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大手牛丼チェーン店も物流目線で見てしまう癖(の続き)

さて、先週日曜日の「大手牛丼チェーン店も物流目線で見てしまう癖」という記事の中で「松屋の5Sは素晴らしい」ということを書いたのだが…

あれから一週間、ボクは若干の後悔を抱えていた。
あの記事は科学的な観点で物事が見れてなかったように思う。科学的に因果関係を示すことは難しいのはわかっているが、少なくとも他の牛丼チェーンと比較くらいはすべきではなかっただろうか…

ということで、あのあと「吉野家」と「すき家」にも行ってみたので、今日はそのレポートを書いてみようと思う。ただし、ボクの見ているポイントは「5S」に関するところのみで、味や接客などの点は全く考慮されてないこと、予めご理解いただけると幸いだ。

どちらもDX化が進んでいる印象

印象としては、吉野家もすき家もDXの方に投資している気がする。もちろん、それぞれ店舗によって導入のされ方に差はある。

都内の吉野家の某店舗に入ってみたが、ここはカウンターオンリーでテーブル席はなく、それぞれの椅子の前にタブレットが置かれていて、充電用のコンセントとUSBソケットも備え付けられていた。

オーダーは非常にスムーズだ。
ここ数年吉野家に来ることなかったけど「こんなかったっけ?」という印象だ。メニューも豊富になったなあ。

吉野家の都内某店の気になったところ

導線はちょっと気になった。
店内は縦長の造りで、入り口から左側が厨房になっているのだが、手前から会計の窓口→カトラリーと給水機→商品受取口→商品返却口、となっている。

ボクが座った3番のカウンターは(サイネージで)呼ばれて振り返ると会計窓口あたりになっているので、ちょっとキョロキョロした挙句、店内を奥に進んで真ん中の窓口で商品を受け取り、自席に戻ろうとすると、自席を見失ってまたキョロキョロする。そして着席して初めて席にカトラリーが無いことに気づき、またキョロキョロして、カトラリー類が一か所にまとめられていることに気づく。

まあ、店の造り上仕方無いのかもしれない。
会計窓口を出入口のところに置くのは当然と思う(持ち帰りの対応もあるのだ)し、その奥が調理場で、さらにその奥が洗い場であるのも厨房の導線としては当然だろう。しかし店内が混雑してくると、奥に向かう人と外に向かう人、そして会計や給水などで立ち止まる人で混乱するだろうと推察する。

すき家の都内某店はどうか

そういう意味では、すき家の都内某店は席ごとにタブレットを置かないことで、そういった混乱を解消しようとしているようだ。その店舗は入口に決済までできるセルフオーダーのパネルを設置していた。

ボクが知っているすき家の多くは、席に着いて目の前に据え付けてあるタブレットでオーダーし、帰るときに会計するスタイルだったが、この店舗はオーダーの際に会計を済ませるので、店員が会計対応する必要が無い。そして目の前にタブレットがなく、調味料類だけなので非常にスッキリしている。(ただし、しょうゆがトレーに入りきってないのは頂けないが…)

ボクが知っているすき家の他の店舗では、食事を終えたら食器を席に置いたままで会計に進む。お客は食器を席に置きっぱなしにして帰るので、店員はそれを回収して回らなければならない。そうなると(店員の工数も増えるが)店内にお客以外の人がウロウロすることになるので、混在している時に導線を阻害する要因になりかねない。つまり、入店時にタッチパネルで会計まで済ませる仕組みの方が帰りの導線・・・・・はスムーズになる。

一方で、タッチパネルでまごつく人がいると、入店時に待機列ができてしまう可能性も高くなり、その行列が店外にまで及んでしまうと、それによって入店を見送る人も出るかもしれない。それは機会損失につながるので、経営層としては看過することができないだろう。

いかにお客の立ち寄り箇所を減らすか

いずれにせよ、この3つのサンプルの中で最悪なのは、冒頭に書いた吉野家の例だ。(店舗ごとに事情はあるとは思うが…)この吉野家の場合、お客は食事を終えて帰る際に、食器の返却をした上で、さらに会計に進まなければならない。つまり店外に出るまでにツータッチ必要になる。つまり、お客の店内の導線が不規則になった上に滞留時間が長くなる。

だが、入店時のセルフオーダーのタッチパネル決済であれば、お客は食器返却口へのワンタッチでそのまま店外に出ることができる。入口左側の会計窓口を潰して、そこに数台の決済ができるタッチパネルを置くか、そうでなければテーブル決済できる端末を席ごとに置くかすることをお勧めする。

…が、いずれにせよ、お客側にも一定以上のリテラシーが求められることは間違いないだろう。


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