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「ビジョナリー・カンパニー」を読む - ⑤基本理念が企業の成長のカギになる

さあ、金曜日だ。

金曜日は、ジム・コリンズの「ビジョナリー・カンパニー」を隅々まで読んでいって、その中から彼が起業家や経営者にあてたメッセージを抽出していこうと思っている。

先週は「基本理念を企業内に根付かせる」と言う記事を書いたが、今週は「基本理念が企業の成長のカギになる」ということについて書いていこう。


基本理念の定義

ジム・コリンズは、基本理念を以下のように定義している。

基本理念 = 基本的価値観 + 目的

基本的価値観 = 組織にとって不可欠で普遍の主義。いくつかの一般的な指導原理からなり、文化や経営手法と混同してはならず、利益の追求や目先の事情のために曲げてはならない。

目的 = 単なるカネ儲けを超えた会社の根本的な存在理由。地平線の上に栄会陰に輝き続ける道しるべとなる星であり、個々の目標や事業戦略と混同してはならない。

基本的価値観

まず、大前提として会社は組織だ。
そして、組織であることの重要性が2つある。

ひとつは、組織を構成している社員に素晴らしい才能とエネルギーを持つ人材がいることだ。全員がそういう人材ではないとしても、皆で共通の目標に向かって進んでいくことによって、その才能とエネルギーは増幅される。それが二つめの重要性だ。

IBMの元CEOのトーマス・J・ワトソン・ジュニア氏は以下のように述べている。

成功する企業と失敗する企業の決定的な違いは、社員の素晴らしいエネルギーと才能を組織がどこまで引き出せるかにあることが多いと思われる。
世代によってさまざまな変化が起こるなかで、社員が共通の目標に向かうようにするための答えは、我々が信念と呼ぶものの力と、社員の心を動かす魅力にある。

企業の成功をもたらす要素のなかでもっとも大切なのは、そうした信念を守り抜くことだ。信念は、常に方針、経営手法、目標に優先させるべきである。

人は誰かの信念に共感する。
それが口先だけではなく、ブレることなくその信念を貫き通す姿に魅力を感じるのだ。組織をリードする人物の信念に周りの人が共感することによって、組織は同じ方向に向かって走り出すのだ。

目的

目的の最大の役割は、組織の指針となり、活力を与えることだ。目的は不変であり、終わりのない旅の道しるべだ。組織が何を目指しているのかを明文化したものであるべきだ。

例えば、ウォルト・ディズニー・カンパニーは「世界中の人々を楽しませ、知的好奇心を満たし、ひらめきと感動を提供すること」を企業の目的として掲げている。また、JW マリオットは「自宅から離れている人たちが、友人に囲まれ、心から歓迎されていると感じられるようにする」と、基本的な任務を謳っている。

バリュー/ビジョン/ミッション

信念を貫き通すこと(基本的価値観/バリュー)+不変の道しるべ(目的/ビジョン)…その二つが揃って、組織は永続的な力を発揮する。

最初はぼんやりしたものだろう。
しかし、何度も何度も鍛えていくに連れ、それが企業のミッション(基本理念)に成長していくのだ。その成長をキチンと記録し、文章化していくことが企業の成長のカギとなるのだ。

(続きはまた来週)


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