介護の経験が保育に役に立つ時
新卒で老人ホームに就職して現場で5年、本社で6年勤務しました。
保育士をはじめてからは「赤ちゃんから高齢者まで見れるなんてすごいね!」と、よく言われます。
別のように見えて介護の経験が役立つことはいくつかありました。
1.抱っこ
介護の現場にいる時によく言われてたこと。
介助する側がしんどいと思う時は相手もしんどい。
逆に言えば、介助する側がラクだと相手もラク。
これは赤ちゃんの抱っこも同じ。
月齢が低い赤ちゃんほど、1日の半分以上抱っこで過ごすから自分の姿勢や腕がしんどくないかを常に意識している。
手ではなくて腕を使って面で支える。
更に言うと、密着して上半身に乗せるイメージ。
お水1ケースのダンボール持つ時に取っ手をつけてぶら下げたら手がちぎれそうになるけど、抱えると重さが半分になるそんな感覚に近いのかなって。
2.寝返り
ベッドに寝ている大人を仰向けから横向きの姿勢に変えるのは大変だけど、ちょっとしたコツで軽い力で姿勢を変えられます。
寝返りが苦手な赤ちゃんの相談は結構多いです。
赤ちゃんの寝返りも要領は同じ。
たけど、赤ちゃんは成長していくから、やってあげるではなくて自分で出来るようにならないといけない。
寝返りに必要な要素を遊びの中で取り入れて、動きやすい体を作れるように準備したり、おうちでできることをアドバイスさせていただいています。
3.食事
介護の食事介助で注意することは上を向いた状態で口に食べ物を入れないこと。
試しに上を向いたまま唾を飲み込んでみてください。
健康な大人でも痛い。そしてムセそうになる。
赤ちゃんも一緒。
ミルクを飲む時も顎が上を向かないように、顎を引く姿勢をつくってあげる。
離乳食の時も同じ。顎が上を向いている時に口に入れない。
顎を引く姿勢を作ることは、飲むことの他に寝返りや安定したうつ伏せの姿勢を取ることにも繋がります。
赤ちゃんも、肢体不自由がある子どもも、高齢者もアプローチの方法は違えども人間の体の原理ってみんな同じ。
だけど、赤ちゃんは積み上げている段階。
大切なことは練習して無理に進めるのではなくて、赤ちゃん自身が自分で獲得できること。
大人ができることは環境を整えてあげること。