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ほとんど毎日尊敬している

趣味というほど語れることがない自分が時々いやになる。それどころか、何に対しても熱量を持って話せない。

好きなものならたくさんあるのです。動物が好き。アニメも好き。お肉も好き。本や映画も好き。音楽だってもちろん好き。それを語れるだけの熱量と言葉が私には足りないというだけのこと。

コミュニケーションについて考えるとき、私は職場の人を思い出す。

周りで聞こえてくる雑談は、とても「普通のこと」だと思う。休みに何をしていたとか、自分の好きな映画の話。どの店の何がおいしいとか。

それを「普通のこと」と認識できるのと同時に、「私にはそれすらも難しい」ということを知らされる。

別に頭のいい会話がしたいとか、面白いと思ってもらいたいとか、そこまで高度なことは求めない。というか無理。ただ普通に、円滑に、会話を続けたい。自分の意見を相手に伝えて会話のキャッチボールがしたい。

表面を取り繕うことはできているし、愛想が良い・コミュ障に見えないとも言ってもらえる。こと雑談・世間話となると、「仕事中だし」と死にそうなくらい暇な時でも自分から話しかけることもせず、「興味ないかもしれないし」と自分の好きなことについて話そうともしない。

必然的に、私の周りに残るのは向こうから話題を振ってくれる神様みたいな人たちだけになります。つまんなくてごめんなといつも思っている。

ありがたいことに、今の職場は積極的に私に話しかけてくれる方ばかりなので、本当に助かっています。神様、たくさん。

仕事で死にかけレベルの暇が続いているので、周りの雑談を観察?拝聴?する機会が増えた。どんな時でも、雑談に耳を集中させる。

誰とでもそつなく話す人はどこにでもいて、昼ごはんのことを話しているだけなのに私はほとんど毎日尊敬の念を抱いている。

皆一様に謙遜するけれど、もっと誇っていいと思う。褒めたたえられてもおかしくない。むしろ褒める。すごい!そんなに昼ごはんの話が続いてすごい!天気の話ができてすごい!10分以上会話が途切れなくてすごい!

世の中にはすごい人があふれている。その辺のドトールにだってサイゼにだって、もちろんオフィスにだってあふれている。言葉はすごい。でもコミュニケーションはもっとすごい。

例えば些細なことを疑問に思う。何にでも興味を持つ。だから物知り。だから、「この前のあれ買ったよ!」とか、次回以降の話もできるんだと思う。

かの有名なさんまさんは、私だったら一言で終わるような出来事を10分くらい話すそうだ。この話を聞いて、最近noteで知ったしりひとみさんという人を思いだした。この方の文章が好きで、バリクソに面白くて(おくちが悪いですが褒めています)、しかも「全然たいしたことないことをめちゃめちゃ重大なことがあったように書く」というのがモットーらしい。これだ!私が求めていた力はこれです!

文章力と話す力は違うけれど、私はなにごともない、ただ普通のことを普通に話せる人になりたい。それができる、「自分のことを普通だと思っているすごい人」に、もっと自信を持ってほしい。

今日も普通のすごい人を尊敬しつつ、周りの会話におみみを傾けている。

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