夕は少し肌寒くなる季節です。
しかし今年は暑さが続き、とても夏が長い年となりました。
彼岸花や金木犀といった秋の花も開花が例年よりも随分遅かった感じがします。

今回西表島に行く目的は「ヤエヤママルバネクワガタ」という秋に発生する変わった虫です。
先に西表入りしている知り合いによると、この虫もまた長い夏の暑さのせいで例年よりも発生が遅れているようでした。

自分は今年で3年目、3度目の西表島になります。
2年とも生き物以外の写真は撮っていなかったので、今年はこの旅を写真に残そうと思い カメラ旅+昆虫採集 といった感じの旅行にしようと思いました。


西表島といえばやはりイリオモテヤマネコのイメージが1番強いでしょうか。
しかしイリオモテヤマネコはめちゃくちゃ珍しいので自分は愚か何年も通っている人でさえ見る事は困難な希少な生き物です。
是非とも見てみたい……

イリオモテヤマネコの他にも様々な生き物が生息していて、西表島固有,八重山諸島固有の種も多いので自然観察がとても楽しい島です。


機材紹介

今回の旅で使うカメラ機材は
本体 NikonD5600
レンズ AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8 ED VR
             TAMRON SP 90mm F2.8 macro
フィルター Kenko PLフィルター

NIKKOR24-70 F2.8 ED VR
NikonD5600 + TAMRON90mm macro

24-70はこの旅の少し前に購入したレンズで、今回のメインレンズになります。
AFの精度がイマイチだと感じてしまうのは、機種本体のスペックなのかこのレンズの個体がハズレなのかがよく分からないですが…
恐らく自分が使いこなせていないからなのでしょう…
タムキューの方は自分がずっと生き物の撮影で愛用しているレンズで、今は主に生き物の撮影にしか使いません。
また、新しくPLフィルターを購入したのでどのような写りをしてくれるのか楽しみです。


前置きがとても長くなってしまいましたが、本編に入らせていただきます。


いざ南の島へ

飛行機の時間が早い為、前日に近くの快活CLUBに泊まってから次の日のフライトに備えました。

2023/10/19
朝早く起きて電車で成田空港へ。

朝の空港の雰囲気、めちゃくちゃ好きです。

天気も良く、テンションがどんどん上がっていきます⤴︎︎︎⤴︎︎︎⤴︎︎︎


飛行機までバスで向かいます。
結構この写真お気に入りです。

絶対に飛行機は窓側と決めています。
その方がテンション上がりますからね!


海岸線が綺麗です
今回は天気にも恵まれました☀️

Netflixでハリーポッターを観ていたらあっという間に石垣空港に到着しました。


南ぬ島
八重山そば

石垣に着いたのは12時前だったので、空港でお昼ご飯を食べてからバスに乗ってフェリーターミナルへ向かいます。


毎度おなじみとなった具志堅さん
晴れてくれてよかった
可愛い
イリオモテヤマネコ

乗ってみたいと思っていた可愛いフェリーだったので嬉しい✨
イリオモテヤマネコや八重山で見られる生き物たちがラッピングされています。

このフェリーで約50分かけて目的地の西表島へ向かいます🚢


船の窓から
窓を撮るのっていいなと思ったので今回沢山撮りました笑
旅のお供はグァバジュース
南西諸島にきたらこれを飲まないと始まらない。


ただいま、西表島


西表島の大原港に到着
現地も晴れていて良かった!
船内の雰囲気と西表島
西表島へ向かうフェリーはいつもガラガラ
ただいま、西表

この紅い桟橋で西表島に帰ってきたなぁと実感が湧きます。
3度目の西表島はどんな景色を見せてくれるのでしょうか。


早速レンタカーの手続きを済まして、宿のある上原へ向かいます。
西表島は島を約半週する道路があるだけで、島のほとんどがジャングルです。
また、ヤマネコを含む色々な生き物が生息しているので島の速度制限は40キロとなっています。
ストップロードキル!!


宿に行く前に時間があるので少し寄り道をします。
大原から車で25分位の所にある「大見謝ロードパーク」へ。


照葉樹林
マングローブと青空
綺麗な西表の海が一望できます
雰囲気が良いですね



少し散策をした後に宿へ向かいます。

カンピラ荘

今回お世話になるのは「カンピラ荘」
同じ時間にチェックインした北海道から来たという蝶屋のじいちゃん2人と少しお話をしました。
こうゆう旅先での交流っていいですよね。

この日はすぐに準備をして山へ入りました。
採集に集中し過ぎて今回山でカメラでの撮影は一切してないです笑

2023/10/20
翌日は採集による疲れで1日宿で寝て過ごしました。(せっかく西表島まで来てるのに…)
まあ、時間はたっぷりありますからね!

この日の夜に1周道路を車で走っていると、大きな物体が道路を横切っていました。
慌てて車をおりてみると…

ヤシガニ!!!!!!!!!!?

3度目にして初めて出会うことが出来ました。
感動。。。

夕方に土砂降りが来たので生き物の活性が上がっているのでしょう。
(お陰でこの日は山の中では最悪だった)


2023/10/21

西表島3日目
昼飯くらいはちゃんと食いに行こう、という事でカンピラ荘から歩いてすぐの「新八食堂」へ。


道中にハイビスカス🌺
新八食堂

スタミナ豚丼を頂きました🐷
めちゃくちゃ美味かった…

新八食堂 スタミナ豚丼

腹ごしらえを終え、カンピラ荘の向かい側にあるスーパー川満で買い出し。


スーパー川満
滞在中ほぼ毎日お世話になった

ご飯も食べて買い出しもしたので、今回のもう1つの目的である生き物を探しに行くことに。


駐車場に着くとすでに沢山の車が。
人の多い場所はあまり好きではないのですが、目的の虫が簡単に見られる場所なのでこればかりは仕方ない。

ライトで足元を照らしながらじっくりと地面をみながら林道を歩く。
何人かとすれ違うも、みんな目的は一緒なので全員地面を見ながらゆっくりと歩いている。
その様は一般の人から見たら異様な光景だろう。。。

林道を引き返して少ししたところで、

!?



地面を見ながら探し求めていた物

やっと見つけることが出来ました!!

チャイロマルバネクワガタ 
Neolucanus insularis

この虫に似た落ち葉を延々と見ていても実物が視界に入ると不思議にすぐにチャマルだと分かります。

とりあえず♂1頭得られたのでこの日の昼の部は撤収で、夜に向けて宿に帰り昼寝をしました。


この日の夜の部は専門の同期と一緒に山に入ることに。
色々と話をしながら林道を登っていくとあっという間にポイントに着きました。
2年目からは1人で採集していたので、一緒に採集する人がいるとこんなにも山登りが楽なのかと驚き。

この日はずっと追い求めていた念願の大歯を見る事ができました。(めちゃめちゃ友人のおかげ🙏)

人生初大歯61.8mm
大顎のタテヅノの発達が良いかっこいい個体
iphone撮影
ヤエヤママルバネクワガタ小歯個体
小歯の個体なら1晩でそこそこの数は見れる
発生木を徘徊する不全の中歯個体
産卵管を突き刺して産卵しているヤエヤマクロギリス
いままで見た事なかったけど今回は毎晩1頭は見ていた
夜の部の撮影はすべてiPhone11pro

大歯は採れたものの、何時間も発生木を求めて山の中を徘徊してもマルバネが付いている木は数十本に1本といったところ。このポイントはなかなか厳しいらしい。と言ってもそのポイントのベストなタイミングに当たった事がない為、毎回こんな感じ。すごい人はタイミングが良いと1日20頭くらい見て大歯が5頭くらい入る人もいるくらいですし。自分はまだまだ気合いも知識も経験値も足りない。。。

とはいえこの日は大歯個体を2頭見る事ができたので大変満足だった。
今まで、一昨年から山を徘徊していたのが全部報われたような高揚感に浸りました。

本当に最高な虫だ 

すっかり明るくなってから宿に戻り、大歯個体を眺めながらさんぴん茶ミルクティーを飲んで爆睡しました。

ヤエヤマヤルバネ、最高!!!!!!!!


長くなってしまったので2つに分けようと思います。
22日〜最終日までは後編に綴ります。
最後まで読んでくださりありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?