知識の体系化から考える人間関係
仕事の相性は合うけれど、雑談やプライベート、考え方に関して全く合わない人がいる。
「なぜだろう?」と、たびたび考え続けていた。
しかし、何度考えても答えが見つからなかった。
いつも結論は「まあ、そういうものだろう」で終わってしまう。
今日もそのことを思い出したが、思いがけない進展があった。
たどり着いた結論は「むしろそれは当たり前なのだ」というものだった。
なぜなら、自分が相手の思考体系を取り入れていたからだ。
数日前に、ベテランちの動画を見た。
その動画では「知識をいかに増やすか?」に焦点が当てられており、知識を単なる点で終わらせず、他の知識と結びつけることが大切だと説明されていた。
この知識の広がりの大きさや深さを作ることを「知識の体系化」と呼ぶのだと理解した。
「知識の体系化」と聞くと、数年前までは抽象的すぎて全く理解できなかった。しかし、一つの知識からどれだけ広げられ、どれだけ深く掘り下げられるか、それが体系化なのだと。
自分が好きなものや興味のあるものについては、自然に思いつくだろう。
例えば、好きな歌手がいれば、その歌手の曲名やリリース時期、コラボしたアーティスト、出演した番組など、さまざまな点と点がつながる。
この動画では、受験やテストを例に、他人より優位に立つための方法が説明されている。興味がある方は見てほしい。
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「この体系化を人間関係にも取り入れると、仕事がスムーズに進むのでは?」と感じた。
(というか、それが当たり前?)
「読書は他人の思考を取り入れること」と言われる。
他人がどのように考え、まとめるのかを直に体験できるのが読書だと聞いたことがある。
ショーペン・ハウアーも、読書は「他人の思想の運動場」と言っている。読書ばかりしていると他人の思想に従属してしまうことを意味している。
仕事の進め方も同様で、「この人はこれをした後にこれをする」と把握し、自分もそれに合わせて行動することが求められる。
これは「忖度」とも言えるかもしれない。忖度について調べると、「他人の気持ちを推し量ること」と説明されている。「相手がどう考えるのか」を考えることを「気持ちを推し量る」と捉えても良いだろう。
つまり、「馬が合う人」とは、相手の思考体系を理解し、「この行動の後にこれをするだろう」と行動を予測できる人を指すのだろう。
逆に、行動が予測できない人は「馬が合わない人」だろう。
関連して、「空気が読めない人」も挙げられる。
しかし、これは自分が相手に合わせるのではなく、相手に自分に合わせることを強制することになる。
「あの人は空気が読めない」と言う人は、怒っていることが多い。怒っている側は、相手の馬に合わせることを諦めた人でもあるのではないだろうか。
「もう埒が明かない」と強制的に理解させようとする。
これは難しい問題でもある。仕事の都合で、相手に合わせると間に合わない場面もある。そのため、プチっとキレてしまうこともある。
そもそも、相手の思考体系を無視して「自分に合わせろ」という人もいる。
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知識の体系化を人間関係に応用して考えると、社会が高学歴の人間を求める理由も分かる。
なぜなら、高学歴の人は習ったことをすぐに体系化して理解できるからだ。
人間関係や仕事も同様で、「この仕事はこういう意味があるんだ」「あの人はこうやって仕事を進める」とすぐに相手の思考体系を理解できると期待されている。
それが組織に馴染みやすく、即戦力になる理由だと思われている。
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