【ソフィア保育園】園便り 2021年8月
オリンピックが開催され、ご家庭でもたくさんの応援をされて観られているのではないでしょうか。柔道73キロ級の大野将平選手が2大会連続金メダルを獲得直後のインタビューで「オリンピック開催の是非が問われいろいろな意見があるけれど、僕たちアスリートの姿をみて一瞬でも何か感じてもらえればうれしい」というような言葉を発せられていました。7人制ラグビーで11位になった日本チームキャプテンの松井千士選手は、「目標のメダルには届かなかったけれど未来の子どもたちにあこがれるような存在になるために行動した」と話されていました。どの選手も自己的な発言ではなく、周りへの感謝や相手を気遣うことや次へつなぐ言葉にあふれていて、開催の是非が今なお問われこれからの社会情勢に不安を抱えながらも人と人はつながっているし、相手を思うその気持ちが課題を克服する1歩になるのではと選手の言葉から思いました。
今回のオリンピックでは、「多様性と調和」をテーマに掲げ、国際オリンピック委員会(IOC)はスポーツや社会の中でのインクルージョン、そして、差別は禁止。と声明をあげていました。が、現実は、参加国の中には内戦をしている国、自由な発言が許されない国、日本においてもLGBTQへの無理解な意見を発言する政治家もいます。「多様性と調和」を理解し実践していくためには「想像力」しかありません。自分が相手の立場だったら?今この人は何を考えているの?目の前にいる人は今どんな気持ち?この言葉は人を傷つける?
相手の立場に立って物事を考えられる能力は乳幼児期に培われる感性ともいえるのではないかと考えています。みずみずしいピュアな感性はソフィア時代のうれしい、楽しい、ワクワクする、ドキドキした、冷たい!いいにおい!美味しい!などなど自分の身体で感じた経験が重要になってきます。もう1回やってみる!のあきらめないチャレンジ魂も乳幼児期の、周りからの肯定的な本物の言葉から生まれます。コロナ禍で制約が多い夏の生活ですが、子どもたちには楽しい!できた!の経験をたくさんしてほしいですね。
「さんざん手垢のついた言葉かもしれないが、未来は彼らの手の中にある。世の中が退行しているとか、世界はひどい方向にむかっているとか言うのは、たぶん彼らを見くびりすぎている」(ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー)より抜粋
子どもたちのもっている力は偉大です。
ソフィア東生駒こども園
園長 中畑 直実