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Sophie
2020年10月31日 00:37
甘栗前回からの続きで、まずは大陸人エキストラのエピソードを。歌〇〇町は繁華街。飲食店が軒を並べる。ラーメン屋あり、おでん屋あり、甘栗屋の店先には甘栗を炒る為の小石を入れた大きな中華鍋。もちろん甘栗もちゃんと投入されている。小売り用の袋入りも小道具として準備されていた。繁華街を行き交う市民役のエキストラがそれぞれの位置に配置された。続いて動作組が配置や動きのチェックに現場に入ってみると、何人
2020年10月29日 18:13
深圳のリトル映画村深圳市はなんだかんだで結構広い。某区の廃工場にセットを組み約1ヶ月の撮影に臨んだ。元はサムスン電子系の工場だったのだが、サムスンがその区から全面撤退したせいで彼方此方の工場が空いていて、それを借りてセットを組んだ。確かに道挟んだ向こうの工場も、遠くに見える工場に掲げられた企業名も全て「三星」だ。「三星工業村」だった名残。私がその昔仕事で通った東莞市石龍鎮の「ミノルタ村」のよう
2020年10月28日 17:41
そして東京。都内と都外でやはりほとんど屋外での撮影。屋内のシーンも撮影したけれど俳優とカメラ以外は部屋にはいられないので廊下だったり外だったりで待機&準備。寒かった。雪が降った日もあった。寒いのが本当に本当に苦手で大嫌いな私としては辛かった。サービス・エリア動作組的に東京での正念場はサービス・エリア・シーンと市場シーン。両方ともにエキストラさん達がよく頑張ってくださったと思う。サービス・エ
2020年10月26日 23:38
『追捕 / Man Hunt』やったのか!あれをやったのなら、もう何が来ても大丈夫だな!この作品の七転八倒ぶりは業界でも有名で、この作品を乗り越えられたのなら、後はどんなに苦しい厳しい作品が来ても屁の河童だと誰もに言われる。香港でも日本でも。喜んでいいのか悪いのか・・・。私にはプリプロからポスプロまで全てを乗り切った体力と気力があるという証明になるのだから喜ぶべきかもしれないね。『肥龍過
2020年10月24日 16:06
とにかく必死で間に合わせたヴェネツィア映画祭出品。これで終わったかと思いきや、2ヶ月後にまた呼ばれた。この時はさすがに美味しいもの食べに行く時間が取れた。再編集の為に再び食の天国へ同じルートで同じようなミッション。まずは台北で混音=Mixing。そしてバンコク。Color Grading もやっていたのかもしれないけれど私自身の業務はやはりセリフの調整や Lip Sync の確認、英文字幕
2020年10月24日 00:11
Color Grading = カラコレ台北から直接飛んで、やって来たのはタイのバンコク。ここでのミッションは日本の業界で言うカラーコレクション、略してカラコレ。中文では調色と書くようなのだけれど、香港電影人は皆英語のまま Color Grading と言う。Color Grading こそ本当に出番が無いはずなのだけれど、なぜ私も呼ばれたのか?この Color Grading をお願いした会
2020年10月20日 15:23
とにかくヴェネツィア映画祭への出品というケツカッチンだったので必死のポスプロ。なんとか映画祭に出せる尺にまで切って切って切りまくった。アフレコでは、編集がある程度確定した映像を観ながら修正したセリフの長さや Lip Sync リップシンクも調整しつつ録音する。映像を変なタイミングで切ってしまっていないか、セリフの流れがおかしくなっていないか、確認しながら作業。セリフのスピードや音の長さはミキサ
2020年10月17日 11:48
無事撮影終了した『Man Hunt / 追捕』だったが、それでおさらば、とはならなかった。今度は「後期工作=ポスプロ」という快楽的アリ地獄へ。補拍=追加撮影俗に言う「追撮」が行われた。香港から最低限のクルーがやって来た。俳優本人は来ない。吹き替えもしくはスタントマンのみ。補拍ももちろん初参加の私。映画製作に関わっている人なら、どのシーンがどれほどヤバかったか本編観ればわかると思うけれど、あ
2020年10月14日 23:33
香港電影撮影現場の話がずっと続いてしまったので、映画撮影の現場通訳を目指す・憧れている方へ、ここで少し豆知識的なものをば。映画撮影の現場通訳は体力勝負映画撮影の現場通訳は体力勝負で、寝不足、不規則で長時間の撮影に耐えられる体力と気力、屈強で健康な身体が必要だというのは前にも書いた。理由の一つがこれ。Walkie Talkie トランシーバー2台持ち現場通訳は得てして Walkie Tal
2020年10月13日 21:37
そしてなんとか撮影は終了した。最後のシーンの撮影で「Good take~~~!」の声が掛かり、皆から拍手が沸き上がった。この時点でもう胸がいっぱい。「監督へ花束!おつかれさまでした!」「では監督から一言!」「Sophie!出番!」「え?私?」「当たり前や!お前に決まってるやろ!」導演の「いろいろあったし、本当に大変だったけれど、みんな、ありがとう。」という言葉を聞いたらもうダメだっ
2020年10月11日 21:29
撮影の話はそろそろ終わりなので、この作品で出会った才能豊かなお二人について触れておく。リスペクトすべき俳優この頃すでにブレイクしまくっていた斎藤工を全く知らなかった。キャスト・ボードに上がってきた名前で初めて存在を知った。キャスティングの最終決定権は当然導演にあるので、キャスト関連の話は香港人クルーの管轄。当然私も広東語で「ジャイタン・ゴン」と呼ぶので、「工」の字を「たくみ」と読むことさえ長ら
2020年10月11日 00:07
駅ラスト・シーンは吉ヶ原駅。ここは監督のみならずクルー全員が気に入った素敵なロケーション。駅も素敵、駅舎も素敵、保存車両も素敵。ランチタイムには裏の公園で、地元の方達が本格的な「流しそうめん」をやってくださった。竹の足場に割り竹のそうめん流し。こんなに本格的な流しそうめんは初めて体験する香港人クルー達。彼らの喜びようったらなかったね。導演も楽しんた束の間の癒しタイム。実は吳宇森導演、食
2020年10月7日 10:50
小料理屋前の回でも書いたように、ここには複数のセットを組んだ。その中の一つが小料理屋。女殺し屋二人がヤクザたちをハチの巣にするここ一番のド派手な銃撃祭り。二人の女殺し屋レイン(ハ・ジウォン飾)とドーン(アンジェルス・ウー飾)が実は姉妹設定なのだが、それに気付いているレビューが少ない。ガールズラブな感じに見て取っている人もいた。脚本を知り過ぎている私は二人が酒井義弘(国村準)が孤児院から拾って来
2020年10月6日 00:32
研究室と牢屋と小料理屋そして次のセットへ移動。岡山県内の別場所。ここにもまた大がかりなセットを組んだ。ここではファイトもあればガン・アクションもある。毎日の睡眠時間が4時間程度しか取れないし、現場での通訳も撮影後の翻訳もフル回転で体力的にはヘロヘロなのだけれど、アクション・シーンの撮影があるだけでテンション上がる私。バイオレンスの詩人はやはりアクションアクション・シーンになるとプロデュー