
ポール・ヴァーゼンの植物標本展
|ポール・ヴァーゼンの植物標本展|

2022年夏にリトルモアから刊行された「ポール・ヴァーゼンの植物標本」
本書のきっかけとなりました、湯島の古道具店ATLASの飯村弦太さんが南仏の蚤の市で見つけた100年前の植物標本約90点をこの度6日間の会期で展示させていただくことになりました。
この度、長い時間をかけて企画していた書籍がリトルモアから刊行される運びとなりました。
数年前に蚤の市で見つけた一人の女性が綴じた植物標本。
作者の名はマドモアゼル・ポール・ヴァーゼン。
古物屋である僕の仕事は、彼女の仕事に再び光を当てる事と感じました。
絶え間なく流れる時間の中で、残された草花は未だ可憐な姿のまま旅を続けています。 美しい草花から、作家 堀江 敏幸さんが物語を書き下ろしてくださいました。 是非たくさんの方にお手に取っていただけたら嬉しく思います。
1世紀の時を経てなお残る、花々のかすかな色。 指先の気配――
南フランスの蚤の市の片隅に置かれた小さな箱。 中には100枚ほどの花の標本がひっそりと収められていました。
まるで絵を描くように、枝葉や花片がていねいに台紙に配置され、ごく小さな薄紙で留められている、あまりに美しい植物標本の数々・・・・・・。
遠い昔、見知らぬ異国の女性が、スイスとフランスの国境近くの山や草原で花を摘み、手を動かしてていねいに作った標本から、想像をめぐらせ、記憶を辿ること。
かつて生きていたものたちの息づかいが聞こえてくる奇跡――。
当時の色を微かにとどめたままの草花の向こうに、皆さまにはどのような風景が映るでしょうか…
秋の澄んだ空気のなか、どうぞお誘い合わせてご高覧いただけますようご案内申し上げます。
会期|2022.10.28 (金) - 11.3 (木・祝)
全6日間 ( 10/31(月) 休廊 )
10/30 (日) はトークイベントご予約の方のみ
15時よりご入場いただけます
(要予約・トークイベント前は会場準備のため
ご入場頂けませんのでご了承ください)
時間|12:30 - 18:30
入場料|500円(未就学児無料)
会場 | いずるば
東京都大田区田園調布本町38-8
(東急多摩川線 沼部駅より徒歩5分)
主催 |企画室・音と光
企画協力 |ATLAS / リトルモア
*本企画展限定の植物標本カードセットを販売予定。詳細が決まりましたらお知らせいたします。
会場では書籍もお取り扱いさせていただきます。美しい佇まいで、たいせつに手元に置いておきたい一冊です。ご来場の際はぜひお手にとってご覧ください。
トークイベント |2022.10.30 sun 15:30-
植物標本を発見されたATLASの飯村弦太さんと、時や光のうつろいを美しく作品へと昇華させる美術家の志村信裕さんをお招きして、飯村さんが南仏の蚤の市で植物標本を発見した時のエピソードや、ポール・ヴァーゼンの魅力についてなど、展示会場で縦横無尽にお話ししていただきます。
お二人の対談の前には近代のフランスで作曲された、当時の自然の風景が浮かぶ一遍の詩のようなピアノの小品を、ピアニストの染矢早裕子さんが弾いてくださいます。今ではなかなか聴く機会のない素敵な曲を探しました。
100年前の草原に咲いていた草花の傍らで、ポール・ヴァーゼンの面影のように時を止め、ささやかで深みのある音楽をお楽しみ頂けましたら幸いです。
***
2022.10.30 (日) 15:00 open / 15:30 start
入場料:¥3,000 (当日受付にて)
▽ご予約・お問合せは以下のサイトから
※全席自由・
座席数は限りがございますので
必ずご予約をお願いいたします
15:30|オープニングコンサート(約20分)
プログラム (予定)
プーランク:
3つのノヴェレッテ(短編集) I / Trois Novelettes I
プーランク:
3つのノヴェレッテ(短編集)III / Trois Novelettes III
スタマティ:
12の絵画的練習曲 / 星明かりの夜 Op.21-4
ドビュッシー:
ベルガマスク組曲 第3曲 / 月の光 Clair de Lune
リリ・ブーランジェ:
ピアノのための3つの小品より
1. 古い庭園から / D'un vieux jardin
リリ・ブーランジェ:
ピアノのための3つの小品より
2. あかるい庭園から / D’un jardin clair
15:50|トークセッション(約60分)
飯村弦太(ATLAS antiques 店主)
志村信裕(美術家)
(休憩)
17:00|お客さまとのご歓談、質疑応答
ご希望の方は18時の終了時刻まで引き続き会場内でごゆっくりお過ごしください。
飯村 弦太 Genta Iimura
湯島の古道具店 ATLAS antiques 店主
志村信裕 Nobuhiro Shimura
美術家
染矢 早裕子 Sayuko Someya
ピアニスト。ジュリアード音楽院プレカレッジで学び、帰国後、桐朋学園大学短期大学部、及び、同大学専攻科卒業。桐朋学園大学演劇科にて演奏員として非常勤講師を務める。その後、渡仏しアンヌ・ケフェレック氏に師事。エコール•ノルマル音楽院にてソロ高等ディプロム、室内楽高等ディプロムを取得。室内楽演奏家資格を最優秀の成績、満場一致で取得。在学中、アリシア・デ・ラローチャのマスタークラスをパリ、バルセロナにてたびたび受講する。2002年にすみだトリフォニーホールにてフランス大使館後援によるソロデビューリサイタルを行う。現在、ソロ、室内楽、弦楽器やフランス声楽曲の伴奏など多方面で演奏活動を行っている。また、今ではあまり聴かれる事のない19世紀のパリで活躍した様々な国の音楽家の作品に積極的に取り組んでいる。
