ソフィア・フリクセル

© SQUARE ENIX | 弊自機達の二次創作小説置場。ネタバレに遠慮がない。アイコンははしもとさん。

ソフィア・フリクセル

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マガジン

  • イズミ・流浪篇

    ひとりの冒険者となったイズミはボズヤ・ダルマスカ方面へ旅に出る。竜騎士スズケン、薬師ラディを交えた旅はやがてイヴァリース時代の遺跡へ辿り着くのであった。

  • ソフィア・暁月篇

    光の戦士ソフィア・フリクセルの比較的最近の戦いや日常。

  • イズミオリジンEP2

    光の戦士のリテイナーとなった青葉イズミ。彼女は変わらず仇を追う日々を過ごしていた。その合間に請けた仕事の最中、殺したはずの相手が目の前に現れる―。青年誌ぐらいの殺伐レーティングです。時系列はパッチ4.5。 「STINGY SOUVENIR AND SPECTACULAR SCENERY」全4話。

  • イズミオリジンEP1

    ルール無用の残虐妖異ハンター「青葉イズミ」のオリジンエピソード。孤独な戦いを続けるイズミが光の戦士と出会うまでの物語。青年誌ぐらいの殺伐レーティングです。時系列はパッチ4.1。「CURSED LEAF AND DAUNTLESS BLADE」全4話。

  • DEADLY CURSE AND BLUE POP

    呪われし女青葉イズミ、その最後の戦い。

最近の記事

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最初に読むやつ

ファイナルファンタジー14の自キャラ中心二次創作小説が置いてあります。不定期に増えます。ネタバレはあります。NPCはあんまり出ません。百合とか書かれてますがそんな濃密ではないです。血飛沫と暴力とパロディの方が多いです。 どこから読んだら良いの?エピソード1的なやつ 弊二次創作によく出て来る「イズミ」と「ソフィア」が出会うお話はこれ。ハイパー殺伐アクション百合です。パッチ4.1頃。全4話。 上の話の直接の続編も最近書きました。 スーパーロボットアクション百合連作 これ

    • 天より降りし遺産

      「で、いつになったら英雄サマを紹介してくれんだ?」 鳩羽色の髪をしたミコッテの女は笑みを浮かべつつ、同席する白鱗アウラの女に詰め寄った。その話になるだろうと予想していたアウラの女——青葉イズミはため息混じりに言葉を返す。 「あの娘はバカンス中だよ」 「チッ、なんだよそれ」 ミコッテの女は苛立たしげにテーブル上のタンブラーを持ったが、飲むでもなく置き直してソファにもたれた。モザイクコーヒー上空を通り過ぎたエアビークルが一瞬だけ二人の間に影を落とした。 「約束したのはそ

      • 紫は雨に烟る5 - Izumi Origins EP3

        【1】【2】【3】【4】 神像の残骸から現れた長虫は、咆哮と共に天井へ伸び上がった。長虫には腕も足も無く、灰褐色の芋虫のような胴体の先に、ただ巨大な口腔が開いているだけだ。醜悪な長虫は神像を遥かに越えて屹立する。かつてこの地の底に生きた影の民達なら、このおぞましき長虫を神の使いと崇めたであろうか。例えその正体が異界の大妖異であり、信仰に応える知性を永遠に失った異形であっても。 異形の長虫はわずかに頭をもたげた。無顎類じみた口腔で牙が蠢く。頭を向けた方向には、斜面を駆け上が

        • 紫は雨に烟る4 - Izumi Origins EP3

          【1】【2】【3】 突然の爆発に大型妖異はたたらを踏む。そして巻き起こる爆煙を割って角の女が飛び込んで来た。前方宙返りの勢いを刀に込めて、女は妖異の顔面に斬撃を叩き込む。妖異はくぐもった呻き声と共に後ろに倒れ、がらりと足元が崩れた。妖異は女もろとも崖下へ消えた。 「わぁぁ!イズミちゃん!」 後ろに控えていた赤髪の男——テオドアは悲鳴を上げながら崩れた崖の下を覗き込んだ。眼下に点在する偏属性クリスタルの赤みがかった光が広大な廃墟を仄かに照らしている。崖下でまた爆発が起こっ

        • 固定された記事

        マガジン

        • イズミ・流浪篇
          16本
        • ソフィア・暁月篇
          16本
        • イズミオリジンEP2
          4本
        • イズミオリジンEP1
          4本
        • DEADLY CURSE AND BLUE POP
          4本
        • イズミ・殺伐篇
          17本

        記事

          紫は雨に烟る3 - Izumi Origins EP3

          【1】【2】 ばちばちと薪の弾ける音が洞窟内に反響する。地べたで膝を抱えるイズミは肌着姿だ。目の前にはもうもうと煙を上げて燃え盛る焚き火。スズケンが壁面に差し込んだウィンドシャードで換気されてはいるが、それでも洞窟は霧がかかったように烟っている。 竪穴の底から続く洞窟は思いのほか広く、大型の妖異が不自由なく動き回れるだけの幅と高さがあった。奥の様子はテオドアが見に行っている。そんな洞窟の片隅でじっと炎を見つめるイズミの傍には、幻具をかざして回復魔法を行使するスズケンがいた

          紫は雨に烟る3 - Izumi Origins EP3

          紫は雨に烟る2 - Izumi Origins EP3

          【1】 闇夜に降り注ぐ雨粒が木々の葉を叩き、ばちばちと音を立てる。泥濘を進むイズミの視界は限りなくゼロに近い。濡れた体からは熱が奪われ続けている。だが彼女は決断的に歩を進める。燐光の輝きを宿す瞳が闇の先を見据える。彼女の超自然的な感覚が告げる。樹々を向こうに「いる」のだと。 雨粒を拭い、夜目を凝らし、イズミは不快な感覚目掛けて駆け出した。右掌をくるりと回し、袖の中から飛び出した匕首を握る。岩の上に座り込んでいる小鬼のような妖異の影。インプだ。イズミは雨に紛れてその背後に立

          紫は雨に烟る2 - Izumi Origins EP3

          紫は雨に烟る1 - Izumi Origins EP3

          イズミはテーブルに置かれた燐寸を手に取り、手慣れた仕草で咥えた煙草に火を点けた。苦い香りが肺に流れ込んでいく。部屋は暗く、対面の壁もよく見えない。イズミはソファに座ったまま動かず、闇を見つめながら紫煙を燻らせた。 同じ香りをまとった煙が傍らから流れてくる。ソファに投げ出した手に何かが触れた。無骨な指だ。イズミは視線を横に滑らせる。すぐ隣で体格の良い男の影が煙草を咥えていた。アウラ・レン族のイズミと異なり、角は持っていない。 視線を察したのか、男は煙草を灰皿に押し付ける。イ

          紫は雨に烟る1 - Izumi Origins EP3

          遥かなる新大陸へ

          「でりゃあぁぁぁッ!」 「アバーッ!!!」 斬撃を叩き込まれたオーガ種の妖異は正中線から真っ二つに分断され、サベネアの森で爆発四散を遂げた。だが、それを成したアウラ・レンの女——青葉イズミは少しも表情を緩めず腕を引き絞り、霞の構えを取り直す。名状し難い呪文と共に愛刀の刀身を指でなぞると、刀はたちまち赤黒い殺戮のエーテルに覆われた。 「……逃すかッ!」 イズミの居合が霧散していく闇のエーテルを横薙ぎに斬り裂く。その刃はエーテルに紛れていたマテリア大の闇塊を過たず焼滅させ

          彼方の友に捧ぐ

          注意書き ▼ ▼ ▼ ▼ 「命を費やさねば得られぬ歓びがあったはずだ。なあ…《冒険者》よ。」 ゼノスの言葉を黙って聞いていたソフィアはわずかに口角を上げ、応えた。 「えぇ、その通りです。否定出来るわけ、ありません」 橙髪の少女は剣と盾を手に取り、ゆっくりと構えた。 「——借りを返しましょう。この一戦を以て」 早暁の薄明かりの中、少女の鎧が煌めいた。金髪の男もまた、禍々しい大鎌を展開し、構えた。 「では勝負といくか。俺とお前の命で……天つ星、そのすべてを焦

          STINGY SOUVENIR AND SPECTACULAR SCENERY 4 - Izumi Origins EP2

          【2-1】【2-2】【2-3】 有翼の巨大な魔物——ゾーナ・シーカーは僅かに首を傾げるような仕草を見せたが、次の瞬間びくりと身体を仰け反らして絶叫した。あの妖異が魔物の体を乗っ取ろうとしているのだ。それが完了するまでにどれほどの時間が掛かるのか定かではない。——いま仕留めなければ。イズミは己を強いて刀を構え、一歩踏み込んだ。その瞬間、ゾーナ・シーカーの巨大な尾が凄まじい速度でイズミの目の前に叩きつけられた。 魔導アーマーのカノン砲が炸裂したかのような爆発にイズミはなすすべ

          STINGY SOUVENIR AND SPECTACULAR SCENERY 4 - Izumi Origins EP2

          STINGY SOUVENIR AND SPECTACULAR SCENERY 3 - Izumi Origins EP2

          【2-1】【2-2】 イズミは数日前の記憶を辿る。黒衣森の奥深くに潜んでいた憎き仇の一柱、妖異グシオン。苦闘の末に討ち果たしたその妖異を、神と崇める集団がいた。逆上し真っ先に斬りかかってきたエレゼンの教祖を、イズミは一太刀のもとに斬り捨てた。殺到する狂信者達も来た順に殺した。あとは新聞記事の通り。 ならばこちらへ近付いてくるあの教祖の男は殺し損じか、ゾンビーか。死体が動き出す事などさほど珍しくもない。——だったら死ぬまで殺すだけだ。イズミは背嚢を下ろし、刀を抜いた。正眼の

          STINGY SOUVENIR AND SPECTACULAR SCENERY 3 - Izumi Origins EP2

          STINGY SOUVENIR AND SPECTACULAR SCENERY 2 - Izumi Origins EP2

          【承前】 トトリは己の背丈より大きな背嚢を開け、中に詰め込まれている品物を検めていく。粗皮、角片、甲殻、翼膜。アイスシャードの詰まった箱には大小様々な肉塊が詰め込まれている。イズミは己が狩ってきた戦利品が並べられていく様を、ソファからぼんやり見つめていた。一服したい欲求が首をもたげたが、壁に貼られた「禁煙」の張り紙を思い出し、己を律した。 野に出て獣を狩り、糧を得る。古来より続く冒険者の営みは未だ貴重な物資供給源だ。得られた希少な素材は市場で高く売れるし、冒険者たち自身の

          STINGY SOUVENIR AND SPECTACULAR SCENERY 2 - Izumi Origins EP2

          STINGY SOUVENIR AND SPECTACULAR SCENERY 1 - Izumi Origins EP2

          黒鉄の生贄台に振り下ろされた鉈の音が、夜の黒衣森に響き渡る。幾度も鳴り響くそれに骨肉を断つ音が混ざっている事を、冒険者ネル・リナラーは暗闇の中で否応無く理解した。出来ることなら目だけでなく耳も塞ぎ、その悍ましき所業すべてを拒絶したかった。だが塞ぐための腕は血濡れた枷を嵌められている。不気味な太鼓の音と人々のざわめきの中、檻の扉がぎぃと鳴り、靴音が近づいてくる。靴音はネルの側で止まり、足枷を外す音が聞こえた。ネルの歯ががちがちと震え出す。助けが来たのではない。自分の番が来たのだ

          STINGY SOUVENIR AND SPECTACULAR SCENERY 1 - Izumi Origins EP2

          節分小話

          「前々から思ってたんですけど」 ソフィアは緑茶を呑みながら視線を茶屋の外に向けた。視線の先はクガネ転魂塔広場。溢れかえった町民達が櫓から撒かれる豆に手を伸ばしている。 「セツブンに豆を撒くのは何故なんです?」 小首を傾げて尋ねる娘に、卓を囲むイズミとタナカは顔を見合わせた。 「……そういや、なんででしたっけね、イズミさん」 「……ちょい待ち」 青年の問いを受けてイズミは胸元から小さな手帖を取り出し、パラパラとめくり始めた。 「あった。えぇとね」 タナカはその声

          餅を機械でこねながら

          「オッ!こりゃスゲェ!2等!」 カランカランと鐘を鳴らしながら、福引会場の店員が大きな声を張り上げた。その声は歳末で賑わうラザハンバザールによく響く。 「景品はこちら!全自動餅つき機【メチャモーチモチスルゾークン】!」 ダァン!と勢いよく置かれた箱を前に、当選者たるイズミは当たりくじを片手に怪訝な顔をしていた。 「メチャ……なにて?」 「いやぁおっちゃんもよくわからねぇんだけど、ちょっと前にハデなウサギのネェちゃんが来て『試供品ッス!』て置いてったんだよ。丁度いいか

          餅を機械でこねながら

          激突!青葉イズミ対イ・メルダ・リコ

          「我が槍の!サビとなるがよグワーッ!」 男の腹に女の重い蹴りが叩き込まれる。自慢の槍を振り回す暇すらなかった。男は膝から崩れ落ち、ばたりと倒れた。その身体には黒い鱗と山羊めいた角があった。 対する白い鱗と角を備えた小柄な女は、念の為もう一度男の頭を踏みつける。そしてエデンモーン装束の開いた胸元から縄を取り出して男を拘束した。慈悲をかけたわけではない。雇い主から殺しはやめろと言われているからだ。女は立ち上がり、辺りを見渡す。打ち倒されて呻く男達。広大な草原。雄大な青空。それ

          激突!青葉イズミ対イ・メルダ・リコ