見出し画像

寒空な日

自信を持つこと。それが目標。でも気づいたのだが、自信のつけ方が分からない。少し自信がついたと思って上を見上げたらキリがなくて、ついた自信はただの傲慢だったのかもしれない、なんて恥ずかしくなる。自信を持つこと。そうすることで何かが変わるかもしれないが、なんだかまだまだ、難しいような気がしてならない。

昨日はレッスンで稽古だった。火曜日の自主練で出たアイディアをやってみたら、好印象だったらしいがやはりやりすぎだったようだ。いい感じにボツを食らった。研究の余地がありそうだ。
前日からの体調不良でフラフラしながら稽古場に向かった。倒れるかと思ったが何とか大丈夫だった。休もうかとも考えたが、別班の同じ役の子が風邪で休んでしまっていたので、私まで休んだら代役がいなくて稽古が進まなくなるため、気力だけで行くことにした。前日は歩けなかったし立てなかったから、それに比べれば余裕だ。それに稽古で動いていたら割とマシになった。少し前に病院に行って薬も貰って飲んでいたし、効いているといい。

稽古のあとはバイトの面接だったが、多分落ちたと思う。緊張しすぎて面接前に配られたエントリーシートは誤字しまくったし、自信なさげに話す私に対して面接官は気まずそうだった。それに加え、マスク着用必須だったのにも関わらず、マスクを持って行ったのに着けるのを忘れて面接に望んでしまった。もう最悪だ。面接が終わって店を出たあと、こりゃ落ちたな、とため息をついて、早速次を探し出した。

寒空の下帰路について歩いていたが、暖かいものが欲しくなってコンビニでホットカフェラテを買った。そしてそれを飲み干した頃、小学生に声をかけられた。サッカーのユニフォーム姿で半袖半ズボンだ。こちとら寒くてホットカフェラテを飲んでいたというのに。何かと思い話を聞くと、道を聞かれた。調べてみると同じ方向だったので、しばらく一緒に歩いた。黙っているのもあれかと思い声をかけてみると、最初は気まずそうに話そうとしなかったが、だんだん沢山話してくれるようになった。小学5年生で7年サッカーをしていること。いつもはお母さんが迎えに来てくれるが、今日用事があったこと。もうすぐ週末だから学校頑張ろう!でも家庭教師が来るってこと。お兄ちゃんの話などなど…。「あそこ何の店だっけ?」と言われたので、「確かパン屋じゃなかったっけ?」と言ったら、「お母さんが美味しいって言ってた」と教えてくれた。この前同じ道を通った時に、今度行ってみたいな、なんて思っていたので、行く理由がもうひとつ増えた。楽しみだ。途中から道がわかったらしく、曲がり角で別れた。「気をつけてね、暖かくして、風邪ひかないようにね。」と言うと、「はい、ありがとうございました」と礼儀正しく挨拶してくれた。
自分の帰路に戻りながら、歳をとった、と思った。少年の話を少年の目線の言葉で聞いて、大人の私の目線で受け取ったからだ。きっと少年と同い年の私なら、親などの大人が出てくる話には少年の方に同調しそうだが、私は親側に同調したのだ。通りすがりの私なので、余計なことは言わなかったが、私が小学5年生のとき、周りの大人はこんな風に感じていたのかな、なんて思った。

先輩たちのパフォーマンスを見る機会があったので、家に帰ってから動画を見た。人それぞれではあるがレベルが高く、少しの自信は薄まっていった。もっと努力しなければ。さっきの少年は7年サッカーを続けているらしい。私はどうだろう。独学の頃から数えれば、歌も芝居も7年どころではない。自信は相変わらずこれっぽっちもないが、上手いか下手かは置いておいて、続けてこられたことを自信にしてもいいのかもしれない。頑張ろう。

いいなと思ったら応援しよう!