ニートだった俺は異世界転生してもニートだった・・・　第1話

【ニートの迷い・・・】
俺はニートだ・・・
高校1年の時、イジメられていたのが原因だと、家族は思っている。

本当のところは、学校へ行き、クラスの人間たちと仲良く友だちのふりをすることに何の意味も感じなくなったからだ・・・

こうしてニートになって4年、年齢も20歳になろうとしている。そして最近・・・
俺自身が一番世の中に必要ないのでは・・・と感じてきた。

これまで時間をつぶすために始めたゲームなども飽きてきて、一日中なんとなくネットを見ているという怠惰な毎日を送っている。

そんなある日、目に入ったネット広告が気になった。

「人生に疲れ、無価値な自分を変えるため、人生やり直してみませんか？」

普段なら、こんな良くわからない広告に目が留まることもないのだが・・・無意識にクリックをして、流れに任せて、いつの間にか購入ボタンを押してしまっていた。

次の日、正直、昨日注文をしていたことすら忘れていた商品が届いた・・・
早速、中を開けてみると・・・

「薬・・・？」

思わず、声に出してしまったが、なんとも怪しい錠剤と、一枚の取扱説明書が入っていた。
そこにはこんな文章が書いてあった。

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取　扱　説　明　書

この度は人生を変化させる幸運をご購入ありがとうございます。

クソみたいな、無価値な人生を一変させる千載一遇のチャンスをあなたは幸運にも手に入れました。

このチャンスを全力で活かしていただけなければ、これ以上の人生を変えるチャンスは訪れないと断言します。

改めてあなたにお尋ねします。

あなたの人生に価値はありましたか？

決断のチャンスは今しかありません。決断されましたら、今すぐ同封いたしました錠剤をお飲みください。瞬時にあなたの人生が一変します。

幸運配達人

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なんだ、このムカムカする文章は・・・正直、文句のレビューぐらい書かないとイライラが治まらないと感じ、昨日注文したサイトや注文履歴を探してみたが、全く見つからない。

そして、文句の一つも言えない状況にどんどんとイライラが増してきて、勢いに任せてその錠剤ごと捨てようとしてみたが・・・どうしても気になって捨てることが出来なかった。

人生を変えられる・・・確かにあの取扱説明書に書かれているように、俺のこれまでの人生はお世辞にもいい人生とは言えないものだ・・・認めたくはないが、正直・・・クソみたいな人生でしかない。

これまで、その事に気が付きながら、放置した結果を他人に指摘されたとはいえ、こんなに怒りが湧いてきた事にも少し自分自身で驚いている。

どうせ、死んでいるのと変わらない無価値な人生なら、この怪しい薬を飲んでみるのもありかもしれないと思いだしていた・・・

「ヨシ！！飲もう！１」

そう言って、俺はその薬を飲みこんでいた・・・

しばらくすると、全身にミシミシと嫌な痛みが襲いはじめ、あまりの痛さに意識を失っていた。