5Gで報道を変える 即納ワークフロー
ソニー広報部のRTです。
今回は、フルサイズミラーレス一眼カメラ『α1』と5Gミリ波帯対応デバイス『Xperia PRO』を組み合わせた、報道向けの即納ソリューションについて紹介します。
フォトグラファーやビデオジャーナリストの撮影環境は現場によってさまざまで、屋内か外か、電源が取れるか、通信環境はどうか。時間帯や天候、カメラと被写体までの距離、そして報道陣の拠点となるプレスセンターと撮影現場までの距離も、ワークフローに影響します。
ミラーレスカメラと5Gミリ波帯対応デバイスで 報道ワークフロー変革
2021年1月末に、『α1』と『Xperia PRO』を同時発表しました。二つを組み合わせた5Gの即納ソリューションが、ニュースやスポーツ報道の第一線の現場で実践的に使われています。
5Gの高速通信が可能にするリアルタイム納品
従来は、撮影した写真を編集デスクに転送するためには、有線LANやWi-Fi環境がある場所(報道陣の拠点となるプレスセンターなど)まで移動し、PCを開いて、編集や転送の作業をする必要がありました。
しかし5Gミリ波帯に対応した『Xperia PRO』を活用することで、撮影しているその場所で、編集・情報付加・高速データ転送ができるようになります。LAN接続が無い撮影現場からでも、プレスセンターに行く事なく、5Gのネットワークを活用して高速にデータ転送できるため、ワークフローの効率があがり、撮影の自由度も向上します。
撮影に集中できる時間も増え、結果的に多くの報道を私たちにもたらしてくれます。
PCレスの即納ワークフロー
1.『Xperia PRO』に、報道のプロが撮影画像を即時納品できる専用アプリケーション『Tranfer & Tagging add-on』をインストール。
2.『Xperia PRO』のUSB Type-C端子に一般的なEther/USB変換アダプターをつないで、『α1』の有線LAN端子にLANケーブルを接続。
3.『α1』(USBテザリング対応)と『Xperia PRO』をUSB接続することで、5G通信を活用した高速・安定のFTPファイルの転送が可能。
リアルタイムにFTPサーバーに自動転送できるほか、撮影後にまとめて転送することもできます。設定できるサーバーは、9個まで。データを転送するたびに場所を移動する必要がなく、PCも開かずに、編集デスクに画像をリアルタイム転送できるのは大きなメリットです。
FTP転送とは、サーバーなどにファイルを送受信するファイル転送の仕組みで、File Transfer Protocol(ファイル転送プロトコル)の略です。1秒でも納品スピードをあげたい報道機関は、撮影カメラから編集デスクのサーバーに直接納品できるFTP転送を活用します。
コロナ禍の撮影現場 ”今”と”これから”
コロナ禍では、現場に入れるフォトグラファーやビデオグラファーの人数にも制限がかかっています。被写体のそばまで近づく事ができないプロにとって、ソニーの機材でリモート撮影ができることも大きな利点です。例えば陸上トラック上にカメラを設置して、遠隔撮影ができます。特にスタートの場面では、サイレント撮影とリモート撮影を組み合わせることで、これまでにない臨場感のある瞬間を切り取れるとプロから期待を寄せられています。
ソニー製カメラは、複数の報道機関への導入実績があります。2020年7月には、世界的な通信社である AP 通信に関連する情報を公開しました。
2021年8月には、英国・アイルランド最大の通信社 PAメディアグループ(旧PA通信)へ、ソニーの撮影機材を納入したことを公開。
2021年11月には、米国 ガネット・カンパニーとの撮影機材の納入契約について、情報を公開しました。
そして先月2022年1月末には、カナダのThe Canadian Pressに関する情報を公開しています。
2022年9月22日には、インドの大手通信社PTI(Press Trust of India)に関する情報を公開しました。(2022年9月29日に、本noteに追記)