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クリスチャンによるカウンセリングの心得

私は普段、クリスチャンメンターとして活動しています。
カウンセリングまたはコーチングでクライアントさんに接する時、クリスチャンとして、どのような点に留意すればいいのか、試行錯誤しながら、一人一人に寄り添えるように心がけています。

今回は「よい相談相手になるために クリスチャン・カウンセラー入門」という本を参考に、クリスチャンによるカウンセリングにおいて留意すべきこと、そして私自身の体験も交えてをお話ししたいと思います。


自分の価値観や信仰を押し付けないこと

何よりも大前提として気をつけなければならないことは、自分の価値観や信仰をクライアントに押し付けないことです。

たとえ、同じクリスチャンであったとしても、人それぞれに生まれ育った背景や価値観は様々です。

価値観を持つこと、信念を大切にすることは、悪いことではありませんが、

「クリスチャンだから、絶対〇〇でなければならない」という価値観を相手に押し付けることは、カウンセリングの際には避ける必要があります。

なぜなら、自分が正しいという視点を持って他者に接すると、視野が狭くなり、他者を思いやる気持ちを持つことができなくなるからです。
価値観を無理矢理押し付けられると、相手も嫌な気持ちになりますし、信頼されなくなってしまいます。

もちろん、クリスチャンとして絶対的に揺るがない信仰を持つことは大事だと私も思っていますし、自分自身も信仰を持って、クリスチャンというアイデンティティを土台にカウンセリングをしています。

その一方で、クライアントに接する時、その人の話を聴くときは先入観を持たず、自分の価値観でなく、相手の立場になって聴くことを心がけています。


人間としての限界を知る

二つ目に留意したいことは、こころの問題において問題解決には限界があるということを認めることです。

カウンセリングに来るクライアントの中には、様々な問題を抱えている人がいます。
うつ病だったり、発達障害だったり、一筋縄では解決できないケースもあります。

これらのメンタル疾患などは臨床心理学の知見を用いて、適切な治療を受けて症状がよくなるケースもありますが、根本的に治ることが難しいこころの病もあります。

困難な状況にあるとき、クリスチャンであれば、神様に祈り、そして聖書から答えを見つけ出そうとするでしょう。
奇跡が起こって、病が癒やされたという話を聞くこともあります。
その一方、祈っても祈っても、神様は一向に祈りを聞かれず、病に苦しんでいる人たちもたくさんいます。

治療をしても、神様に祈っても解決しない。
苦しみと絶望の中にあるクライアントに対して、カウンセリングをするのは限界を感じてしまいます。

しかし、それでいいのです。私たち人間には限界があることを潔く認めること。謙遜に、神様に問題をゆだねることが、究極の問題解決になるのです。

カウンセリングを学ぶ前の私は、友人の相談に乗っていたとき、自分のことのように思って、問題を解決しようとしていました。
友人の助けになればと、よかれと思って色々考えてアドバイスをしましたが、結局どれもうまくいかず、焦りがますばかりでした。

自分の力で他者を変えようとしていた自分は高慢であったなと恥ずかしく思います。

自分の力には限界があると知ること。
カウンセリングをする時に、肝に銘じておきたいものです。

今回は、クリスチャンによるカウンセリングで留意することについてお話ししました。
すでにカウンセリングに関わっているかたや、問題を抱えている人をサポートしている方にも参考になれば幸いです。

紹介した本はこちらです。興味がある方はお手にとってみてください。



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