
【和訳】fromis_9のイ・セロム、俳優として迎える第2幕 「健康で善良な心で立ちたい」
fromis_9の契約終了が発表されてから、新たな道へと歩み始めたイ・セロム。彼女がこれから進むのは、かねてからの夢だった俳優という道です。
公開されたインタビューでは、グループへの想い、今の心境、そしてこれからの挑戦について語られていました。今回、その内容を和訳しながら、彼女の言葉や想いを少しでも多くの方に届けられたらと思います。
体感温度マイナス16度。肌を刺すような冷たい風に全身が痛むほどの寒い日だった。狭い路地の吹雪をかき分けてカフェに入ってきた彼女は、明るい笑顔を浮かべ、記者のもとへ歩み寄って優しく挨拶をした。ほとんどノーメイクで、黒いバックパックを背負ったシンプルな服装。その素朴な表情は、まるで学生のようだった。まだ会話を交わす前から、彼女の目が物語っていた。その微笑みには、飾り気のない真実の心が宿っていることを。
IZEは最近、ソウル・江南区のカフェで、プロミスナインの元リーダー(キャプテン)であるイ・セロム(以下、セロム)と会い、話を聞いた。インタビューは2時間近くに及んだ。セロムは落ち着いた様子で自身の想いを語り、その言葉のひとつひとつに込められた深い思慮と気遣いが、彼女がリーダーであった理由を肌で感じさせた。
セロムは今、新たな道の分岐点に立っている。昨年末、所属事務所プレディスエンターテインメントとの専属契約を終え、長い悩みの末に俳優として独り立ちすることを決意した。リーダーとしてチームへの責任感が強く、深い愛情を抱いていたセロムは、もともと「完全体のまま進みたい」と願っていたメンバーだった。そして「完全体でなければ意味がない」と考えていた。しかし、メンバー全員がチームを大切に思う気持ちは同じでも、それぞれ進みたい道は少しずつ違っていた。セロムにとってプロミスナインの意味とは、8人が揃ってこそ完全なものだった。そして、彼女は「とても理解できる」メンバーたちの想いに耳を傾けながら、自身が13歳のときから抱いていた俳優という夢を、再び目指すことを決めた。
「中学1年生のときに初めて事務所に入りました。もともと俳優を夢見ていたので、俳優専門の芸能事務所でした。でも、年齢が若かったこともあり、『まずアイドルとして経験を積んでから俳優になってみてはどうか』と提案されたんです。そうしてアイドル練習生となり、人生のすべてとなるプロミスナインと出会いました。専属契約の終了を控え、最後の決断をするときは、毎日『私は何を望んでいるのか?』と自問し続けました。チームはとても大切でしたが、久しぶりに自分自身の幸せについて考えました。決断は簡単ではありませんでした。メンバーたちを心から愛していましたし、そのチームこそが私そのものでした。それを切り離すことは、とても難しい作業でした。」
所属事務所の庇護のもと、ある程度制限された生活を送ってきたセロムは、今、初めて自分の力で新たな夢に向かって歩み始めている。現在、いくつかの俳優マネジメント会社と直接ミーティングを重ねている彼女は、「まだ具体的に決まったことはありませんが、俳優事務所との面談をしながら、自分のための時間を過ごしています。すべてのスケジュールを自分自身で立てて、それを守っていくということ自体が、今の私にはとても新鮮です。新しいことに挑戦する日常が本当に楽しいですね。グループ活動のときは、いつスケジュールが入るか分からなかったので、時間があればとにかく寝ようと考えていました。特に眠くなくても、必要以上に長くベッドに横になっていたりして。でも今は違います。最近は、朝にカフェや図書館に行くのが、私の日課になっています。」と、最近の日常を語ってくれた。
「プロミスナインの日々に戻れるとしたら、過去の自分に『もう少し肩の力を抜いても大丈夫だよ』と言ってあげたいですね。リーダーになる前までは気づかなかったのですが、自分でも驚くほど責任感が強かったんです。自分をすり減らしてまで頑張っていました。グループ活動5年目くらいのときに心が辛くなり、カウンセリングを受けたのですが、そこで自分が苦しんでいた理由が責任感の強さにあったことを知りました。リーダーとしてしっかりしなければならないという強迫観念のせいで、メンバーたちに厳しく接してしまったのではないかと思うと、申し訳ない気持ちになります。もう少し力を抜いていればよかったな、と思います。」
セロムにとって、プロミスナインは20代のすべてだった。そして今、彼女は新たなスタートラインに立っている。慣れ親しんだ道を離れ、新たな挑戦を始めることは決して簡単なことではないだろう。しかし、これまで誰よりもチームのために尽くしてきたからこそ、今度は彼女自身の幸せを追い求める旅を、心から応援したいと思う。自分のために選んだ勇気、そして今も変わらぬ温かい心でチームを応援するその気持ちが、彼女の第2幕への期待をさらに高める。
「これまでプロミスナインのイ・セロムを愛し、温かく見守ってくださった皆さんに感謝しています。これからは、『イ・セロム』として歩んでいくことが多くなると思います。まだどんな色を持つのかは分かりませんが、ただ一つ確かなことは、いつも健康で善良な心で立ち続けたいということです。勇気を持って前に進みたいと思っています。どうか温かく見守っていてください。」