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誰が「物流」を殺すのか - ⑬適正在庫を維持することが倉庫管理の目的である

さあ、月曜日だ。
月曜日はボクの得意分野の物流について書く日だ。
先週は「TC型倉庫とDC型倉庫」というテーマの記事を書いた。

今日は「適正在庫を維持することが倉庫管理の目的である」ことについて書いていこうと思う。


在庫管理とは

特にDC型の倉庫においては「在庫管理」が重要なポイントとなる。

JIS(日本産業規格)によると、「在庫管理とは(在庫管理完成品・仕掛け品・部品・原材料などの)棚卸資産の量を適正に管理する活動であり、市場の需要動向に即応して、品切れまたは余剰在庫の発生を防止し、キャッシュフローと棚卸資産回転率とを同時に向上させて、顧客満足度と経営効率とを追求する、ロジスティクスの中心的活動である。」と定義されている。

つまり、在庫は財務上現金と同じ扱いである。
なので、まず一番重要なのは「在庫数と帳簿に差異がない状態に管理されていること」だ。極論で言うと、在庫数が正しく管理されていない状態で決算を続けていると、法人税法違反に問われてしまうこともあり得る。

その上で(顧客サービスの観点から)「必要なものを、必要なタイミングで提供できるようにする」ことが重要となる。つまり、在庫が過剰でも過不足でもない状態を維持し、余分に在庫費用を発生させないことを追求しなければならない。在庫を大量に抱えていると、いずれその商品は陳腐化し、売価が下落することが予想され、場合によっては廃盤や品質の劣化などによって廃却しなければならなくなるかもしれない。それは製造や仕入れにかかったコストそのもの、およびその金利、それらを保管するために使った物流コストのロスにつながる。逆にそういった事象を恐れて在庫を圧縮し過ぎてしまうと、品切れを発生して顧客のニーズに合わせられなくなり、それは販売の機会損失を生んでしまう。

在庫分析の手法

まずは「在庫分析」をしなければならない。
これはアイテムごとに実施する。それは品目ごとに特徴があるからだ。そして、同じ品目であっても保管されている地域やクライアントによって、その特性(出荷量のバラつきや在庫補充の頻度など)は変化する。そして需要自体も変動していく。つまり、型にはまった最適解はないのだ。残念ながら、毎日毎日最適解を見つけ出していく作業を繰り返していくしかない。

よく使われる在庫の分析手法としては、以下の2つがある。
この要素を元にして、どのアイテムが回転が速くて頻繁に在庫補充をしなければならないのか、逆にどのアイテムが不良在庫を抱えやすいのかを分析する。
平均在庫日数=(在庫物量 ÷ 1日の出荷物量)
在庫回転数=(出荷量 ÷ 在庫量)
 

よく言われる「ABC分析」は横軸を出来高(物流の場合は出荷数)を降順に並べて、アイテムごとの売上貢献度を表現するパレート図であるが、この横軸を平均在庫日数に換えるとアイテムごとの在庫日数の実態を、横軸を在庫回転数に換えるとアイテムごとの在庫回転数を把握することができる。一般的に出来高(出荷数)の60~70%を占めているアイテム群がAランク、80~90%を占めているアイテム群をBランク、それ以外をCランクという区分をするが、在庫日数および在庫回転数においても同様の考え方をすることができるだろう。

適正な在庫量を維持すること

適正な在庫量を決定する要素には以下の4つがあるが、1. と2. は市場の変化やクライアント側の事情によるものであり、物流側で主体的にコントロールできる方法は3. と4. の「在庫補充」となる。
1. 需要の変動
2. 出荷量の平均とバラつき
3. 在庫補充のリードタイム
4. 在庫補充の頻度

具体的には「定期的に不定量を補充する」もしくは「不定期で定量を補充する」の二択になることが多く、「定期的に定量を補充する」「不定期で不定量を補充する」という方法はあまり採られることことはない。それは「定期定量補充」では在庫過多になることが多く、「不定期不定量補充」は属人化してしまう場合が多いからだ。

「定期不定量補充」は、ABC分析のAランクのアイテムもしくは需要の変動の大きなアイテムに対して採用されることが多い。補充のタイミングを決めておき、必要な補充数を算出した上で、サプライヤーに発注をかけることにより、発注漏れや在庫過多や在庫不足のリスクを顕現させることができる。

一方で「不定期定量補充」は、ABC分析のCランクのアイテムおよび受注が安定しているアイテムに対して採用されることが多い。それは言い換えると、補充に手間をかけたくない場合に採用されるということだ。定量で発注すれば、発注の手順だけでなく、輸送も入庫作業もパターン化することができる。

参照元: https://it-trend.jp/inventory_control/article/97-0035

いずれ人の手を離れるかもしれない

不勉強で申し訳ないが…
最近ではAIを搭載したWMS(Warehouse Management System)なども発売されているだろうと想像している。そういうツールを使えば、上記のような細かい計算をAIが肩代わりしてくれて、最適な補充の方法やタイミングをレコメンドしてくれるのかもしれない。

来週は、適正在庫を維持するためには、営業部門との連携が重要であることについて書いていこうと思う。


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最後まで読んでくださってありがとうございます。

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