環境問題を理解する: 企業の社会的責任(CSR)
さあ、火曜日だ。
火曜日は環境問題について書く日だ。
この「環境問題シリーズ」にはボクの考えが入る余地はない。ただひたすら事実を正確に書くことを目指しているが、将来的に新しい考え方や技術が導入され、ここに書いたことは古くなっていくことをご理解いただきたい。
今日は「企業の社会的責任(CSR)」について書いていこう。
CSRとISO26000
CSRとは「Corporate Social Responsibility」略で、企業が社会の中に存在していくために果たさなければならない責任のことを指す。企業が営利活動をして行くにあたり、従業員や顧客(消費者)のみならず、周辺環境への配慮や社会貢献などに対して、適切な意思決定をし、適切な業務遂行をしなければならない。それは、ただのイメージ戦略や一過性のものではなく、持続可能な手法で(法令を含む)社会通念上の常識やルールを順守していくものとなる。
CSRには国際基準が存在する。
ISO26000は、国際標準化機構(ISO)が2010年に定めた、企業の社会的責任(CSR)に関する国際的なガイドラインだ。ISO26000は、ISO9001のような認証規格ではなく、企業が自発的に取り組むためのガイダンスである。
ISO26000の目的は、企業の社会的責任を明確にし、持続可能(社会、環境、経済のバランスを重視する)な開発への貢献と、ステークホルダー(顧客、従業員、地域社会など)との関係を強化することであり、7つの原則(説明責任、透明性、倫理的な行動、ステークホルダーの利害の尊重、法の支配の尊重、国際行動規範の尊重、人権の尊重)によって、社会からの信頼を得、ブランドの向上やステークホルダーと良い関係性を築くことを目的としている。
CSR(企業の社会的責任)の対象にしなければならないことは企業によって異なるが、ISO26000では主格となる7のテーマ(組織のガバナンス、人権、労働慣行、環境、公正な事業慣行、消費者問題、コミュニティへの参加)を挙げているので、その中から(重要度やコストバランスなどを考慮しながら)優先順位を決めて進めていくことが重要となるだろう。
CSRとSDGsの関連性
CSRはSDGsに関連する項目も多いので、関連付けて事業活動を行っている企業も多く存在している。SDGsの詳細については、過去の記事をご参照いただきたい。
1. 組織のガバナンス →目標16(平和と公正な社会を)
2. 人権 →目標10(不平等をなくそう)・目標16(平和と公正な社会を)
3. 労働慣行 →目標8(働きがいも経済成長も)・目標10(不平等をなくそう)
4. 環境 →目標13(気候変動に具体的な対策を)・目標14(海の豊かさを守ろう)・目標15(陸の豊かさも守ろう)
5. 公正な事業慣行 →目標10(不平等をなくそう)・目標17(パートナーシップで目標を達成しよう)
6. 消費者問題 →目標12(つくる責任 つかう責任)
7. コミュニティへの参加 →目標11(住み続けられるまちを)
(続きはまた来週)
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