わたしの父2
そんな、ハードモードな幼少期。
何度も酔った父からちょっかいをかけられては泣いていた様に思う。
大人になってから聞いた話だと、兄はもっと酷い目に合ってたと教えてもらった。
そんな日々が当たり前になりそうだった頃
母はわたしたち兄弟を連れて実家に帰ったのだった。
何も聞かされていないわたしと兄は、いつものおばあちゃんちへお泊まりだー!
と、大はしゃぎでお気に入りのおもちゃを荷物に詰めて、ご機嫌に自宅を出たのだった。
だけと、そんなお気軽気分だったお泊まりが3日、5日、1週間、10日経っても終わらなくて…わたしは疑問でいっぱいになった。
何度も母に「うちにいつ帰るの?」と聞いた記憶がある。
母はその度、「もうちょっとかなぁ!」と明確な事は言ってはくれなかったけど、わたしも大人になり子供を持ち、今思えば、母は相当な決心をした上での行動だったんじゃ無いかなぁと思う。
直接聞けない事がとても悲しい。
さて、祖母の家に行き半月位が経った頃。
駐車場に見慣れた青い軽トラが停まった。
そう、父が来たのだった。
わたしは無邪気なもので、
「おーい!お父さん!!久しぶり〜!」
と笑って出迎えていた様に思う。
父は神妙な面持ちで、母と縁側に座り、ぽつぽつと話していたのをよく覚えている。
夏空のとても晴れた日で、庭の木々がゆったり風になびいて、父と母が何を話していたのか分からなかったけど、久しぶりに両親が会話をしている姿に、わたしはなんだかホッとしていた。
次の日
父は自宅で首を吊っている所を発見された。
つづく