神戸農村スタートアッププログラム登壇
11/16に神戸市主催の「神戸農村スタートアッププログラム」に登壇しました。僕の話はさておき、他のお二人の講師が刺激的でした。
1. (株)バイオーム藤木庄五郎さん
まずは、(株)バイオームのCEO藤木庄五郎さん。バイオームは、世界の生物分布情報をビッグデータ化して、グーグルが人工物のプラットフォーマーであるならば、自然界のプラットフォーマーを目指すという、激アツベンチャーです。
学生時代のボルネオ島の2年半のキャンプ研究生活と、アプリ開発のためのVC(ベンチャーキャピタル)からの資金調達という、全く異なるイメージ像。しかし、「生物多様性を稼げるビジネスへ」という信念のもと、上場を目指すとのことであり、上場は「生物多様性を目指す稼げなさそうな会社が上場まで果たせた」というメッセージを伝えたいとのこと。
僕としては、VCからの資金調達して上場へ、とか口に出したことなかったので、そういう意味でも刺激的。国際学会での発表や論文10本を出し、京都大学で学位まで取得されているバックグラウンドを持ちながら、そういう方向に舵を切れるのは、マジで天才肌といえます。プログラミングも創業(2017年)前後に勉強したとのことで、僕としては「資本政策」というものについてもちょっと勉強したくなり、講演聴きながらついついAmazonで書籍購入。生物多様性視点を、今後のビジネス展開にも生かせられないかも検討したくなりました。
2. 神戸大学 藤井信忠さん
藤井さんもたいがい刺激の塊でした。
キーワードでいうと「人流解析から町のデザインを考える」「ドローンによりレタスを撮影して、生産予想と病害対応」「高齢化問題は、食事の不十分問題。栄養状態が悪い。これをテックで解決」など、ハッとすることたくさん。
ビッグデータへのアプローチは、ローカルでやってる僕らにとってめちゃくちゃ重要だなと再認識。エネルギーも同様に、スマートメーター(電力計)への付け替えが進み、これまで月に一度の計測だったものが、30分刻み=24時間に48回計測することによる、エネルギー消費データが取れるようになり、消費行動とエネルギーの関わりが見えるようになってきました。
藤井さんからは、とはいえ「データあるから何かしたい、じゃダメ」とも言われていて、ちゃんと取り組みたいテーマや課題があってのデータ取得の順番は、意識しないとダメですね。
3. まとめ
・「農村地域は技術者にとって最高のフィールド」と藤井さんは言っていましたが、僕もそう思います。経営者にとってもですね。西粟倉、豊島、熊本など、僕が関わるエリアや人たちと、そういうテック系チャレンジはぜったいやっていきたいです。
・融資はこれまで受けてきましたが、「VCから5億円調達しました」とか一回言ってみたいと思ってました笑 とはいえ、出資を受けるのは、返せないかもみたいな投資部分(特に技術開発や研究)に入れるのであって、ビジネスモデルが違うsonrakuは、ひとまず融資でよいのかなとも。けど、上場は目指してみたい気持ちも高まりました。
・日本のサービス業は「おもてなし」に代表される属人化したものであるから、逆にその人がいないと成立しないため、スケールしないとも言われている、と藤井先生がおっしゃっていました。いや、ほんとそうなんです。Amazonは、スピードと豊富な物量が最高の「おもてなし」と考えているようで、全く属人感はありません。米国は、こうしたことが本当にうまい。sonrakuも、もうちょっとここは考えるべきだなとあらためて思いました。
以上、現場からの報告でした!
文責:井筒耕平