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バレエと他のダンスを比較する?〜身体のコントロールはダンサーの凄さの証〜

みなさん、こんにちは♡ソノです。
今日は、ダンサーの凄さの証!優れた身体能力についてお話したいと思います。
ダンサーの身体能力には種類があります。ジャンルにも。
それらを比べることは、カレーとサッカーどっちが好き?ぐらい無意味だと思うのです。

どれぐらい無意味か。それもまたダンサーの身体能力が説得性を持って教えてくれます。
今回はそんなお話しです。


バレリーナの"美しさ""すごさ"の代名詞といえばやはり、トゥシューズではないでしょうか?

爪先立ちでバランスをとりながら踊るのです。
それはもう素晴らしい身体能力!
バレエに詳しくない方でもバレエと言えば?と問われると、トゥシューズを思い浮かべるのではないでしょうか?

しかし、そんな美しさの象徴ともなっているトゥシューズでのダンスを実際に美しく踊るには、壮絶な努力が必要となります。
爪先立ちでもブレない軸、固定された硬いトルソー。
この美しさと訓練の過酷さのギャップもまた、人気の題材として、バレエ映画に度々取り上げられてきました。

そうですバレリーナは、
過酷な訓練を経て、浮世離れした身体能力を手にするのです。そして、観客はそれを楽しみます。

きっと、バレエ以外のダンスも同様でしょう。
ダンサーという仕事は、高い身体能力が商売道具です。

今回私が
ダンサーの身体能力の話の導入としてバレエを挙げたのは、ただ好きだからではありません。
バレエにおいて、「コントロール」が高い身体能力を表すためのとても重要な項目だからです。

前置きが長くなりました、本日は、
ダンサーの身体能力、特に「コントロール」について少しお話したいとおもいます。

この話題を考えるきっかけとなったのは
ウェイン・マクレガーの『クロマ』です。

この『クロマ』
ロイヤルを始め、いろんなバレエカンパニーのレパートリーになっています。
近年では毎年、ローザンヌ国際バレエコンクールのコンテンポラリーの課題曲にもなっていますね。

バレエ界隈でよく見る『クロマ』ですが、
実は、エイリー・ダンスシアターのレパートリーにもなっています。

エイリー・ダンスシアターは、かつてアルヴィン・エイリーが代表をつとめた、黒人ダンサーを多く抱えるニューヨークのモダンダンスカンパニーです。
『クライ』や『レベレーションズ』は特に有名ですね。
黒人ダンサーの見せる可動域の大きい上半身の動きは、ジャズダンスの基になったとも言われています。

そんなエイリーでも『クロマ』は踊られます。

英国ロイヤルバレエとエイリーダンスシアター。
この2つの『クロマ』を見比べるのがとても面白いのです。 

こちらの画像はエイリーの『クロマ』
先にお見せした方はロイヤルのものです。

どちらも、高い身体能力に培われた凄まじい肉体のコントロールを見せてきます。それに違いはありません。
しかし、注目したいのは、
目に見えるコントロールの種類に圧倒的な違いがあることです。
同じ箇所で同じ振り付けであっても、です。

『クロマ』において、
ロイヤルのダンサーは、ジェンガを丁寧に並べた後ピンと指で突いて自主的に倒すようなコントロールを見せます。
一方のエイリーは、暴れ馬を乗りこなすようなコントロールをみせるのです。


『クロマ』はバレエとモダンダンスの違いをわかりやすく見せてくれる作品です。

ダンサーが観客に見せる"身体のコントロール"というものひとつとっても、
コントロールそのものに種類があることに気付かされます。

ダンスにおける"すごさ"、"美しさ"にも、
これが美しい!という絶対的なものはなく、種類があるのでしょう。

ロイヤルとエイリー、
どちらがいいという話ではありません。
言いたいことは、比較することが意味をなさないほど、違うものであるということです。

現代のダンスを見る観客や、ダンサーに必要なものは、
どちらがいい、悪いといった批評ではありません。



同一直線上での比較を一旦やめて、
ぽっかり浮かんだ1つの動きとして、
それぞれの身体のあり方を見ることが、
また新しい"すごい身体能力"発見の鍵と思っています。


それはそうと、同じ作品でも、
自らの手にしてきた"すごさ"や美学を、
こうもはっきり見せつけてくるなんて、
『クロマ』がすごいのか、ダンサーがすごいのか…。
なんだか、コントロールうんぬんの前に一流たる所以を見せつけられた気がしています……。

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