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誰が「物流」を殺すのか - ⑰販売物流と調達物流

さあ、月曜日だ。
月曜日はボクの得意分野の物流について書く日だ。
先週は「標準化の重要性と5SとKPI」というテーマの記事を書いた。

今日は「販売物流と調達物流」について書いていこうと思う。


サプライチェーンとは

ここ5週くらいに渡って倉庫の中のことを書いてきたが、そろそろ倉庫の外に目を向けようと思う。

倉庫の外ではモノは常に動いている。
倉庫以外にモノ=商材を留め置く場所はない。商材は倉庫の外では必ずトラックや船舶、飛行機などに載せられて輸送されているのだ。生産者から工場、工場から倉庫、倉庫から倉庫、倉庫から小売店、倉庫から消費者…など、どの区間においても必ず「輸送」でつながれている。それが「サプライチェーン」だ。

モノが倉庫にある限りそのモノはお金にならない。
モノ=商材がお金に換わるのは、その商材が倉庫の外に送り出されて発注した人の手元に届いたときだ。なので倉庫の中の商材は、受注に合わせて速やかに発注者に届けなければならない。そして、モノを送り出してしまうと倉庫の中のスペースが空いてしまうが、その状態は「在庫が適正ではない」状態なので、速やかに在庫を補充しなければならない。

販売物流と調達物流

一般的に、商材を発注者の手元に届けるモノの動きのことを「販売物流」、商材を(補充するために)メーカーやサプライヤーから自倉庫に届けてもらうモノの動きのことを「調達物流」と呼ぶ。ただし、若干ややこしくなるのは、自倉庫の目線で見ると「調達物流」であっても、(その同じ輸送が)上記のメーカーやサプライヤーの目線で見ると「販売物流」になるということだ。

つまり、輸送には「送り手」と「受け手」が存在しているわけだが、その輸送をどのように行うかは、どちらかがイニチアチブを持って決めることとなる。そしてその輸送は双方の契約の締結を以って成立することとなる。それは、通販で個人が商品を買うときも同じだ。皆さんはあまり意識されたことはないかもしれないが、通販事業者は必ず約款(もしくは利用規約)を作成し、その中で配送方法を指定し、ホームページ上に明示しているはずだ。

通販事業者は、契約に基づいて自社の倉庫から購入者に商材を輸送(販売物流)することによって、その商材をお金に換えることができる。そしてその輸送方法は通販事業者がイニシアチブを持って決めている。その輸送はサプライチェーンの最終工程なので、一般的に通販の商材を購入者の自宅に届ける工程を「ラストマイル配送」と呼んでいるのだ。

国内の輸送の大半はトラック(軽貨物車両を含む)に頼っているが、一部船舶や鉄道、航空機などの輸送も行われている。海外との取引の多くは船舶、スピードを要する際には飛行機を使用するというのが一般的だろう。


参考まで…
以前日本の陸/海/空の輸送の歴史をまとめた記事を書いているので、ご興味おありの方はご購読いただけると幸いだ。

(続きはまた来週)


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