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環境問題を理解する: 都市部特有の環境問題

さあ、火曜日だ。
火曜日は環境問題について書く日だ。
この「環境問題シリーズ」にはボクの考えが入る余地はない。ただひたすら事実を正確に書くことを目指しているが、将来的に新しい考え方や技術が導入され、ここに書いたことは古くなっていくことをご理解いただきたい。

今日は都市部特有の環境問題について書いていこう。


大都市の定義

総務省統計局の発表によると、2023年10月現在の日本の総人口は1億2434万2千人だ。そして「大都市(総務省の定義による人口が50万人以上の都市、具体的には、東京都、札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、横浜市、川崎市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、広島市、北九州市、福岡市)」は概ね日本の総面積の5%程度なのだが、その狭い土地に全人口の44%もの人が住んでいる。よって都市部には都市部ならではの環境問題が発生する。

ヒートアイランド現象

ヒートアイランド現象とは、都市部の熱汚染現象を指し、都市の中心部の気温を等温線で表すと島のように見えることから名づけられている。概ね1.5℃~2℃以上気温上昇が起きているが、特に夏場の気温上昇が問題視されている。

ヒートアイランド現象の原因は、自動車や建物からの排熱の増加、緑地の減少(アスファルトやコンクリート面の増加)、建物の高密度化によって風通しが悪くなる、などを挙げることができる。ヒートアイランド現象によって、熱中症や睡眠障害の発症が増加する他、光化学オキシダント発生の頻度が増えるなどの大気汚染にも関係が起きる。また冷房を多用しなければならなくなることからエネルギー消費が増加(冬場は暖房が節約できるが…)してしまうことも問題だ。

ヒートアイランドの対策としては、屋上緑化や壁面緑化、道路緑化を進める、またビルの壁面に高反射率塗料を使用するなどで、街に熱が蓄積することを緩和すること、また広場や公園などに噴水を設置したり、人工ミストの噴霧を行うなどの工夫がされている。そのほかにも、都市再開発によって「風の道」を創出する取り組みも行われている。

都市型洪水

ヒートアイランド現象に関連して起きるのが都市型洪水だ。
気温が高くなることで短時間に強い雨が降ることが多くなっている。「ゲリラ豪雨」と呼ばれているアレだ。都市部の地面のほとんどはアスファルトやコンクリートに覆われているので、土壌に水が浸透する貯水(保水)機能や遊水機能が低い。降水量が排水力を上回ってしまうことによって、溢れた水が一気に低地に流れ込むという都市特有の洪水が発生することがある。

特に、地下鉄や地下街などの地下構造物が多いエリアでは、その出入口や換気口などから浸水し、被害が拡大することが多い。また電気系統設備などが浸水することによって停電が発生することもある。

近年は、幹線道路や公園の地下などに巨大な調整池や雨水浸透ますの設置などの対策が進んだことによって都市型洪水は減少傾向にある。

感覚公害

住宅や事務所などが密集することによって、騒音・振動・悪臭などの被害を訴える人も増えている。そのほかにも、屋外照明や交通量の増加によって、不快感だけでなく野生生物や植物などへも影響を与える「光害」も都市部ならではの問題だ。

コンパクトシティ構想

一方、地方都市では、人口減少や高齢化などによって中心市街地の衰退が起きており、都市のスプロール化(都市が郊外に無秩序・無計画に広がっていくこと)やスポンジ化(スポンジの穴のように未利用地が増えること)が問題視されている。

まさに、ボクの出身地がスプロール化、スポンジ化が起きている地方都市だ。しかし2020年に市はコンパクトシティ構想を策定し、駅周辺に居住施設・商業施設・医療施設などを集中整備し、過疎化を防ごうとしている。

ボク自身は東京暮らしが長くなってしまい、地元で起きていることは遠くから見守ることしかできないが、以前のように街の活力を取り戻して欲しいと願っている。

(続きはまた来週)


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