さらば、そして、ありがとう。サゴタニのビン牛乳。
毎週水曜日の朝、宅配ビン牛乳が届く。
今朝もいつも通り、玄関先に置いた専用箱に、冷えた牛乳ビンが入っていた。
わたしが届けてもらっている砂谷(さごたに)牛乳は、広島市北西部の湯来町にある牧場のとてもおいしい牛乳。
海外育ちのころ、日本に一時帰国するたびに、日本の牛乳ってめちゃうまいなあと感動してきたわたしにとって、自宅で宅配ビン牛乳をとるというのは長らく憧れだった。自分もいつかビン牛乳を届けてもらおうと。
広島でやっと実現した。
砂谷牛乳のビン牛乳は、美味しいのはもちろん、楽しみがもう一つある。
それは、ビンに記された格言。今朝は、最近続いているこれだった。
わたしは新聞社を退職した孤独なフリーランスの物書きだが、最近チームでの仕事が続いていたこともあり、なんかしみじみしてしまった。
今日はビン牛乳だけでなく、ちょっと悲しいお知らせも届いた。
「ビン牛乳 終売について」
ああ、いよいよこのときが来てしまった。
砂谷牛乳さんが1950(昭和25)年の創業以来、続けてきたビン牛乳の提供を終えるという。今後は、紙パック牛乳への切り替えを、と。
「お客様各位」宛の手紙によると、理由はこうだった。
現在使っているビンライン設備は導入から数十年経っており、耐用年数も過ぎているが何度も修繕して大切に使ってきた。だが、ついに寿命が近づいている。修繕には限界があり、ビン牛乳を続けるためには新たに数億円を投資して設備を導入しなければならないーー。
「皆様にとっても、砂谷にとっても思い出深いビン牛乳ですので、本当に終売にして良いのだろうか?と長い間悩んで」こられたという。そして、「本当に悩んだ末での判断ではございますが、500mL、900mLビン商品の製造及び販売の終了をすることを決定」したという。
家にビン牛乳を届けてもらう、ということが、わたしにとっての「豊かな生活」の一つシンボルだったので、とってもとっても残念です。
ビンだから、なおうまいのです。(ちなみに、ビールも瓶ビール派)
今までありがとうございました。
毎週、ことさら重たいビン牛乳を届けてくださり、ありがとうございました。ビン専用のフタを間違えて捨ててしまったとき、新しいものを届けてくださり、これまたありがとうございました。
Twitterで時々、砂谷ビン牛乳の格言を投稿してきましたが、見つけたやつをここに載せておきます。しみじみ牛乳を味わいながら。
毎週水曜朝、いろんな言葉に勝手に励まされていました。
前に見た言葉でも、その日によって受け止めが違うんですよね。
それがなくなるのはやはりさびしいです。