「ピピのつばさ」つうしん・日記5
運動音痴
ボクは子供のころ運動が大の苦手だった。
運動神経のない運動音痴だったボクは、だから体育の時間が大嫌いだった。
特に嫌いだったのは球技で、ソフトボールとか、バレーボールとか、ボールを使って団体でやる競技が大の苦手だった。
でも、空手とか、柔道とか、剣道とか弓道とかレスリングとかプロレスとか大相撲のような個人でやるものや格闘技のようなものを観るのは好きだった。
子供の頃は空手とかにも憧れた。極真空手の大山倍達さんとかは牛の角を折ったとか、ビール瓶を手刀で切ったとかで有名だったけど。いま考えると角を折られた牛は災難だなと思う。
少し大きくなるとブルースリーの世界的ブームが訪れてヌンチャクブームが巻き起こり、自分の振り回すヌンチャクで頭にコブを作る人が世界中に続出したと思う。当時はアメリカのポリスもヌンチャクを持って見せびらかせていた。
最近の事では、オバマ大統領のSPたちが大量の木刀を購入して帰ったというニュースを読んで。
冷めた女子の視線も気づかずに、木刀を勇んで買う修学旅行に来た男子学生かよと突っ込みを入れたくなったが。
洋の東西を問わず、男子は、いつまでも少年の心を引きずっているし。女子は、男子から見れば単なるキレイな石に過剰な価値感を見出すのは、やはり少女の心を引きずっているのかなと思う。
プロレスの想いで
ボクは特にプロレスを観るのが大好きだった。一度だけプロレスを観に行ったこともある。地方興行だったから試合自体はどんな試合だったかは全く覚えてはいないんだけれど。そのとき始めて見たプロレスラーたちは少しだけ覚えている。
一番記憶に残って居るのは、ボクが会場の入り口付近にいると、突然ジャイアント馬場が現れたこと。馬場さんは、会場入りする為に現れたのだけど。なにかその時の様子は人間界に進撃の巨人の巨人が突如現れたようにも感じられる場面だった。
でも、当たり前の事だけど、馬場さんは、進撃の巨人のように人間を捕まえて食べてしまうような怖いオーラは一切なく、人だかりを紳士的にゆったり、ゆっくりと歩を進めて会場の中へと入って行ったんだけどね。
もちろんボクは馬場さんが大きい事は分かっていたけど、ボクの目の前数十センチをゆっくりと横切っていくその姿は、ただただ大きくて馬場さんの顔をまじかで見るのには首を90度は見上げなければ成らなかった事に、ほ、ほ、本当に大きいなーと感心したのだった。
あと覚えているのは。
会場の体育館の中で試合開始を待っていると、二階の手すりの所に控室から出てきたスタンハンセンが両手を添えて寄りかかっていたこと。
ハンセンは会場の様子を、遠い何かを見るような目で眺めていた。故郷のテキサスを遠く離れたハンセンの目には、日本の風景はいったいどのように映っていたのだろうか。
テキサスの雄大な風景と日本の田舎町のちまちました小さな体育館や町並みは、余りにもかけ離れた景色に思えてボクは少し恥ずかしくなりハンセンにあまり見ないで欲しいと思った。
それから、多分だけどジプシージョーが背中でパイプ椅子を壊す名人芸を、いつものように試合の中で披露していたかもしれない。
そんなこんなで、運動音痴だった僕は運動会の時期に成ると、その日に台風や嵐がやってきて中止に成らないかといつも思っていた。でも大抵は、何ごともおこらなかった・・・。
だけど、そんな僕でもたった一つだけ子供の頃にやったスポーツで、これは面白いと夢中になったものがあった・・・。
2020.3.6ピピのつばさ通信・日記より加筆
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フルーツ島の住人たち・しろイルカのイザベル
しろイルカのイザベルは、
フルーツ島の近くの海に住んでいます。
しろイルカのイザベルは、
仲間たちとは違う白イルカであるために
仲間はずれにされていました。
でも、弱いものイジメをする、
ずるがしこくて意地悪な大ザメとも、
たった一人でも戦う勇気と正義感を持っています。
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「ピピのつばさ」つうしん・日記5
終り
2020.5.13 14.加筆 修正