見出し画像

昨日の出来事

                           令和5年4月2日
 
通っているドイツ語学校の春休みがあけて、昨日からドイツ語の授業が再開した。1カ月ぶりに会う同じメンバーだが、何だか雰囲気が違う。そう、全員マスクをはずしているのだ。久しぶりと言いながら、ほころぶみんなの笑顔を見て、私は新学期の高揚感を思い出していた。
 
それぞれの春休みの話題でひとしきり盛り上がった後、やっと授業が始まったのだが、ドイツ人の先生は、今日教科書はやらないという。その代わり、彼女は神妙な面持ちで、ドイツで発表されたというニュース記事のコピーを配った。私たち受講生は、不安げに顔を見合わせた。何か難しい記事でも読まされるんではないかと。
 
何と、記事の内容は、2025年からドイツ語の文法を以下の通りラジカルに(根本的に)簡略化するというものだった:
1.名詞の性は、人以外、つまり物、動物、抽象名詞は、全部中性にする。
2.過剰な形容詞の変化を1通りにする。4通りの格変化のうち2格はなくす。
3.主文、副文中の動詞の位置を常に2番目とする。つまり、動詞の位置を逐一変える必要がなくなる。
 
私は、先日投稿したnoteにドイツ語の文法の複雑さについてかなり不満をぶつけていたため、こりゃ訂正文を載っけなきゃならんじゃんと焦りつつも、文法がこれほど簡略化することに、内心喜んでいた。特に形容詞の変化は、細かくて頭痛がするほどだったので、もう覚えなくて済むとほっとした。
 
教室内も興奮で沸き返っていた。私の前に座っているHさんは、「こんなに変わっちゃうの? 簡単になるのはいいけど、今までの苦労は何だったのよ!」と困惑顔。先生はにこにこして、「そうね、でも、これからは、テーブルも本もコーヒーカップも全部、中性でよくなるのよ」となだめる。
私が思わず「それに、名詞に付く形容詞も同じでいいんですもんね。よかったあ、形容詞の変化を覚えていなくて」と言うと、また笑いが沸き起こる。
 
みんなドイツ語文法の重荷が降りたようで、やれやれと安堵していると、教室の端からSさんの声「あれ、そういや今日は何の日だっけ?」
待ってましたとばかりに、先生が繰り返した。
「アプリル、アプリル」(アプリル(April)は4月)
それでも状況を把握できていない私たちは、きょとんとして、一斉に先生の方を見る。
 
ま、まさか、エープリルフールってこと?
「えーっ!」
どよめく教室。してやったりの先生は満面の笑み。
 
「こんな込み入ったことやるんだ」とあっけにとられてHさん。
ぬか喜びした私も、がくっと気が抜けて、立ち直るのに時間がかかった。
『ぜんぶウーソさ、そんなもーんさ♪』そんな歌あったっけな。まさに、簡単ドイツ語はまぼろしー、に終わった(>o<)。
 
ドイツ式「エープリルフール」は、実にラジカルであった。
でも、ドイツ人もドイツ語の七面倒臭さ、自覚してたんだね(^o^)。
 
 
                           2. April 2023

Episode von gestern


Gestern habe ich den Deutschkurs besucht. Dort hat die Lehrerin uns mit ernstem Gesichtsausdruck einen Nachrichtenartikel gegeben und gesagt, „Lesen Sie zuerst den Artikel“.
 
Im Artikel steht, die deutsche Grammatik werde ab 2025 radikal vereinfacht. Das heißt: alle Substantive außer den Menschen werden neutral, es gibt keinen Genitiv oder keine komplizierte Deklination der Adjektive mehr, und in Nebensätzen soll das Verb nicht mehr am Ende stehen, sondern an zweiter Stelle.
 
Als wir das verstanden, haben wir uns alle laut gefreut. Besonders war ich, die oft Fehler mache, total begeistert. Endlich brauche ich mich nicht mehr um die Grammatik zu kümmern!
 
Ein Mitschüler sagte dann, „Warte mal, welcher Tag ist denn heute?“
Im gleichen Moment rief die Lehrerin mit einem breiten Lächeln:
„April, April!“. 
 
Genau, das war der Aprilscherz und sie hat uns in den April geschickt!
Wir wurden aber komplett hereingelegt‼
 
Ich finde den Deutschen Aprilscherz ziemlich radikal und denke, dass die Deutschen auch die Kompliziertheit und Schwierigkeit ihrer Sprache schon gut bemerken(^o^).


いいなと思ったら応援しよう!