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メールの返信で、仕事がなくなることもある

「クライアントからのメールには、できるだけ早く返信する」

ビジネスマナーだし、大事なことなので、誰でも心がけます。
ところが早く返信したのに、信頼を失うケースもあります。

Webディレクターをしていた頃、
ライターとしては優秀なのに、メールのやり取りで損をして
全く依頼しなくなったフリーランスライターさんがいました。

依頼する側としても本当に残念だし、
ライター側としては仕事を失うことになります。

仕事ではなく、メールで評価されてしまったら
悔しいですよね。

メールのやり取りでクライアントの信頼関係を築くには
1つだけポイントを押さえておくだけでも
後に雲泥の差となります。


返信してほしい内容にきちんと答える

ポイントはこれだけです。
当たり前のことですが、出来ていない人がいるのも事実です。

例えば以下のようなケースです。

【ケース1】
クライアント
「納品は〇日にとお願いましたが、
できれば2日早い◎日までに納品してほしいのですが…
可能ですか?」

残念な返信

ライター「承知しました。なる早で納品します。」

クライアントさんが知りたいのは、変更後の納期までに納品できるかどうかです。ところがライターの返信では、何に承知したのか、なる早とは何日の何時のことなのかが分かりません

クライアントに安心してもらえる返信の例を挙げるなら、
以下のような感じです。

満足いただける返信
ライター「◎日ですね。大丈夫です、承知いたしました。
12時までに納品できるよう、執筆を進めてまいります。」

12時までとしたのには、理由があります。

一般的な企業の勤務時間は18~19時が多いので、
もしお昼に送れる場合には、昼休みが終わる13時から
確認することができます。
修正対応が必要な場合でも、当日中の対応が可能です。

なぜ時間まで?と思われるかもしれませんが、
普通に考えて、2日も前倒しするということは、
何かの理由でかなり急いでいることが伺えます。

それならば、スケジュール的に可能な範囲で
要望に応えることが、いい関係を続けていくことにつながります。

もし、スケジュール的に無理な場合は、
・スケジュールの都合で2日前倒しは難しい
・1日前倒しなら可能
・ご希望に100%添えず申し訳ありません
といった要素を盛り込んみつつ、
クライアントが納得できる理由を添えてメールを送れば
信頼を損ねることはありません。
(そもそも先方の都合で納期が前倒しになったので)

話し合い、あるいはクライアント都合で決めた納期を
前倒しする理由については、教えてもらえないケースもります。

でも、ライターとして精一杯応えつつ、きちんと誠意を伝えられれば
ライターの落ち度で仕事が来なくなることはありません。


もう1つ、よくあるケースを見てみます。

【ケース2】
クライアント「構成案のこの3点を修正して頂きたいのですが、
明後日中に修正版を送っていただくことは可能ですか?」

残念な返信
ライター「この部分の修正をもう少し具体的に教えてください。」

クライアントが知りたいのは、修正版を明後日中に送ってもらえるかどうかです。ところがライターの返信は、修正内容についての質問だけで、回答になっていません

クライアントに安心してもらえる返信の例を挙げるなら、
以下のような感じです。

満足いただける返信
ライター「3点の修正版を明後日中お送りしてほしいとのこと、可能です。
ところで、3点のうち〇点目の修正内容について質問がございます。
……」

というように、クライアントの要望に応えられることを伝え、
追加で、確認が必要な修正内容について質問します。

仮に修正内容がかなりあやふやな場合には、

満足いただける返信
「恐れ入りますが、〇点目の修正内容についてもう少し詳しく教えていただけますでしょうか?
仮に〇〇の範囲なら、明後日までに修正版をお送りすることは可能です。」

というように、修正内容がどれぐらいの範囲なら対応できることを伝えて、
修正内容について詳細に教えてもらうように依頼します。

ボタンの掛け違いが続くと、不信感につながる

2つのケースは、私が経験した一例です。

最初に紹介したフリーランスライターさんが、
まさにこの例に当てはまる方でした。
(他の協力会社さんの2倍の原稿料をお支払いしていたほど
優秀なスキルをお持ちの方です。)

ところが上記の例のようなやり取りがちょくちょくあるので、
その度に電話したり、追加でメールしたり…
その分タスクが発生するし、ちゃんと返事が返ってきても
本当に理解しているのかが不安で、確認をする始末。

そのうちに、お願いすると余分な負荷がかかるので
上司に相談して、依頼することはなくなってしまいました…

クライアントの問いに、きちんと答えていないというたった1つのことが、
仕事の継続に大きく影響します。

1度こうしたことがあると、クライアントは警戒します。
(よほど長い付き合いがあれば別ですが…。
それでも2回、3回となると危険です。)

まとめ

返信が早いに越したことはありませんが、
やっぱり返信内容は大事です。

今はメールだけでなく、ビジネスチャットを使うケースも増えています。

その場合でも、
クライアントが返信してほしい内容にきちんと答える
という、当たり前のことをきちんとやるだけで、
クライアントに安心と信頼を与えることができます。

小さなことですが、長い目で見れば大きな積み重ねとなって
仕事のチャンスにつながることもあります。
(私も心します)

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。



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