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【論文読み】地震時室内人的被害危険度評価
編集しつつですみません。(手法の途中まで追記おわ)
自分なりの解釈と図になっています。
【論文読み】
地震時の室内変容に伴う人的被害危険度評価に関する研究 -その3 室外への避難脱出経路の危険度評価法の提案-
岡田, 黒田, 2003.1, 日本建築学会構造系論文集第563号,83-89
を読みます。
1.背景
2.目的
3.手法
4.結果等
5.私の感想
6.関連論文
1.背景 <室内被害対策ないやんけ>
国策:震度6以上向け(死者いっぱい、多くの人を助けられる)
不足:高頻度地震(室内で負傷、少数向け・要因色々)
事前知識として…
95年地震以来、建物内死者発生に関する関心の高まり
被害は、住家倒壊(構造部材)+家具転倒等(非構造部材)
非構造への対策不足が見える例…釧路沖地震(1993)
住家被害分布と人的被害分布の不一致
=耐震化対策は室内被害にはそれほど寄与していない
2.目的 <個々人に向けた住宅危険度診断「私の危険度は?」を探る>
以下2つの関係を見て個人対策への道筋を探る
・住空間の属性(広さ・用途・家具配置)
・住人の災害回避行動(年齢・性別・時間帯等により変動)
論文第1報では揺中の負傷危険度を室内ゾーイングする手法の提案
論文第2報では揺中の回避行動困難な地震動強さ・行動速度等の基本データの導出
今回第3報では
地震直後の避難経路の危険度評価手法メインで総合的診断法導出
3.手法 <時間フェーズと人間の行動パターンで分析>
住人の地震危険性…揺れに対する主観的行動パターンはある程度限定されている[※3]
釧路地震調査[※1]から揺れの大きさに応じた5段階の一般的行動
①初期微動時…安全空間への移動・弱者介護等により行動活発
②主要動…200gal以上の揺れになると行動不能、待機状態
③後揺れ時…200gal以上の揺れになると行動不能、待機状態
④揺れ終息直後…消火作業、弱者介護、避難移動
⑤その後…避難移動、後片付け
地震時の人間行動は時間フェーズでパターン化の傾向あり。
段階意識すると、複雑な人間行動考慮しつつ危険度評価が可能である。
時間フェーズと負傷者発生の時間関係 図1(著者らが被災地域において世帯別アンケート調査,地震による屋内負傷者について を実施)釧路沖地震(1993)と北海道南西沖地震(1993)
釧路沖地震
揺れ中①~③に負傷者大多数発生、①が長くその間に避難行動できた人が多かったため他フェーズでの負傷者少ないケース
南西沖地震
揺れ中①~③と揺れ後避難中④⑤の2か所に負傷者発生ピーク、①が短く地震発生は夜で在宅者混乱揺れ中①~③とれ後避難中④⑤の2か所に負傷者発生ピーク、①が短く地震発生は夜で在宅者混乱
上記より
「揺れ中」①②③
「揺れ後避難中」④⑤ の2つを考慮すべき。
「揺れ中」①②③家具転倒等による危険度は室内ゾーニング法により評価可能[※2]
では、「揺れ後」④⑤の室外脱出経路の危険度評価については…?
基本的考え方
室内ゾーニング法[※2]により揺れ中の危険度診断、家具転倒や散乱下から脱出する危険度を診断する。室内ゾーニング法を併用する診断法。
揺れ収まった後は居住者は目的を持った行動をする。
EX)室内のある場所から室外へ脱出試みる
その脱出ルートを追跡しルートごとに評価すれば室内のその場所における避難危険度に関するポテンシャルが求められることになる。
データ表現を簡単にし計算簡便化のために住家空間を種々の機能空間の合体として捉える。(nodeをpassでつなぐ)
機能空間を大まかな点で代表させ転換移動が可能なときに枝で連結する。
モデル化して移動を理解する。
①→⑧までのルートいっぱいあるのがわかる。
ある機能空間iの避難危険度Fiはルートの避難危険度eijの総和
各移動ルートの最小がその機能空間iの避難危険度とする。
式(1)(2)の図
この避難危険度eijを枝の距離として数値表現できれば、最短経路、全経路の危険度を、経路長さを比較評価するダイクストラ法[※9]で算定できるぅ
6.既往研究<避難に関するシミュレーションモデル><避難路の安全性危険性の判断はない…>
・群衆流を数式モデル化[※4]
・避難空間をグリッド分割し環境特性を確率で与え時間シミュレーション[※5]
・地下街に滞留する歩行者を円形粒子でモデル化し個別要素法で移動シミュレーション[※6]
・大規模空間からの群衆移動を脱出口の誘導ポテンシャルで与え移動時間をシミュレーション[※7]
・閉鎖空間を連続的に定義しその内部の人間行動をエージェントモデルにより現実に近い形で再現を試みる(避難問題でない)[※8]
研究対象も大規模空間からの群衆の避難問題を扱っている。
住家を単位とした個人ベースの研究は少ない。
避難に関するシミュレーションモデルばかりで、避難路の安全性や危険性の判断はない…。