電影鑑賞記『千禧曼波 Millenium Mambo』(2001)
Hou Hsiao-Hsien 侯孝賢作品なので観に行ってみた。
私は『A City of Sadness 悲情城市』で侯孝賢に嵌った。もちろん全作観たわけではないけれど、とにかく大好き。
いつものごとく何の前情報も入れずに観に行った。
オープニングでやられた。『夢中人』のような音楽、このカラー、長回し。2001年になっても侯孝賢はやはり侯孝賢のままだった。台灣新電影風潮はまだそのうねりを止めていなかった。
私の素朴な疑問。
台湾映画ではなぜ男連中がすぐ取っ組み合いの喧嘩をするのか。
私の中では侯孝賢の『悲情城市』『風櫃來的人』、『牯嶺街少年殺人事件』やらの楊德昌あたりの印象が強くて、男連中は喧嘩っ早いイメージ。この『千禧曼波』でも男連中はすぐに取っ組み合いを始める。ここらへんの差s区品の男連中は皆黒社会的背景があるからなのかな。
この作品の中の演員は Shu Qi 舒淇と Jack Hao 高捷しか知らなかった。てか、高捷が Jack という英語名を持っているのもこれで初めて知ったよ。
高捷は『悲情城市』で初めて知ったのだけれど、あの演技が凄すぎて、他にどんな作品を観てももう違和感しかない(捷哥ごめん)。『悲情城市』での阿良が強烈過ぎて。戦争から精神を病んで帰ってきた阿良。その後正常な状態に回復した阿良。なのにまたおかしくなる阿良。凄すぎた。なので、それ以降の作品で見かけた時に、黒社会系の役柄ならまだなんとか直視できるのだけれど、この『千禧曼波』での好人な設定がどうしても受け入れられず観ている間中ずっと違和感しかなかった。(捷哥ごめん)
カメラのアングルとかカラーリングとか美味しい要素は沢山あったけれど、私としては『悲情城市』『風櫃來的人』『牯嶺街少年殺人事件』ほどのショックは無かった。
高先電影院にて鑑賞。★★★