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言葉の海と思った日

今日はなんにも書くことがないな。何もしなかった、という訳ではない。むしろずっと作業をしていた。ずっと作業しかしていなかったから、これといって書くことがないのだ。参ったな。
外から車の走る音がする。多分雨が降っているな。

昨日レッスンのあと歯医者に行って、それが終わったら久しぶりに下北沢のヴィレッジヴァンガードに寄った。ここしばらく全く行っていなかった。ヴィレヴァンに行って見るものと言えば、昔は漫画やアニメのグッズ、ゴツめのアクセサリーだったが、昨日見たのは小説やエッセイ、詩集などの本のコーナーだ。下北沢ならでは、なのかは分からないが、役者についてや音楽についての本が多く目についたように思う。役者の端くれとして、役者についての本を読んでおくべきなのだろうとは思うのだが、私の場合は影響されやすく鵜呑みにしやすいので、本の情報に振り回されて自分の芝居を忘れる、なんてことになりかねないため手に取れない。それに形のないものの表現に正解などはどこまで行ってもない。本にあるからこれが正解!っていう訳でもないから、みんな悩むし、それぞれの壁にぶつかるのだ。1+1=2のように、確かな答えがないから、役者について、と言うだけで無数の本が出ているのだ。更にその中から自分の芝居の突破口を与えてくれるものをピッタリ選ぶなど、困難この上ない。…一旦これについては考えるのを止めよう。

他にも綺麗な表紙の詩集や、カラフルなエッセイ、店員のおすすめとして棚に飾られる面白そうな小説達が沢山だった。次に読んでみたいな、と思う本ばかりでその空間にいることが楽しかった。次に読むなら詩集もいいかもしれない。
そして気づいたことがある。前よりも本が好きになっている、ということだ。以前も好きではあったが、ほとんど読まない、読む機会がない、という感じだった。体調を崩してバイトを辞めて、時間が出来て、「シティガール未満」を読んで喫茶店巡りが趣味になって、喫茶店に行くなら絶対お供にと本を持って行って、読んで、読み終わって、また読んで…。多分そのおかげだろう。そのおかげで、文章を書くことにも興味が出て、ここに日記のようなエッセイのようなものを書き始めたのだ。相変わらずお金はないが、いいものを手に入れた気がする。

変な表現かもしれないが、しゃがんで詩集を手に取り、少し中を読んだとき、なんだか心地よくて、このまま本棚が倒れてきて、本に生き埋めにされて死んでもいい、なんて思った。下北沢のヴィレヴァンの本のコーナーには言葉の海があった気がした。美しい言葉、誰かの叫び、寂しさ、強さetc…そんな海に溺れたように不思議な感覚になっていた。詩を読んだせいか、頭の中がとても詩的になっていた。しかしそれが私の本質なんだろう。そうでなければ、やっぱり、ただ影響されやすいだけだ。

今日はこれから買い物に行かないと。正直家には何も無いし、シャンプーもトリートメントも洗濯洗剤も切れてしまった。何時になるかは分からないが家を出よう。雨は止んでないといいな。

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