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ISO26000を理解する: 「社会的責任」の本質について理解しよう

さあ、火曜日だ。

火曜日は、持続可能な社会について考えている。
現在のテーマは「ISO26000」の理解を深めていくことだ。

ISO26000は、国際標準化機構ISOによって開発された、持続可能な発展を実現するための社会的責任に関する包括的な手引書であるのだが…


先週の記事で、ざっくりとISO26000の全体像を観察した。

ISO26000が目指す場所

ISO26000では、環境・人権・労働・消費者保護など多岐にわたるが、その目指すべき社会的責任の本質的な部分は以下の2つに集約される。

①人間の尊厳と多様性の尊重

人が人としてその生存を保証され、多様な価値を生み、それを享受する主体として尊重される社会。人種・皮膚の色・性別・言語・宗教・思想などの多様性が受容され、それを組織や社会の強みとしていく社会。

②持続可能性の追求

将来の世代のニーズを満たす能力を損なうことなく、今日の世代のニーズを満たす。世代間の公平性が保たれ、社会的に公正で公平な資源配分が行われる持続可能な社会の実現を目指す。

The Japanese Industry's Working Draft for ISO 26000 日本経団連 2006.03. 10

日本版 ISO26000の手引の「3 社会的責任の理解」の項を紐解くと、「社会的責任」という用語について、「社会的責任の要素は、ある特定の時期の社会の期待を映し出すものであり、それ故に、絶え間なく変化する。社会の関心が変化するにつれ、組織に対する社会の期待も、それらを映し出して変化する。」と記載されている。

情報化とグローバリゼーション

昨今、社会の変化の最たるものは「情報化」だ。
情報化によって多くの組織が世界で活動できるようになったが、その反面組織の活動は世界中から監視されるようになった。交通の発達やインターネットの普及で世界は狭くなったが、その反面金融危機やウイルス感染などの世界的な連鎖が起きるようになった。

世の中のほとんどの企業は、(たとえ中小企業であったとしても)何らかのサプライチェーンの一環に組み込まれている。そして、グローバリゼーションによって、そのサプライチェーンは国内だけのものでもなくなっているのだ。


ISO(国際標準化機構)は、この26000を「認証規格」にせず「手引書」という位置づけにしている。

持続可能な世界は、どこかの国や企業単体で実現できるものではない。そして、世界規模で同じルールの下に健全な競争をしなければ、どこかに歪みが生まれてくる。だから、世界のいたるところで統一のルールが認識され、それを導入しやすい環境を作らなければ、多様性を尊重した持続可能な未来なんて絵空事にしかならない…

ISOはそう考えて、26000を認証制度にしなかった(非営利の制度にした)んだろうと思っている。これはあくまでもボクの想像だが。

まずは国際的なルールを知ろう

ボクらはその心意気を感じて、この国際的な「持続可能な世界を作るためのルール」を知っておくべきと思う。ルールを知るのは「手引書」を買って読むだけで十分だ。たいしてお金はかからない。

近視眼的な目線ではなく、ものごとを世界的な規模感で見ることから始めよう。そして刹那的な利益を得ることだけを目的とせず、できることから未来のための投資をしていくべきだ。


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