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環境問題を理解する: 環境問題に対する国の役割

さあ、火曜日だ。
火曜日は環境問題について書く日だ。
この「環境問題シリーズ」にはボクの考えが入る余地はない。ただひたすら事実を正確に書くことを目指しているが、将来的に新しい考え方や技術が導入され、ここに書いたことは古くなっていくことをご理解いただきたい。

今日は「環境問題に対する国の役割」について書いていこう。


環境問題に対する国の役割

環境問題を地球規模で取り組む時、その中心的な役割として、国連総会(それに関連する補助機関を含む)や国際的な民間組織などが国家間の課題の調整を行っているわけであるが…

日本国内において、環境問題の取り組みはどのように進められるのだろうか。

まず、日本には「三権分立」というシステムが存在する。
三権分立とは、国の権力を立法権(国会)・行政権(内閣)・司法権(裁判所)の三つに分け、それぞれを独立させることによって、権力が単一の機関に集中することを抑制するシステムのことを指す。それらの三つの権力が互いに抑制し、均衡を保つことによって権力の濫用を防ぎ、国民の権利と自由を保障しようとする考え方である。

立法(国会)の役割

環境問題の解決(つまり、環境保全および持続可能な社会づくり)を進める上で最も重要なルールとなるのは法律だ。企業や国民に何らかの義務付けを行うにしても、政府が環境対策のための支出を行うにしても、環境影響評価(アセスメント)を実施するにしても、法令の定めがなければ実行することができないからだ。

法律の制定は、憲法によって国会の任務と定められており、(環境保全のための)国家予算の作成や税制の改正も国会の議決が必要となる。通常であれば、政府の各省庁が専門家や関係者へのヒアリングや情報収集を行った後、審議会を開催し、さらに(パブリックコメント制度などを使って)国民の意見を聞いた上で、内閣提出法案を固める。国会に提出された法案は衆議院と参議院の両方でそれぞれ審議され、採決によって議決が行われる。両院で可決されれば法律として成立し、官報で公布され、準備作業や広報などの期間を経て、実際に施行されるという流れとなる。

行政(内閣)の役割

環境問題は広範囲な分野と関わる問題である。よって、経済産業省(産業政策やエネルギー政策)、農林水産省(森林政策など)、国土交通省(都市・緑地・河川・下水道・交通・海洋環境など)、文部科学省(科学技術・環境教育など)などの政府機関がそれぞれの方面で取り組んでいる。その中で、環境省が環境政策を中核となって、各省の政策を統合的に調整および推進するための権限を持っている。

なお、特に重要な施策(地球温暖化対策など)については、内閣官房に対策本部を設け、機動的に取り組みを進める場合もあり、また専門性の高い分野に関しては、政府の機関から独立した(国家行政組織法に基づく)委員会が設置される場合もある。環境分野においては、原子力規制委員会や公害等調整委員会などが存在している。

司法(裁判所)の役割

これまでにも、汚染物質が適切に処理されないまま排出され、周辺の住民に被害が出たケースは多い。例えば、四日市ぜんそく(1972年)、水俣病(1971年/1973年)イタイイタイ病(1971年/1972年)、アスベスト問題など、事業者と国民の間で起きた健康被害を挙げることができるだろう。また大気汚染や騒音などの公害問題に関して、国と国民の間で紛争となるケースも存在している。裁判所は、そのような際に法律に基づいて判断を下す機能を持っている。

(続きはまた来週)


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