不思議のドライブ

いつもちっちゃなスマホの画面で 仮想旅行 してる
Google マップから 行きたいとこ見つけて
ついでにその周りの素敵なカフェ 見つけて
ドライブの行き方検索して

今回はその中で見つけた 岐阜県多治見市、さかづき美術館の中庭で開催される、手作りマーケットとワークショップに出かける
車で行くと 1時間足らず で、一人でも行ける

朝 夫を散歩に誘う
分かっていたことだけど 相変わらず「今日は無理」と 断られる 
わたしは「じゃあ　行ってくるね」と出掛けてしまう

山の景色を覗くとまだまだ紅葉には程遠い

Google マップで見つけた古民家パン屋さんでは 長野県のりんご、 洋梨 を手にする
ラッキー
　
時間は3時過ぎ 道が混む前に帰ろうかなと 車を走らせていると 多治見市民会館の前で郡上 踊りの音が 響き渡っていた 

もう夫の運転では二度と行けないと思っていた 郡上踊りに今年は二回もめぐり逢えた

すぐさま 駐車場に車を入れて 猛ダッシュ
2曲ほど 踊って終了してしまったので さあ帰るぞと思ったとき、 前を踊っていた関係者が 「この後 ね 、会場で ライオンキングがやるんだよ 無料 だから見ていって その後に また郡上踊り本番やるからさ」 って言うじゃない

手を引っ張ら れて チケットを握らされて 開演待ちの列に並ぶ

前に並んでいた 私よりも 10才も 20才も年上の 女性が 「今日は1日中 ここで遊んでいたよ」 と 言うのだった
今日は「美濃の国、文化芸術祭」があったのだとか　　

私は「 体の不自由な夫を残して ドライブに出てきてしまいました」と 少し頭をうなだれて 言う
すると、年上の女性が「私は 介護 25年だったよ、 もう5年も前に夫は亡くなったけど　　　　自分の人生も大事にしなくちゃいけないよ　これから、まー何があるかはわからんけど楽しんで」と 励まされた

ミュージカルは劇団四季というわけではないけれども 本格的な ミュージカル だった
なぜだか 感動のあまり 涙が溢れてきた
感動って 胸いっぱいになると 涙に変わるのね
　
その時の精神状態は ちょっと ナーバスになってた　
夫が倒れて丸っと8年
その夫を残してきたこと
これからどうなるのかの不安
そんなのが感動と混じり合って 頬に大粒の涙が流れた

私が 夫を置いてきぼりにして、ドライブに来てしまったことの罪悪感　それを肯定してくれた見ず知らずの人が「まー何があるかはわからんけど楽しんで」と後押ししてくれる

私を ライオンキング に誘ってくれた 女性と共に、ドライブでの不思議なめぐり逢い

ひとりドライブのつもりだったけれどひとりじゃなく、いろんな人に助けられていろんな人の言葉に アドバイスもらって
パワーチャージしました

 25年も介護してたおばさんでも わたしの介護を、これからどうなるかわからんと 言うんだから 未知の世界に突入するわたしがわかるはずがない
そうだ どうなるかわからないから不安で心配なんだ　　

でもひとりじゃないから 乗り越えられるはず
頑張れ頑張れ 自分