スウェーデン発祥の無煙タバコ「スヌース」。非喫煙者が試してみると....

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Contents
1. スウェーデンの喫煙事情 喫煙者減少の一方で増えるスヌース愛好者
2. SNUS(スヌース)とは             
3. 非喫煙者による「スヌース」使用体験記
4. SNUS(スヌース)の歴史と歩みを学びに行くなら

1. スウェーデンの喫煙事情 喫煙者減少の一方で増えるスヌース愛好者

2019年7月、スウェーデンでは新たな喫煙対策規制法が施行された。

バス停や電車のホーム、バーやレストランのアウトドアスペースなどにおける喫煙が新たな規制の対象に加わることになった結果、公共スペースにおける喫煙がほぼ全面的に禁止される事になった。スウェーデンでは2005年に他国に先駆けて、バーやレストラン内での禁煙が義務化されており、当法案は更なる規制強化を求める声に応えたかたちだ。

スウェーデンでは近年、喫煙者の数は減少傾向にある。

EU統計局のタバコ消費量に関する調査データによると、スウェーデンにおける15歳以上の喫煙率は16.7%と、EU加盟国内で最も低い喫煙率を誇る。EU全体の喫煙率の平均は24%、喫煙率が最も高いブルガリアでは35%にのぼる。スウェーデン以外の北欧諸国の喫煙率も軒並み低く、フィンランドでは19.3%、デンマークは20.9%となっている。

喫煙者数が減少傾向にある背景には、喫煙に対する規制強化があるとされている。その一方、無煙タバコ「スヌース」の喫煙者の割合は増えており、「タバコからスヌースへの移行が進んでいるのではないか」との指摘もある。

スウェーデン保健局によると、男性の19%、女性の4%が日常的にスヌースを使用している。スウェーデンでは、駅に併設された売店やスーパーマーケットの一角などで日常的に販売されているスヌースだが、スウェーデンを除く全てのEU欧州連合加盟国では、健康に害を及ばす恐れがあるとして、その販売が禁止されている。

2. SNUS(スヌース)とは

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スヌースは、無臭で火を使わず、煙を出さないその特性から「無煙たばこ」と呼ばれる。タバコ葉を包んだポーションと呼ばれるティーパックのような袋を、歯茎と唇の間に挟み、唾液で溶けたニコチンを口内の粘膜から摂取して使用する。

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(写真にあるポーションを歯茎と唇の間に挟む。)

スヌースの歴史は長く、その起源は16世紀にまで遡る。当時「かぎタバコ」と呼ばれていたスヌースは、フランスの宮廷をはじめ上流階級が嗜む高価な品で、片頭痛の治療薬として主に使われていたそうである。

17世紀に入ると、「かぎタバコ」はスウェーデンにも普及し始める。その後、19世紀に「かぎタバコ」をベースに、国内のタバコ生産者により考案されたものが現在のスヌースにあたるものだと言われている。その後、一般国民の間でも広く普及していったという。

日本でも2013年8月よりスヌースの販売が行われており、JT(日本たばこ産業会社)のHP上にもその紹介がある。

3. 非喫煙者による「スヌース」使用体験記

ストックホルムに留学中、寮に住む友人らに薦められ、伝統文化に触れるという”名目”で、一度スヌースを試しに使ってみたことがある。ちなみに、私自身は普段タバコを吸わない、ニコチンに全く耐性のない人間である。

唇と歯茎の間に入れると、間も無くして、歯茎を通して熱を感じ、10分ほど経つと頭が少しクラクラし始めた。使い始めは、心地よい船酔いのような気分がしただけで、不快感はなかった。しかし、時間が経つにつれ、徐々に吐き気を伴う気持ち悪さに襲われはじめ、20分後には耐えきれずに、口からポーションを吐き捨ててしまった。頭がフラフラと揺れ動く中で、吐き気に耐えきれずトイレに駆け込み、その後1時間ほど、便器と向き合うハメになった。

ニコチン含有量が最も多いスヌースを使用したために、このような結果になってしまった事は否定できないが、個人的には、普段タバコを吸わない人間がスヌースを使用することは勧められない。仮に試しに使ってみるにしても、不快感を感じたらすぐに取り出すことが重要だ。(当時は、友人らの前で強がって、しばし耐え忍んでしまった....)

煙や臭いを発生しないその特性から、授業中や仕事中にスヌースを使用しているスウェーデン人の友人も少なくなかった。タバコと違うといえども、ニコチンを摂取することに変わりはなく、もちろん健康に対する害はある。ある研究調査によると、一日1~2つのポーションを使用するスヌースの愛好者は、そうでない人に比べ、糖尿病にかかる確率が70%高いという報告がなされている。タバコに比べスヌースによる健康被害に関する研究は乏しいために、スヌースの健康被害に対する危機感を抱きにくいことが、問題として一部の研究者らによって指摘されている。

4. SNUS(スヌース)の歴史と歩みを学ぶミュージアム

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首都ストックホルムには、スヌースの歴史と製造過程について学ぶことのできる博物館がある。観光客に人気の高いABBA博物館や野外博物館スカンセンがあるユールゴールデン島に位置するため、それらを訪れるついでに少し覗いてみるのもいいかもしれない。


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