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葛飾北斎の日

夜明け前の心地良さが肌を撫でた。道には誰もいなかったのでついツーステップを踏んだ。ずっと夜ならいいのに、なんて空を見上げたら、久しぶりに鮮明に星が見えた。「めっちゃきれー…」口から小声で出てた。

昨日書こうと思っていたのに寝てたら昨日が終わってた。昨日は朝の6時からコンビニで隙間バイトだった。行ったことがない場所だったので駅を間違えたりして10分ほど遅刻してしまった。ツーステップを踏んでいる場合ではなかった。前回よりも早い時間に家を出たためまだ夜明け前で、星の見える夜だった。寒いのに心地よくてずっと夜ならいいと思った。ただ、寝ようとしても寝付けなくて結局一睡もせずに向かっていたので、ただの深夜テンションだったのかもしれない。

笹塚駅から電車に乗ったのだが、土曜日の朝、新宿方面から来た電車は、とてもお酒の匂いがした。金曜の夜を楽しんだ人達だろう。席が空いていたので座ったが、隣のお姉さんは寝ていて、右に左に頭がグラグラしていた。お姉さんにとって帰路についている途中ならしっかりお家で休んでほしい。もしこれからお仕事とかなら、何とか乗り越えて欲しい。笹塚駅に向かう途中も、こんなに暗いのにマンションやアパートで、明かりのついている部屋がちらほら見えた。最初は、早起きだなぁ、お仕事かなぁ、なんて思ったが、よくよく考えれば金曜だった。朝まで夜更かしした人達もいるのかも。まあどうでもいいけど、いい週末にして欲しい。
席に座って窓の外を見ているとだんだん夜が明けできているようで、雲の無い空の色はまるで葛飾北斎の赤富士の様だった。夜と朝の境目。徹夜でバイトに向かうことを後悔するほどうとうとしていたが、一気に目が覚める光景だった。空の赤が多摩川に反射して、まるで異世界みたいだと思った。このまま目を覚ましてバイトに臨みたい。

駅に着くと、車内の暖房に体が慣れていたらしく、外に出た瞬間朝の寒さを感じた。その時点で遅刻していたが、さらに道に迷って駅の周りをワタワタしてから、バイトするコンビニについた。ほとんど何かを指示されることもなく、本当にレジにだけいていいのか戸惑ったりしたが、やはり駅前の朝のコンビニはとても忙しかった。久しぶりな感じがした。
何となく思ったが、もしかして私は接客が好きなのかもしれない。コンビニでバイトしていると、ありがとうございます、とか、申し訳ありません、とかがとても軽く感じる。忙しいのは分かるし、レジに列ができたときすぐに対応できるように、1人で2台のレジを行き来する。私もやったことはあるけれど、1人のお客さんを接客している途中に離れるのはなんだか失礼なことをしているように感じてしまう。ありがとうございますもすみませんも、言葉の通りきちんと言いたいし、出来れば笑顔も大事にしたい。適当ではなく接したい。体だけ忙しくして働くのではなく、人と人として人に接したい。当たり前ではないし多くはないけど、接客したときにお客さんが笑顔を見せてくれるのが嬉しいからだ。この感性を私は、私の大事にするべきことだと思えた。

退勤する頃には天気のいいお昼だった。眠気もさすがに限界で、帰りの電車の中で爆睡してしまった。笹塚駅のスターバックスでラテを買って、カフェインで眠気と戦いながら帰った。ドラマ観ながらご飯を食べたあと、さらに爆睡して、気づいたら昨日は終わってた。noteを始めて初めて何も投稿しなかった。ちょっと悔しい。

今日もこれからバイトの面接。寝すぎて頭がぼうっとするが、上手くいってほしい。多分終わったあとは疲れてそうだから、今のうちに投稿しようと思う。さて、今から支度するか。

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