プロトタイプ探し
ES小ネタアドベントカレンダー2020の12日目の記事です。
Tony LashやYouTubeのNo Name 7氏などのリークによって、いくつかの曲が早い段階で既に原型ができていて再利用されたのが判明したので系譜をたどりたいと思います。
歌詞については当時のバンドメンバー(特にGarrick Duckler)が書いた詞を再利用するにあたって自分の言葉に変えてる印象です。歌詞も誰がどのパートを書いたか未だ不明ですが、そのまま残したのもあるそうです。
参考までにheatmiser以前のバンド名を時系列に沿って並べたのがこちら。
1. Stranger Than Fiction(1985 - 1987)
2. A Murder of Crows(1988)
3. Harum Scarum(1989)
完成形に近いもの
Stranger Than Fiction - Fast Food (1986)
Junk Bond Traderの原型。歌詞がだいぶ違いますね。-ticの言葉で韻を踏んでたところが「writing in the glow of the TV static」で使われたぐらいでなんとなく雰囲気が似た言葉のチョイス以外は共通点は特にない気がします。
A Murder of Crows - Condor Avenue (1988)
最古のCondor Avenue。この時期の歌い方はなかなかクセがあって新鮮ですね。
A Murder of Crows - Three(1988)
King's CrossingはFABOTH収録曲ということもあり、一部ではドラッグレファランスや悲観的な歌詞から晩年に作られたんじゃないかと思う方もいるかと思いますが、そもそも1999年のライブでも披露してましたし、歌詞も結構早い段階で固まっていてFABOTH版とそんなに変わらない気がします。
Harum Scarum - Catholic (1989)
怒りのEverybody Cares, Everybody Understandsの原型。歌詞が一部かぶる以外ガラッと変わってますが曲の構成はかなり似てますね。キレッキレのドラムとアウトロが好きです。
原型がほぼないもの
Shiva Opens Her Arms
時期は不明ですが、1986〜1993年の間と推定されるそうです。Son of Samの前身だと思いますが、歌詞の一部やコンセプトが他の曲との共通点が見られました。
「Church bells now I’m awake and I guess it must be some kind of holiday」はLast Callに同じ歌詞が使われています。
「A moth trying to catch the attention of a bare light bulb」も言い方は違うけど言ってる内容はCondor Aveと一緒ですね。
「Shiva opens her arms now...」からはson of samにもろ同じフレーズがありますが、それまではとても一緒の曲とは思えないほどまるで違います。
Stranger Than Fiction - Punch and Judy(Other Versions) (1986)
もはや別の曲ですね。最初の歌詞の一部が類似している以外共通点は見当たりませんでした。
「A wallpaper pulls his punch, talks to Judy in a crowded corner
he don’t read page to page or say the words in order」
が
「A wallflower Punch talks to Judy
In a crowded corner where anybody can listen in
But they don't read page to page or speak easy
Now, they're gonna go say the words in the wrong order again」
に肉付けされています。
その他
Back Seat JohnとBastard Johnの関連性だったり、Take a Fall とHappinessの関連性も掘り下げてみると結構出てきそうです。
他にもDon't Call Me BillyとFear Cityや、From a Poison WellとFirst Timerみたいなバージョン違いも色々あると思いますが、今日はこの辺で。