
地球文明としてバージョンアップするために
誰もが気軽に発信でき、他者の発信が意図せずとも次から次へと目に入ってきてしまう風の時代の始まり。
考える前に答えが提示される。
想像力を使う前に様々なアイデアを目にする。
そんなことが日常的に繰り返されていれば、当然私たちの知性や創造性は退化の一途を辿る。
そのせいか、風の時代は個性が際立つ時代だと言われているにも関わらず、個性的であろうとするあまり自分の本当の個性を無視して、自分とはかけ離れた虚像を追いかけてしまっているような人も多い。
それも、どこかで見たことのある様な、個性的というにはあまりにも程遠い、ありふれたモデルの型の中のひとつに安易に自分を当てはめているだけだったりする。
私たちが外界から感化されて自分の個性を不自然に操作して表現をし続けるとどうなるのか?
行き着くところは個性的どころか、何とも無個性で平均化された安っぽいものが蔓延する世界だ。
同じ様な顔、同じ様なファッション、同じ様な思考回路、同じ様な話し方、同じ様な表情、同じ様な夢、同じ様な目標、同じ様な…
地の時代の方がまだ、社会は均一化していたけれども、一人一人の個性は際立っていたのでは?と頭を抱えたくなるような世界が出来上がってしまう。
個性とは、その人の自然な状態。
つまり、自分の本当の個性を際立たせたければ、憧れを追いかけたりインフルエンサーの真似をしたり理想の自分像を思い描く…というような、いわゆる巷に蔓延る「夢の叶え方」や「成功法則」とは真逆の状態でいることだ。
本当の、そのまんまの自分でいること。
そのまんまの自分から自然に出てくるものを表現すること。
何億年、何百万年と進化して知的生命体として地球の頂点に立った私たちがすべきは、猿真似ではなく、個々の命から湧き出る、純粋で有機的なクリエイションであるはずだ。
地球上の一人一人が誰の真似でもなくそれぞれの命からの表現をすることによって、私たちの個性は光のスペクトルのように広がり、風の時代はバラエティー豊かでカラフルな世界になっていく。
それこそが本当の多様性であり、人類の、地球人の美しい可能性だ。
覚えておいて欲しいのは、他の誰かが命のクリエイションとして生み出したものをいくら表面的に真似しても、劣化コピーにしかならないということ。
パッと見は同じように見えたとしても、それらの周波数は似ても似つかず、天と地ほどの差がある。
しかも、そんなことをしたところで、ますます本当の自分から離れていくだけであって、残念ながら風の時代の方向性をディストピアへと推し進める片棒を担ぐことになってしまうのだということを、肝に銘じておこう。
もしも、そのようなことに全く無頓着な人々が大半を占めるようになってしまった場合、この世界には劣化コピーが蔓延し、誰も本物を感知できないどころか、本物である必要すら感じなくなるだろう。
丁寧に綺麗に「それらしく」包装されたものに引き寄せられ、そのものが発している周波数の違いも理解できない人が増えれば、劣化コピーの連鎖により時を追うごとに文明の質までもが劣化し、当然、人類自体の知的生命体としての質も低下してしまうことになる。
つまり、劣化コピーの周波数に心地よさを感じるレベルの生命体による、その程度の文明になってしまうということだ。
何度も書いているけれど、風の時代がユートピアになるかディストピアになるかは、支配層ではなく私たち一人一人にかかっていることを忘れずに。
私たちがそれぞれ、しっかりと自分自身とつながり、自分の好きな服を着て、自分の言葉で話し、自分独自の道を歩み、自分自身の内側から湧いて来る波に素直に反応して生涯変化し続けていくことで、風の時代はどんどん純粋性を増し、面白く、自由で、愛溢れる世界へと進化していく。
もうここからは、個人や家族の幸せだけを追求するような時代ではなく、個々が全体のことを考えて繋がっていく時代だ。
そのためにも、まず私たち一人一人が人類としてバージョンアップしていかなければならない。
それは何かを付け加えることではなく、完全体の自分になる(戻る)こと。
そして自分の最大限の能力を自然に使える個体になる(進化する)こと。※
(※この文章を読んで気合が入ったりテンションが上がった人は、それは逆だと心得よう。そうではなく、目指すのはリラックスしたり、しっくり来る様なエネルギーの方向性だ。)
人類レベルで地球文明を質の良い、豊かなものにしていくことを最大の目標として歩んでいくためにも、私たち一人一人こそが純粋な自己を表現していくことが、とてつもなく重要となってくる。
地球文明としてバージョンアップするために、各々のナチュラルな個性を自然に発揮していこう。
地の時代は、自分を知るために世界へと出て行って、冒険の果てに役割や居場所を見つけていく時代。
風の時代は、すでに自分が何者かを知っていて、それを表現することで世の中の役に立てていく時代。