初めての喪失
大きな公園のどこかに落としたポケットピカチュウ。
おそらく、生まれて初めて自身で経験した喪失だからなのだと思うのだけど、私はそのことをよく覚えている。
買ってもらったばかりのポケットピカチュウは、ピカピカの新品で、画面の中のピカチュウがいろんな動きを見せてくれた。
これですね。
今見ても可愛い。これ製作した人天才では?
とにかくピカチュウと常に一緒!みたいなコンセプトが当時の売りだったと思うのだけど、わたしもその売りに乗りに乗って気分はサトシだった。
これからたくさん一緒にいろんなところに冒険できるんだと思ってた。
その一歩としての大きな公園。
ベルトとかに挟んで持ち歩けるよう、本体の裏にツメが付いていたのだけど、それを使用したにもかかわらず、公園から戻ってきて車に乗ったときには無くなっていた。
私とピカチュウとの冒険は大きな公園一つで終えてしまった。
あの時のポケットピカチュウのことをなんだか久々に思い出した、喪失の記憶として。
そして思い出すと同時に、深夜のテンションでもう同じものは手に入らないのはわかっていながらも、メルカリで中古を購入した。
ポケットピカチュウが届いたら一歩一円企画で旅行にでも行ってみようと思っています。
今度こそ、色んなところに行こうね。