ワタシは宇宙人 「宇宙船に帰ったとき言われた言葉」 #42
ある朝の話だ。また私は夢を見た。
そこは大きな宇宙船の中だった。
何となく思いだしたぞ…
そこは、以前に行った事がある場所だと何となく気がついた。
気がつくと、わたしの周りに5〜6人程の背の高い男女が集まって来た。みんな同じ服を来ている。しかしその人たちの顔がボヤけて見えないのだ。
わたしは機械のカプセルのような所に横になっていたので、身体を起こした。すると、その中のリーダーのひとりの男性がわたしの身体をチェックして話し出した。わたしは何となくその人を知っていた気がする。
そうだ…この人たちは地球人じゃなかったんだ。わたしも仲間だったか…
そんな事をぼんやり思い出していた。
すると、彼は
やっぱり忘れてるか…
と言いながら、話し出した。
それは、今回地球でわたしがやることの確認だった。わたしへの確認事項はいくつかあった。
その時の彼の話を聞きながら、わたしはハッキリ思い出したのだ。
もちろん、全部覚えてるよ!大丈夫。ちゃんとやるから。
わたしがそう言うと、彼は
地球で人間の身体に戻ると忘れるようになってる。だからこうして時々、ここに戻って確認しているんだ。
そう言った。つまり度々わたしは宇宙船に戻り、地球でのミッションを再確認をしているのだ。
そうこうしている間に、すぐにタイムリミットが来た。宇宙船に戻れる時間は決まっているらしい。
すると、彼はこう言った。
今回はこれだけ覚えて帰れ。お前は『プレイアデス』だ。いいな『プレイアデス』だぞ、、、
そして、忘れないように言葉に出しながら戻れと言う。
わたしがまた横になると、数人がわたしを覗き込むように見ているのがみえる。
プレイアデス…プレイアデス……ダメだ、忘れそうだな…
そう思ったわたしは、地球で言葉を忘れないようにするために必死で頭で変換した。
『プレイ』ステーション、『あ!!』、『です』
なんとも雑な覚え方だ。
意識が吸い込まれるような感覚になった次の瞬間、ハッと目が覚めた。
もう朝だ。
プレイ、ア、デス
覚えてるぞ!!
わたしはすぐ紙に書いた。
ただ、この「プレイアデス」という言葉が何を意味するのか全く覚えていない。
わたしの家は山奥なのでパソコンも携帯もインターネットに接続できない。だから気になっても会社に行くまで調べる事が出来なかった。
その後、会社でインターネットで調べてみると分かった事があった。
プレイアデスとは星団の名前だった。おうし座の散開星団で地球から444光年離れた場所。
夢は本当だったのかもしれない。
宇宙船で聞いた言葉は「プレイアデス」だ。これはどういうわけか一般的に「プレアデス」と呼ばれる星団で、和名があの「昴」だ。
そして、今回宇宙船に戻って思い出したことが他にもいくつかある。