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【連続小説】騒音の神様 90 万博造成工事はどんどん進む。

朝が来て、松原と仕事仲間達はいつものように仕事に向かう。現役プロボクサーの高石も一緒だ。セミが元気に鳴いている。万博工事現場につくと、なおさらたくさんのセミが鳴いていた。松原は「朝からセミは元気やなあ」と言う。昨日まで雨が降りそうな天気だったが、今日は青空が広がっていた。万博の造成現場は、どんどんと工事が進んでいた。森、木が切り開かれ土だけの広い部分が増えていく。造成現場内容を通る道路も、アスファルトが増えている。様々な業種の職人、作業員が全国からやってきている。お昼休みには、弁当屋が開かれて人だかりが出来ていた。松原達も周りの皆も忙しかった。世界中から人がやってくる、日本の一大イベントとして現場には熱気が溢れていた。「台風来る前に、出来るとこまでとことんやるんやで、」と言う声があちこちから飛び交う。他にも「こんな森の造成地に、ほんまに万博なんか開かれるんかい、」「こんなとこに、日本中から人くるんかいな。まだまだカブトムシもようさんおるで。」など色んな声が飛び交いながら皆熱心に仕事に励んだ。皆、日焼けで体を真っ黒にしながら、顔を真っ赤にしながら木に向かい、土に向かい造成工事が進んでいく。ダンプカーがひっきりなしに行き来する。

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