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死んでもいい

また、TSUTAYAで「死んでもいい」を借りてしまった。この映画は何度観ているのだろう?大学生の頃からだから20回は観ているのではあるまいか。
石井隆監督のような男女の情念を描くことができる監督は今の日本映画では皆無といってよいだろう。それだけ石井隆監督が描く奈落は底知れぬほど深い。

あらすじ:電車で大月駅に着いた平野信(永瀬正敏)は改札を出た直後人妻・土屋名美(大竹しのぶ)と軽くぶつかる。ひとめみた瞬間 名美に運命を感じた信は彼女をつけ、職場である不動産屋に訪れる。名美の夫で不動産屋社長・土屋英樹(室田日出男)に就職を直訴。信は何とか採用され、不動産屋で働き始めるが・・・。

平野信と土屋名美が出会うシーン。

大月駅を出る信だが、突然の土砂降り。後ろから早足で名美が信の脇を通り過ぎようとした瞬間、信の持つ鞄が名美にぶつかる。

スローモーション。水の泡のBGMがゆっくり流れ、信にぶつかった反動でよろめく名美の表情と信の名美をみつめる表情がクローズアップ。そして二人の間に「死んでも」・・・「いい」とタイトルが映る。

このオープニングの演出が本当に素晴らしい。信が名美に惚れる瞬間が手に取るようにわかる。

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