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「依頼する」という冒険

誰かに依頼を出すのが苦手だ。会社で同僚や部下に依頼を出すのも、クライアントにお願いするのも、パートナー企業のメンバーに作業依頼を出すのも苦手だ。


今日の朝もその気持ちを少し吐き出した。


特に、付き合いの浅い人への依頼が苦手だ。
特に、充分な時間に余裕がない依頼が苦手だ。
特に、デザインとか自分の経験が浅い分野の依頼は苦手だ。

もちろん、自分の依頼内容の精度が成果への影響の全てではないことを知っている。
もちろん、依頼をしっかりと進める手順は、経験を積んできたし、それなりに知っている。
もちろん、作業が溢れた時に自分が巻き取ることが出来なくても終わりが来ることを知っている。

それでも、依頼をする時に終わるイメージ持てないことは多い。
そんな依頼を持ってくる自分が、とても悪い事をしてる気分になるし、とても惨めだ。
だから、依頼をする時はだいたい「ごめんなさい」と思って依頼を出している。

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その依頼が、何か(自分の確認ミスだったり、抜けだったり、諸々の事情だったり)の都合で変更する事になったら、気絶しそうになる。

改めて、また依頼の恐怖に向き合う。しかも、前回よりも確実に強敵だ。
そして、だいたい期日やら、何やら条件は悪くなって、こっちの旗色は悪い。
ウジウジとひとしきり悩んでから、勇気というよりは、緊張に耐えられなくなって相談におもむく。

素直に怒ってくれるなら、まだ良い。その気持ちにさせた事を謝って、依頼の訳を話して、対応してくれる感謝を伝える。
もっと辛いのは、心を閉ざすように「はい」と返事されて終わった時は申し訳なさでいっぱいになる。

果たして、こんなことまでして依頼を通さねばならなかっただろうか?この仕事に、なんの意味があるんだろうか?

そうやって席に戻って、勝手に落ち込む。その間にも手を動かして進めてくれている有り難さも身にしみて感じながら。

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プロジェクトが終わって、ああやっと依頼することが無くなったと一安心。「ありがとうございました」と挨拶をして、心なしか向こうも微笑んでくれた時に、やっと冒険を乗り越えたのを実感する。

少しだけ落ち着いて、振り返る。あの話しかたは良かった。少しだけ、彼や彼女の気持ちを汲めたかもしれない。残せる成果はあった。しばらくしたら、懐かしく思い出せる日が来るんじゃないか。次の機会は、もっと良くしていきたい。

この葛藤は、社外のコミュニティ活動でも、家で奥さんとの間でも何度も生じる。

生まれてからこれまで、幾度となく乗り越えた冒険で、これからもまた何度でも立ち向かう冒険だ。

まだ、慣れたことは一度もない。


おわり。

#毎日出す 20191007 DAY15

読んでいて幸せになれたら、僕にも教えてください。きっと、僕も飛び上がるほど幸せです。 感謝の気持ちを、あなたの居るほうへ送ります💌