「運を待つは死を待つに等しい」4年・金本 滉平
専松で試合に出れなかった悔しさを晴らしたい
この気持ちを抱えて大学サッカーを始めることを決意した。そして嫌でも弱い自分に向き合うことになるサッカーに4年間取り組むことで、大きな成長をして社会人になりたかったことがサッカー部に入部した理由である。
さぁ、4年間の結果はどうだったのだろうか。大学サッカーを振り返ろう。
ラストシーズンになるまでは、100%の力を出して練習はしているけど120%は出せていないというような3年間を過ごしていた。
この事実に気づいたのは、大学3年生のアイリーグ最終節vs筑波大学である。
アイリーグメンバーとして臨む最後の試合。俺らは間違いなく最高のパフォーマンスをした。
しかし結果は0-5。完全に実力でねじ伏せられた。何もできなかった。
でも、その日の瞬間的な後悔は0だった。俺たちがあれ以上のパフォーマンスを出すことは無理だったはずだからだ。というのも今までの取り組みの差が明らかに露呈したゲームになったからである。
相手チームを見ると皆んな努力してきたことが一目瞭然だった。特に感じたのがフィジカル。
自分の課題がフィジカルであることは明白だった。その課題に全く向き合っていないということはなかったと思うが、全力では向き合ってこなかった。
俺はここで変わらないと一生後悔すると思い、全ての基準を1段階上げることをその時に決意した。
そして最後のシーズンが始まった。それは今まで1番苦しいシーズンだった。
筋トレの成果が出たのか、吹っ飛ばされることは少なくなった。球際も強くなりボール奪取する回数も増えた。
これが評価されたのかは分からない。けどいつのまにか主戦場はTOPチームの公式戦である都リーグになっていた。
都リーグで活躍することができれば、俺は大学サッカーをやってきた価値があると堂々と言えると思った。
でも結果はどうだっただろうか、、、散々だった。
試合に出る度にミスする。しかもそのミスは、普段ならしないミス。明らかにメンタル面での未熟さが露呈していた。
「次こそは!」と意気込んでも試合に出ると同じになってしまう。
ミスをするのが怖かった。味方に怒られるのも怖かった。応援席に醜態を晒すのが恥ずかしかった。
試合に出る時は「良いプレーをしたい」<「ミスをしたくない」に変わっていた。そうなると結局ミスが増えるのは分かるだろう。俺も分かっていた。でも改善できなかった。
何度もミスを繰り返す内に、試合に出たくなくなっていた。Aで練習もしたくなくなっていた。
諦めたら楽になることは知っていた。向上心を無くせば、楽しくサッカーをすることができることを知っていた。
でも簡単に諦めたくはなかった。だからきつかった。
Aで試合に出たいけど、出たくない。Aで練習したいけど、したくない。当時の脳内は矛盾を孕むようなことで溢れていた。
明らかにメンタル異常を起こしていた。
そして、俺は最後まで強靭なメンタルを手に入れることはできずに終えてしまった。
でも、どんなにきつくても最後まで都リーグで活躍することを諦めることはなかった。多くの四年生の同期がJr.リーグに力を入れていたが、俺は都リーグに出場するための通過点として頑張っていた。
俺は間違いなく全力で上を目指した。だからこそ逆に後悔などないし、良い意味で諦めがついた。情けないけど。
常に向上心を持ってサッカーに取り組めたのは、最後までAで練習させてくれて、都リーグのメンバーにも入れてくれた学生監督の南出のおかげである。めちゃくちゃ感謝している。そして何も活躍できず、期待に応えられず、迷惑ばかりかけて本当に申し訳ない。
結局、、、大学サッカーで立てた目標は何もかも達成できずに終えてしまった。
自分なりに一生懸命やったけど、試合に出て活躍するには実力も努力も足りなかった。
人並みの努力で達成できるほど大学サッカーは甘くなかった。
最後の1年間の努力では、精神的にも実力的にも未熟のままで成長することはできなかったのである。
都リーグに絡めてない後輩たち。そして都リーグに出場することを夢みる後輩たち。
あの舞台で活躍することは簡単じゃない。あえて厳しい言葉で言うと、実力も努力も全然足りない。
自分の殻を破り、自分の課題から目を背けず、現状に満足せず、常に上を目指し続けなければ無理だと思う。
これから新しい有望な新入生が入ってくると思う。4年生が抜けたからそのままエスカレーター式に序列が上がるといったことは大学サッカーにおいては絶対にない。
だから本当に試合に出たいと思うのであれば、1分1秒も無駄にしてはいけないと思う。2023シーズンから都リーグのスタメンを取るつもりで120%の力を出して頑張ってほしい。
チーム内にはいい見本がたくさんいるし、お互いに高め合いながらサッカーをしてほしいなと思います。
最後に
同期のみんなへ。
この学年はサッカーに対して本当にストイックだったと思います。その分苦しい経験を沢山してきたと思います。お陰様で精神的に辛い時も、辛いのは自分じゃないと思って踏ん張ることもできました。どんな時も弱音を吐かない同期、練習前に入念にストレッチする同期、OFFの日も練習に取り組む同期、試合後に自主的に走り込みをする同期。全員尊敬してます。自分にとって多くの学びを得られました。皆んなと同期で良かったです。4年間ありがとうございました。
マネージャー、トレーナーへ
皆さんのおかげで全力でプレーすることができました。最後に手首を骨折してしまった時も、テーピングを巻いてくれたおかげで、満身創痍ながら最後までプレーすることができました。本当に感謝してます。今まで支えてくれてありがとうございました。
両親へ。
今まで交通費や部費を負担して頂き助かりました。怪我も多くて心配もかけましたが、最後まで楽しくサッカーできたので悔いはないです。約20年間サッカーを本気で取り組めたのは、両親の支えのおかげです。今までありがとうございました。
以上です。
続いては上智の応援団長「長南 航太」です。俺が落ち込んでる時、彼の元気に沢山助けられました。今までありがとう!
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