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5/9(日) 東京都2部リーグ戦 第2節vs創価マッチレポート #1

長い冬が終わり、日差しが暖かくなってきて、夏が顔を覗かせている。舞台は整った。5月9日。第2節ではあるが、我々にとっては東京都2部リーグ開幕戦。先週は試合開始約10数時間前に中止が決定。少し拍子抜けするような形ではあるが、ついに長いようで短い約7ヶ月の航海が始まる。荒波を潜り抜けて行き着く先は黄金郷かはたまた地獄か。
 
コロナ禍という未曾有の危機が世界を襲い、リーグ戦のレギュレーションの変更も余儀なくされた昨季。我々は昇格まで、あと1歩ではあった。しかしその1歩は計り知れないほど大きく、痛いものであった。あと1試合勝っていたら。あと1ゴール押し込んでいれば。あと1ゴール水際で防いでいたら。1ゲーム、1ゴールがまさしく天国と地獄を分けるものであると痛いほど教えられたあの日から約半年、再び東京都2部のリングに上がる。初戦の相手は創価。昨季は3部の激闘を制し、2部への切符を掴んだ。たかが18分の1。されど開幕戦というのはそのシーズンを占うゲームであり、勝ち点3以上の意味を持つ。また我々は先週の第1節が延期となったが、創価は予定通り1試合を消化している。敗れはしたものの、試合勘という意味では向こうに分がある。ロケットスタートを決めたい上智と、なんとか連敗は避けたい創価。両者ともに序盤戦を大きく左右するゲームになるだろう。
 
前回の試合は3月14日、アミノバイタルカップvs國學院大學。0-1の惜敗。格上に対して自分たちのサッカーを臆せず見せられ、それなりに手応えを感じられたものの、それを結果に結びつけることは出来なかった。このゲームひとつとったら勿体ないとも言えるが、長い目で見ればいいスタートになったのではないだろうか。
 
上智のスターティングメンバ―は以下の通り。
羽藤 宏太朗(C)(4年/#1/GK/國學院久我山高校)
古宮 由視 (4年/#4/MF/東京武蔵野シティFC U-18)
三井 慎司 (3年/#82/DF/藤枝東高校)
関 大陽 (3年/#6/MF/湘南ベルマーレU-18)
三谷 宗 (4年/#7/MF/日本大学鶴ヶ丘高校)
宮原 正弥 (4年/#8/MF/國學院久我山高校)
池田 総一郎 (4年/#10/FW/県立川和高校)
神田 辰丸 (3年/#14/MF/國學院久我山高校)
松本 浩己 (4年/#9/FW/東京都市大学付属高校)
野田 祐成 (2年/#48/DF,MF/國學院久我山高校)
高野 陽 (3年/#56/DF/県立川和高校)

サブは以下の通り
小熊 崚介(2年/#28/GK/暁星高校)
坂田 涼(3年/#47/DF/駿台学園)
小堀 耕太郎(3年/#38/MF/桐蔭学園)
菅 雄太郎(2年/#55/MF/八千代高校)
伊藤 大心(3年/#78/MF/國學院久我山高校)
古山 悠人(2年/#80/MF/新潟高校)
赤松 優(4年/#11/FW/三田学園)


 
まだ5月上旬というのが、信じられないほどの暑さのなか午前10時にキックオフ。
 
試合序盤はとにかくお互いに手数をかけずボールを相手陣内へと置くことに終始。中盤の上をボールが通過していくような展開となる。
 
前半13分、両チーム通じて最初のシュートは創価。右サイドからのロングスローのこぼれ球をペナルティアーク付近からボレーで撃たれるが、これはゴールの右。
 
上智の最初のチャンスは前半21分スローインのリターンを受けた関が、中で待ち構えていた松本へクロス。松本がバックヘッド気味に狙うも、これはわずかにバーの上。
 
このあたりから上智のボールの持つ時間は徐々に増えていくが、初戦の硬さか、今一つ崩しきれず、試合は膠着状態に。
 
相手の足が少し止まりかけているようにも見えた前半35分から試合は上智ペースに。高野が簡単に左サイド裏に置いたボールを池田が競り勝ち、カットインから右足を振りぬくが、ゴール左。
 
サイドからのクロスや裏への抜け出し、ゴールの匂いのする形を多く作るも最後のラストパスの場面でのミスが目立ちゴールには結びつけられず。終了間際のコーナーキックのこぼれ球もシュートは大きく枠の上。ここで前半終了。

試合前にハイタッチするイレブン

 
後半開始とともに宮原に代えて、菅をピッチに送る。
 
後半1分、いきなりチャンスは訪れる。約右斜め45度、ゴールからの距離は25~30m付近でFKを得る。キッカーは古宮。短い笛のあと、彼は低いグラウンダーのボールを選択。これを走りこんだ野田がタップイン。上智ベンチの前に歓喜の輪ができる。上智は先制点を後半開始早々にゲット。

ゴール後の上智ベンチ前

 
ここからはゲームの主導権を上智が手中に収め、畳みかける。
 
7分には空中戦のルーズボールを右サイドで池田が回収。ゴール前でDFラインとの駆け引きに勝利した松本へスルーパス。エリア内右斜め45度でGKと1対1となった松本はニア上めがけて右足一閃。しかしシュートは枠を外れる。
 
16分、右サイドを崩し、三井がクロス。誰にも合わずファーに流れるもオーバーラップしていた左SB関が頭で折り返し、これを詰めていた途中出場の古山が頭で合わせるも、バーの上。決定的な形を作るも2点目が奪えない歯がゆい展開が続く。
 
後半24分には左ハーフスペースでボールを受けた菅がカットイン。たまらず相手がファウルで止め、いい位置でFKを獲得。菅が狙いすまして蹴ったボールは枠の左。
 
このあたりから徐々にビハインドの創価も攻撃の形を見せ始めていく。
 
31分ハーフウェイライン付近でボールを失い、相手にカウンターのチャンスを与えてしまう。数的不利、そしてスピードに乗る相手に対して、たまらず神田がファウル。イエローカードを受け、いい位置でFKを与えるも、このFKは羽藤の果敢な飛び出しで防ぐ。
 
37分、前がかりになる相手のスキを突き、関が菅にスルーパス。抜け出した菅がGKと1対1となる絶好機を迎えるが、シュートはGKの正面に飛んでしまいまたしても追加点にチャンスを逸してしまう。
 
38分、中盤でボールを失い、スルーパスを通されるも、高野がさすがのカバーリングを見せ事なきを得る。
 
この時間帯から上智の自陣でのファウルが増え、いい位置でFKを与える回数が増えるも高野、野田を中心になんとか水際のところではじき返し続ける。ATの6分は追加点が奪えなかったことから、上智にとっては苦しい6分間になったがなんとか守り切り、長い笛。
 
初戦、相手のホームグラウンド、突然の猛暑といった条件の中でしっかり無失点に抑え、勝ち点3を奪えたことは評価に値する。特に2CBの野田、高野は出色の出来。両者ともにはじき返す、水際で体を張る、というCBの基本であるところはもちろん、野田は持ち前の勝負強さでゲームを決め、長短織り交ぜた縦パスやサイド裏へのロングボールで攻撃の起点ともなった。常に冷静沈着な「アイスマン」高野は圧倒的な推進力、広範囲にわたるカバーリングといった自分のストロングポイントを惜しげもなく発揮。無失点勝利の原動力となった。

安定感抜群。DF高野

 
しかしもちろん課題は残る。ラストパス、シュート、攻撃の最後の局面での質に関しては猛省の必要がある。チャンスをしっかり決め切ってさえいれば、おそらく後半途中には勝負の行方は鮮明に見え、終了間際に寿命の縮まるような思いはせずに済んだだろう。ここは改善の余地が大きくある。
 
以下出場選手の試合後インタビューである。
 
羽藤 宏太朗(4年/#1/GK/國學院久我山高校)
・今日の試合を振り返って
「非常に難しい試合でした。初戦だったこともあって上手くいかない時間が続き、固さが中々取れない展開となってしまいました。無失点での勝利自体はポジティブではあるのですが、それ以上に内容に満足できない試合となりました。目の前の一つ一つのプレーに対する精度や、相手を圧倒するという気概が不足していたと思います。」
 
・今後に向けて
「今節での苦戦をプラスと捉えるべく、次節に向けて最高の準備をしていきたいと思います。戦術面やフィジカルは勿論、心理面においても成長の余地があると考えています。今一度チャレンジャーであることを再確認し、謙虚に日々の活動に取り組んでいきます。」

出番こそ少なかったが、キャプテンとしてチームを締めたGK羽藤

 
野田 祐成(2年/#48/DF/國學院久我山高校)

・ゴールシーンを振り返って
「古宮くんからのボールが自分の前まで流れてきて相手の左側から触るふりをして右側から入り、上手く相手の前で先にボールに触れたことがよかった」

・今後に向けて
「チームとしてはセットプレーからの得点ではなく、バックラインから相手を揺さぶり前線に繋いで点を取るというチームとして得点をとれるようにしたい。でも試合を通してそのようなシーンが全くなかったわけではないので今後続けていくうちにそういった得点パターンが増えていけばいいと思う。
今節の1番の収穫はリーグ初戦を勝利できたこと。いいスタートが切れたと思う。」

勝負を決めたDF野田

 
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#東京都リーグ戦  #マッチレポート #上智大学 #創価大学

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