0-5 M∀LICE について
0:はじめに
はじめまして。
お久しぶりの方はお久しぶりです。そのだです。
普段は東京~神奈川の範囲で遊戯王OCGを遊んでいます。
今回も遊戯王のNoteです。
1:目的
先週、2人チーム戦のCSにてM∀LICEを使用し見事予選突破(個人戦績0-5)を果たすことができました。
持ち込んだ構築や考えていたことなどを共有することで、誰かの助けになりつつ、こっちのほうがいいのではないかといった意見を頂くきっかけになればという目的で筆を執っております。
ご意見ご指摘お待ちしております。
また、本Noteは M∀LICEのテキストおよび基本的な動きを知っている および 以下の参考文献を確認している ことを前提とさせて頂きます。
ご了承ください。
(また、いいねと思いましたらnoteのいいねを押して頂けると非常に嬉しいです)
2:参考文献
以下にM∀LICEを考えるうえで参考になった動画/Noteを示します。
どれもM∀LICEを扱う上での基礎的な知識や、大会で使用するにあたっての考察を含んだ素晴らしいものですので、ぜひ一度ご確認いただくことを推奨します。
3:構築
以下に使用した構築とその考え方、及びポイントとなるカードの説明を示す。
3.1:使用構築
使用した構築は以下。
3.1:基本思想
大まかにまとめると以下
・構築全体で引きによる理不尽を押し付けに行く
・メイン戦をできるだけ取り、サイド後はどちらかでロンギヌスを投げられ敗北したとしてももう片方を取ってマッチ勝利を目指す
【詳細】
M∀LICEは同テーマの中でも構築が分かれやすいテーマである。特に分かれるのは
・闇の誘惑の有無/キャットの採用枚数
・貫通札の採用種類※
※テンプレートスキッパー/深淵の獣/パラエク など
かと思う。
私は 闇の誘惑採用/キャット3枚採用 かつ 貫通札はテンプレートスキッパーのみ採用 とした。
闇の誘惑は個人的にこのデッキを選択する理由の一つで、2枚ドローにより先行展開の補強貫通札、後手でも盤面の回答や追加の手数を探しに行きつつ、誘惑それ自体が手数となる暴力的なカードである。
(先行展開の補強貫通札一例:Gを投げられても誘惑でドロバを探し見つかれば展開、見つからなければ引き込んだ誘発を頼りにSTOPするなど。)
今期の遊戯王に丸さを求めるのであれば、初動が豊富で誘発を受けても最低限デッドネーターが成立し相手のデッドネーターにも回答を持つライゼオルを使用すればよく、構造上ライゼオルのデッドネーターが重いM∀LICEを使用するのであれば丸さ以外の価値を見出さなければならないと思っている。
誘惑はその"価値"であり、誘発受けても妨害が残る~などというお行儀のよい遊戯王を引きだけで破壊できる可能性を秘めている。
実際にライゼオルを使用していてM∀LICEに負ける場合はメインギミックどうこうではなく理不尽な引きをされていることが殆どのため、構築全体で理不尽に寄せにいくことにした。
もちろんロンギヌスを打たれると発動不可能になるという致命的な弱点も抱えているため、サイド後は誘惑が減る可能性はある。ただメイン時点では最強カードのため3枚をほぼ固定で考えていた。
ロンギヌスはサイド後ほぼ100%相手から投入され、かつモンスターゆえに先攻後攻問わず使用されるM∀LICEにとっての致命的なカードである。
サイド後はどれだけ頑張ってもこの1枚で理不尽に敗北するリスクを常に抱えることになるため、可能な限りメイン戦を勝利し、サイド後はロンギヌスを投げられなかった(あるいは投げられたが耐えた)場合に勝利してマッチ全体での勝利を目指す方向とした。
3.2:テンプレートスキッパー
M∀LICEに採用される所謂"貫通札"(ここでは1枚初動ではないが初動とくっつくことで相手からの妨害を貫通、妨害がない場合でも展開を伸ばす役に立つ札を指す)としては
・テンプレートスキッパー(テンプレ)
・深淵の獣
・パラレルエクシード(パラエク)
のうちどれか1~2種類程度が採用されることが多い。
これらの評価はそれぞれ以下。
・テンプレートスキッパー(テンプレ):
ロンギを打たれても最低限初動と合わせてネオテン or バインダー(+07)になれ、ssにチェーンを組まない点から初動と合わせてデッドネーターをリトルナイトで超えられる可能性のあるカード。
後者は結構無理をしているがこの手の事象はできるかできないかが勝敗を変えるため、可能性があるだけで他より優先して採用する理由になる。
・深淵の獣
ドルイドブルムの効果が"墓地に送る"のためデッドネーターの破壊耐性を貫通しうる、ほかの貫通札と異なり盤面にリンクモンスターがいなくても出せる、など”ロンギさえ受けなければ"最強の貫通札。
・パラレルエクシード(パラエク)
ロンギ受けだけ見れば一番良く、ロンギの上からテンプレよりもリンク値を伸ばすことが可能。ただしデッドネーター受けが終わっており、対象となるリンクモンスターを破壊されるだけで出てこれない弱点も抱えている
これらを比較した上でテンプレを選択した。
長所を比較するとほかのカードの70点くらいのカードだが、致命的な弱点がない点で総合評価が高い。メインで闇の誘惑というロンギが致命的な選択をしているため、貫通札は多少ロンギに抗えるようにしておきたかった。誘惑だけならサイド後に減らしてしまう択も取れるが、貫通札まで抜いてしまうのは現実的ではない。
また、ロンギをもらわなかった場合は墓地のM∀LICEを除外することでリンク値を伸ばすことができるため、書いてあることは実は普通に強い。
3.3:月女神の鏃
基本思想の「メイン戦をできるだけ取り、サイド後はどちらかでロンギヌスを投げられ敗北したとしてももう片方を取ってマッチ勝利を目指す」の遂行のため1枚のみメインから投入。ロンギヌスを投げられないメイン戦では誘惑やキャットのドローが通りやすいため、これらでドローした先にデッドネーターへの明確な回答を用意した。先行で引いてしまった場合でも、1枚であればほかの展開が通ればおおむね関係なく、また、ライゼオルに盤面を捲られたうえでデッドネーターまで出されてしまった場合の保険となるため、一応手に持っていることを許容できる。
3.4:改善点(メイン)
改善可能かもと考えている点は1点。
”コード・オブ・ソウル”の採用である。
このカードは当初、展開補助兼妨害を増やすためのカードとして、準必須枠と考えていた。ただし展開を整理していくと、展開途中で"ファイヤーウォール"を使用しかつ"HEARTS OF QUEEN”を出している場合、特に相手ターンリンクしたいモンスターがなくなってしまうことに気づいた。
もちろん展開によっては相手ターンリンクにつかうこともあるし、先行ではリンク値+1することによる展開補助もこなすのだが、後手の弱さも踏まえると抜いてもよかったかなと思っている。
キャットのドローから入ったため途中でファイヤウォールを出す必要がなかった(ので相手ターンにファイヤウォールを出した)など、実戦で使う機会も結構あったのであくまで検討中ポイント。
4:サイドチェンジ
サイドデッキは以下。
これをベースに、サイドチェンジの基本プラン及び、ライゼオル、M∀LICEそれぞれへの先攻後攻のサイドチェンジを示す。
4.1:サイドチェンジの基本プラン
基本プランとして『三戦の号』を強く使うことを選択した。
三戦の号はTire1のライゼオルへの強力なメタとして「次元障壁」「月女神の鏃」が存在する現環境では非常に強力なカードである。
また、M∀LICEは致命的になるメタカードがロンギヌスというモンスターのため、発動機会に恵まれやすくデッキとしてのかみ合いも感じている。
ライゼオル対面に限り、ロンギヌスを投げられても号から障壁を伏せることでターンを貰うことが可能。ここはライゼオルにはない利点である。
嗤う黒山羊は号をライゼオル対面以外でも先行札として投入するため、やや仕方なく採用。とはいえロンギヌスの受けとしては悪くないはず。
4.2:サイドチェンジ
〇対ライゼオル:先行
〇対ライゼオル 後攻
〇対M∀LICE 先行
〇対M∀LICE 後攻
5:展開
基本展開は参考文献参照。
一例として "ドーマウス”1枚展開のみ示す。
5.1:展開例
〇ドーマウス1枚展開
1:ドーマウス召喚、効果でラビット除外。ラビット効果帰還して11セット。
2:2体でリザルドースls、効果コストでドーマウス除外して帰還。
3:2体でランサムls、効果でアンダーグラウンドサーチ。
4:11でランサム除外してキャットss。ランサム帰還してスケーパー除外してスケーパー帰還。
※このときランサムは真ん中のモンスターゾーンに出す
5:スケーパー+キャットでメイジls。効果でキャット蘇生。メイジ+キャットでバインダーls。
6:バインダー成功事効果で11とキャット除外。キャット帰還。
キャット1体でデコーダーls。バインダー起動効果で06セット。
7:デコーダー+バインダーでファイアウォールls。デコーダー効果自身蘇生。
※ファイアウォールはランサムの横にls
8:アンダーグラウンド発動バインダー除外して帰還&1ドロー。
※ファイアウォールの横に帰還してファイアウォールを相互リンク2にする
9:ファイアウォール効果で墓地からキャットとドーマウス回収。
10:ランサム+バインダー+デコーダーでクリプターls。ファイアウォール効果で手札からキャットss。
キャット起動効果でドーマウス除外して2ドロー。
11:3体でネオテンls。効果でディセーブルム落とし。
結果:
ネオテン+墓地ディセーブルム+3枚ドロー
⇒相手ターンに06でバインダーssして墓地からクリプターランサム(+相手の墓地)除外
帰還してアンダーグラウンド回収とラビット除外して帰還して07セット
最終的には
妨害:07の除外+クリプターの除外+ディセーブルム魔法罠無効+ネオテンペスト効果アグリ落とし
リソース:07の回収+(07コストで除外した)バインダー効果1ドロー+アンダーグラウンド+自分ターン3ドロー
多分参考文献と細かい展開方法は違うが大体同じ結果になっていると思う。
また、手札にM∀LICEネームが複数ある場合はニビルケア展開に向かったり、自分ターンにファイアウォールで回収せずに相手ターンにコードオブソウルでファイアウォールをリンク召喚して妨害を増やしたりなど、細かい分岐はたくさんある。
5.2:展開のポイント
前章で展開の分岐はたくさんある、と述べたが、なんとなくそれっぽい展開はするのはテキストおよび基本の動きを覚えたら簡単だと思っている。
よく使う"リンク値が伸びる行動"というのが複数あるのでこれらをできるだけ多く使うように動くだけでそれっぽくなる。
具体的には以下。
<リンク値が伸びる行動>
・M∀LICE下級の除外時効果
・M∀LICEのTB-11(除外時効果のあるものを除外した場合)
・レッドランサムの除外時効果(スケーパー除外して帰還。優先度高)
・M∀LICEリンクの除外時効果(ランサムよりは優先度低い)
・スプラッシュメイジのss効果
・リンクデコーダー自身蘇生効果
・テンプレートスキッパーss(引いている場合のみ)
ついでに展開中に気を付けていることを記載。
<展開で気を付けること>
・メイジ効果使用後はサイバースのみ縛りがつく。リザルドースやウーサは先に出すこと。
・できれば程度でメイジ効果使用時は場にほかのM∀LICEネームを残す。
メイジに無効系を打たれた場合に展開が止まってしまう可能性あり。
・テンプレートスキッパーもサイバースのリンク先にのみss可能なため、出せなくなる前に出したほうがいいことが多い。
6:妨害の打ち方
主に対ライゼオルに絞って、妨害の打ち方を簡単に示す。
前提として、ライゼオル側に星4が2体が並ぶとヴェルズビュートで盤面を一掃されるリスクがある。
一掃されるだけであればそのターン中に負けることはないし、返しのターンで問題なくキルに向かえるが、ここにデッドネーターを追加されると途端にほぼ敗北となる。
よって妨害の当て方は、星4×2体が並んだら片方を除外し"ビュートを受けても追加のデッドネーターが成立しないようにする"のが基本になる、と考えている。
また、06の開くタイミング(バインダーの墓地除外の使い方)もポイントがあり、相手がエクスから入ってきた場合チェーンか処理後で06を開き、"バインダーの効果で墓地のエクシーズを除外しつつ何らかの妨害で場のエクスを除外する"ことでソードやノードのss条件を満たせなくなる。
相手の手札次第で手数の減少が狙えるため、余裕があれば意識してよい。特に墓地のエクシーズ除外によってノードの条件を満たせなくするのはオススメ。
7:0-5してしまった理由
ここまで展開例などは端折ったが、本構築を組むうえで考えたことは大体記したと思う。
本章ではこれだけ考えてなんで0-5してしまったのかを示す。
直接的な原因は『経験不足』である。
具体的には
・扱い慣れていないゆえのミス(ルールミス)をしてしまった
・「6:妨害の打ち方」を徹底できていなかった
などの経験から防げるはずのミスを当日重ねてしまったことが原因である。
実際0-5の5敗のうち、3敗はルールミスによるロスや妨害の打ち方のミスで勝ちを負けに変えてしまった。あまりにもひどい。
残りの2敗も、うち1敗はプレイ次第でどうにかなっていた可能性が高く、あの時点の自分では絶対に勝てなかったと思うのは1試合(原石対面)のみであった。
ただ、そもそもM∀LICEを使うべきでなかったのではないか、と思っている。デッキは強かったなどと言い訳したところで負けは負けであり、何なら普段使用しているライゼオルはデッキが強いうえでミスもしにくい最高のデッキである。どう考えてもこちらを使用するべきであった。
結局のところ、いける気がするといったバイアス込みの感覚を信じ、ベストデッキを捨てて扱いにくいTier2デッキを選択したことそのものが誤りであった。少なくともチーム戦で行う選択ではない。組んでくれたチームメイトには心から申し訳なく思っている。
(言い訳兼補足:直前に念のため確認で公認大会に持ち込んでみたところ問題なく3-0、感触も非常に良かったためそのままcsに持ち込んだ。その時点で多少はミスしていたが、ここでしたから本番はしないだろう程度に楽観視した結果がこれである)
8:0-5のその後
チームを組んでくださったピカイチさんへ心から謝罪し、参加費及び当日夜に行った飲み会代の支払いをさせて頂いた。
これで許されたかはわからず、もう二度と組んでくれないかもしれないが、戒めとして受け入れようと思う。
改めて大変申し訳ございませんでした。