[本] 1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法
読書苦手が読んだ本 #5
1日3時間だけ働いて
おだやかに暮らすための思考法
山口揚平
いきなり余談ですが、注文時に配送先を間違えて、実家に届いたこの本。滅多にない事なので、姉が開封してしまったみたいで、このタイトルを見て「妹、大丈夫か?」と思わなかったかなと、勝手に想像して、何となくモジモジしました。
わたし「働きたくない人」ではありません。
労働=身体を動かす仕事、だけじゃないですよと誰かに言いたかっただけです。失礼しました。
読んだ理由
◆タイトルに惹かれたから
◆占いで非労働タイプと言われたから
◆まさに題名通り1日3時間と言われたから
◆私の理想の働き方、生き方だから
この少し癖のあるタイトルにより、「自分には関係ない本」と、この本を手に取らない人もいる気がします。勿体ないな。生き方指南と言うよりビジネス本という感じで、途中わたしが苦手な経営学について書いてあり、チーンとなりましたが、内容はとても面白かったです。
こんな内容
本のはじまりに「21世紀から"頭が良い"の定義が変わった」とあります。私はこの続きを読んで"ニヤリ"としました。そして「情報や知識より大切なのは...」と続きます。
20世紀までがハードディスク(情報や知識)主体で、21世紀からはCPU(思考力や想像力)が主体の時代にシフトしました。ハードディスクにある解を、探して抜き出すのではなく、問いそのものを問う。要するに、自分の頭で考えなさいと言う話。「自分で考える」と言うところが大切なんですね。情報や知識はGoogle先生が、いつでもどこでも教えてくれますしね。
ここまで読んで、むっふりと笑みが溢れました。なにせ、私も完全に同感。ITベンチャーでの管理職時代、20代スタッフのスキルの高さやセンスに尊敬を覚え、そのバランス感覚と適応力に酷く感動していたのですが、ひとつだけ思うことがあったんです。
それが「自分で考える力」の未熟さです。
決して頭が悪いわけではないのに、考えることができない。「なぜ?」「どうして?」と深掘りをする若者が、私の周りには圧倒的に少なかったのです。勿論、そうでない人かいる事も承知しておりますが、「均す」教育の汚点のような物を感じたのです。
また、フォード社の創業者にまつわる逸話も、共感できる興味深い話でした。私は、学校にせよ、企業にせよ、苦手分野と戦わせ続けることに馬鹿らしさを感じています。克服することが美であったり、持ち合わせていないスキルを、求められ続ける辛さについて、私自身、常々思うことがありました。
以前、TVで林修先生も同じことを仰っていました。苦手な事を出来るまでやらせる時代は、もうとっくに終わったのです。これからは得意を伸ばし、得意を交換する時代。我々も脳みそをモデルチェンジする必要がありそうです。
途中の経営学的な内容の時は、心底「うわ〜」と思いました。会社員時代、経営大学院に通っていた社長の、ゴリゴリなマインド共有が少し苦手だったのですが、「あー、今、遅れて学ぶ時期が来たのかな」と思いました。
終わりに一言
読んでいる時、ふと我に帰ると自分がニヤけていることが何度かありました。「私は何で笑ってるんだ?」と、独り言を言いました。私は嬉しい時にニヤける癖があるのですが、嬉しくてニヤけるほど、内容に共感をしていたと言う事です。
また、これから先「問いそのものを問う」と言うように、自力で考える力が必要になるなら、「何とか自分はやって行けそう」と、根拠もなく確信。実際どうかは別で、「自分は大丈夫だ」って思いたいだけです(笑
それにしても、いい意味で不思議な読みごごちの本でした。「自分を生きる」とかそう言う類の本ではなくて、完全にビジネス本の気がします。経営学に嫌悪感が大ありの私なので、苦手分野への入口としては、非常に面白い本でした。
これから先、貯めるべきはお金じゃないそうですよ。