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「私」が凝縮されたデビューアルバム『My World』の話<前編>


私がピュアハーツのアーティストとして活動し始めたのは2014年のことです。それから2年後の2016年8月に念願のデビューアルバム、『My World』をリリースしました。

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https://www.amazon.co.jp/dp/B01G8X5VU6

諦めずに音楽の道を進んできてよかった、そして苦悩した時代も静かに応援してくれていた人たちに、CDという形で恩返しができる、こんな日が来るとは、感無量でした。

このデビューアルバムは、私が好きな曲、また想い出に残っている曲、今まで歌ってきた曲などで構成された、それこそMy WorldなCDです。ラルゴの通称で知られたクラシックの名曲「Ombra mai fù(オンブラ・マイ・フ)」、オードリー・ヘップバーン主演の名画『ティファニーで朝食を』の主題歌「ムーン・リバー」、そして私の故郷熊本県の民謡「五木の子守唄」、その他全12曲が収録されています。まだお持ちではない方は是非聴いてみてください♪

レコーディングは2016年の年明けすぐだったので、その年末年始は地元熊本へも帰省せず、静かに東京で過ごしました。いつになく緊張感のある正月。初詣に行ったほかは、体調管理のためほとんど外出もせず、練習とイメージトレーニングの日々でした。

レコーディングは数日間にわたって行われました。クラシックを勉強してきた歌手にとってはレコーディングの難しさはありましたが、CDの仕上がりを想像するとわくわくした気持ちが不安を凌駕し、集中してレコーディングに臨めました。初日は「ムーン・リバー」からスタートしましたが、あの新鮮な空気感が今でも忘れられません。1曲1曲形になっていくと、まだ心のどこかに残っていた「夢なんじゃないか」という気持ちが確信に変わっていきました。

2日目、カルテットとピアノの皆さんと一緒に合わせてレコーディングをした日は、前後のレコーディング以上に集中力を要しました。この日のハイライトは「Deep River」だったかもしれません。実はこの曲、中学時代から聴いていたバーブラ・ストライサンドのアルバムに感動し、あんな風に歌ってみたい!という憧れの歌でした。アレンジもバーブラ風に挑戦しているのですが、これが聴くと歌うのでは大違い!音域が広く、またバーブラの装飾の難易度が高く、大変でした。何度か取り直しましたが、結局最初のテイクが一番いいということに。生みの苦しみはありましたが、愛情を持って今でも聴いています。


全ての曲に思い入れがありますが、アルバム1曲目の「I Will Always Love You」には特別な思いがあります。アルバムの一押し曲になっていたこともあり、気合も入りました。作詞作曲をしたドリー・パートンをとても敬愛しているので、一方的ではありますが、関りが持てたような気にもなりました。
「もしかしたら巡り巡って本人が聴いてくれたらどうしよう、そのときのためにも、この部分の表現や発音をもっと研究しないと」、などと色んな妄想も膨らみました。ドリー・パートンのように語りを入れてみようかな、と本気で考えたこともありました。結局そんな無謀なことはしませんでしたが。『ボディガード』のホイットニー・ヒューストンがオリジナルだと思われている方は、是非元祖のドリー・パートン版も聴いてみてください。


そして、アルバムの最後に収録している「エーデルワイス」。私の人生の節目に必ず登場するこの曲は、ピアノの伴奏も私が演奏しています。私が一生歌っていくことになるだろう、この曲。語ることが多すぎるので、また別の機会に。とにかくデビューアルバムには欠かせない一曲です。

全曲こんなエピソードが書けそうですが、また紹介していきたいと思います!

デビューアルバムは一生に一度しか作れません。そんなアルバムに、本当に大好きな曲たちを散りばめることができたことは幸運でした。

多くの方のお耳と心に届くといいな、と願っています。


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