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誰が「物流」を殺すのか - ⑮5Sは企業の価値基準となるべきものである

さあ、月曜日だ。
月曜日はボクの得意分野の物流について書く日だ。
先週は「物流部門単体では適正在庫を維持することはできない」というテーマの記事を書いた。

今日は「5Sは企業の価値基準となるべきものである」ということについて書いていこうと思う。


作業者が多くなるほど重要になる5S活動

ここ数回にわたって倉庫管理の話をしてきたので、「5S活動」にも触れておこう。

改めて書かなくても、5Sが「整理・整頓・清潔・清掃・しつけ」のローマ字表記の頭文字を取ったものであることは、みなさんもご存じだろう。5Sの考え方は、主に製造業(トヨタが5Sの考えを編み出したと言われている)で取り入れられているが、倉庫においてもほぼ同じように導入することができるものである。そしてボクが知る限り、大手の物流企業や通販企業は概ね5Sがしっかり実践できている。

5Sは職場の環境作りに重要な意味を持つ。
断言していいが、5Sの考え方が浸透していない現場は作業効率が悪いものだ。各々がパソコンを使って、一人の世界に没頭して仕事をするような現場であれば、5Sが浸透していなくてもさほど問題はないだろう。しかし、道具や機械を複数の人が共有して使うような現場となると(その人数が多くなればなるほど)5Sの浸透度合いが作業効率に大きく影響する。

5Sは企業の価値基準となるべきものである

5Sと言うと「片づけをする技術や手順」のようなものを想像される方が多いかもしれないが、ボクは5Sは製造業のみならず、物流に関連する企業の「理念」や「価値基準」となるべきものであると思っている。5Sの考え方が浸透していて、それを文化にまで昇華させている企業は、内部から見ても、外部から見ても、ストレスの少ない風通しの良い企業だと思われることは間違いないだろう。

5Sとは、ただ単純に片づけや掃除をすることではない。
以下の考え方に沿って、社員全員で文化を醸成することだ。

  1. 整理
    必要なモノと不要なモノを分け、不要なモノを捨てる

  2. 整頓
    残った必要なモノを作業手順に従って並べ、取り出しやすくする

  3. 清掃
    どのような状態が正しいのかを明示する
    (道具の置き場所や使い方のルールを掲示する)

  4. 清潔
    正しい状態を探求し、それを維持向上させる
    (上記1. 2. の繰り返し、および3. の修正)

  5. しつけ
    正しい状態を理解していない人に正しい状態を教える
    正しい状態の維持向上に参加しない人に指摘をする

実際に5S活動を始めるには

5S活動の詳細について、ここで書き始めるときりがないので、以下の本を参考にして欲しい。この本は図解入りでわかりやすく書かれているので、初めて5Sに取り組むという会社にもおススメだ。

ただ、5S活動を成功させるためには、いくつかの鉄則がある。
以下のルールを自社に課した上で取り組んでいただきたい。

・トップマネジメントが主導して活動を推進する
・各取り組みの担当者(責任者)と役割を明確にする
・全従業員で実行する活動にする
・必ず業務時間内に行う
・定期的に検証を行い結果を全社員に共有する


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最後まで読んでくださってありがとうございます。

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