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クソ高いキーボードを探しに梅田に飛ぶ。

前回までのあらすじ

ワシ、安いキーボードクラッシュしすぎてしまう怪物。
気を使ってソフトタイピングしていたワシは、腱鞘炎になってしまい、ちゃんとしたキーボードを買ったほうがいいのではないかと悩みはじめたのであった。
そして、ロジクールのMXKeys miniを購入して大大大満足して深夜に小躍りをしたのだが、次におじさんに待ち受けていたのは止まらないキーボードへの欲望であった。


正直文章書くだけなら、MXKeys miniで十分なのよね。


 まず、ロジクールのMXKeys miniいいよね、という話をここに書きます。
 特にものすごい量(一日10万字とか)を書いたり、Adobeとかなんとか触らなければ、大体これ買っときゃ、ほぼ満点。ちょっとした物書きだとこれで大丈夫。

 別にデスクワークしてるわけではないので、仕事でPC触る機会はほとんどないワシなんだけども、帰ってからは趣味の同人小説サークルで毎日のように文章を打っていたのよ。(ちなみに小説はほぼ打っておらず、アホのサークル員のために毎日徹夜して下調べしていた)

 いろいろあって、毎日30㎏のものを右から左にふんぬふんぬする工場勤務で鍛えられた指で、ノートPCのキーボードを夜中までずっと叩いていたので、ボコボコになっちゃうのよ。

 当時やっていた同人サークルでなんやらかんやらするっていうので、無駄に高いノートPCを買っちゃったワシは、「叩きすぎてキーボード壊すの嫌だなぁ。じゃあそもそもいいキーボードに投資した方がよくない?」ということでしっかりしたものを買うことにした。

 買うにあたっての条件は以下の通り。

 ①無線でWindowsとandroidにつなげられる
 ②文字入力がメインなので、テンキーレス
 ③携帯しやすいように、A4ぐらいのサイズ
 ④キータッチが強いので、ずれないように重さは軽すぎない
 ⑤キーは重くてもいいから入力しやすい
 ⑥信頼性のあるメーカーのもの
 ⑦10000円以下

で探してみた。

 家電量販店で試し打ちしたり、レビューをみたりすると、大体条件をクリアしたのがMXKEYS mini。
 予算は今は値段が高くなったが、当時13000円ぐらいではなかったかな。新古品のやつを買ったので、11000円ぐらいだったと思う。

 結果。大満足である。正直100点満点中100点。もうこれ一個あればいい。
 指が疲れなくなったのもあるし、スコスコという打ち心地は気持ちいい。音も小さくてうれしい。パンタグラフ好きとしては脳から変な汁が出る感じである。
 ペアリングも簡単だし、androidにもつなげられるので外でも使えて満足であった。人によっては打鍵感が重いらしいけど、ワシはそうでもなかった。ちょうどいいくらいである。

 んで、MXKEYSminiで十分すぎるぐらいだったので、もう今後一生キーボードはこれ買い替えるだけでいいかぐらいに思っていたんだけども。
 同人サークルでの作業量増加に伴い、腰痛と肩こりがひどくなり始めて、本格的にどうにかしようと考え始めたんですな。

 ちなみに同人サークルは文学系サークルだったのに音楽の方向性の違いと権利配分に揉めて解散しました。いまだに意味わからん! 


リアルフォース? HHKB?

 ぶっちゃけサークルが急死した時点で、キーボード買う必要もさほどないわけなんだけども、調べていくうちにワシはいつのまにかキーボードの沼に片足を突っ込んでいたんや。
 正直、腰痛と肩こりでオランウータン背でウホウホ歩いている状態はどうでもよかった。わしはかっこいいキーボードでカッコつけたかった。

「リアルフォースか、HHKBがいいなあ。静電容量無接点方式。ぐへへ。」
と、思っていたが、値段を見て驚愕する。

 高すぎない? 30000円越え? 
 いや、いいとは聞くけどね? どうなんだろうね? 


いやもう、メカニカル方式にする?

 正直キーボードにここまで金を使う意味があるのだろうかと一旦思い直し、それなりのキーボードを探すことに。
 結局は「質が良くて使えるやつ」がいい。
本職の人ほど打たないので、わざわざ静電容量無接点にこだわる必要もさほどない。
 まあ、パンタグラフはもうあるし、メンブレンの高い奴だったら、交換できるメカニカルの良いの探そうかなあと。

 そんで、いろいろ探してみるうちに、メカニカル方式は微妙だなあと思い始める。というか、メカニカルキーボードを置いているパソコンショップはゲーミングキーボードしか置いていないので、パーパスが違う感じ。
 レイザーとか、Steel seriesとかモノはいいんだけどね。ゲーミング用途の高性能さはあまりいらないかなと。FPSとかMMORPGはしないのよ。そんな賢い操作できないからね。
 物書きとは微妙に相性が合わない。あと、軸のことがよくわからん。とりあえず静かならよくないか?程度。

 いろいろ触ってメカニカルの良さというのもわかってきた。
 まあ無難に静音赤軸あたりなら買ってもいいのかなと思いながら、うーんしかし、ここまでして買う意味はあるのかと思い始める。
 「もう、フルサイズのMXKEYS買えばよくない?」ぐらいの気分であった。パンタグラフになれるとキートップがでかいのが気になるからね。


男、分割キーボードを見つける。

 しかし、ワシはもうキーボードを買うモードに入っていたので、虚ろな目でAmazonの奥地を調べていた。(途中モルモットのぬいぐるみを買いながら)分割キーボードというものを発見。
 そういえば、昔、寝たままPCを動かすということにあこがれて、そこで北村ヂンさんの記事を見つけて、分割キーボードを知った。

(当時は分割キーボードは面白ガジェットだとおもっていたので、わざわざ寝ながら作業するためにそこまでする~? と思っていました。)

 色々調べてみると、割と合理的な理由があることが判明。
 
 そもそも人間の手首は正面に向かって水平方向に並べて使うのに向いていないので、肘を中心にした円周と平行になるように置いた方がいい。

肘の動きだけでは黄色い部分が打てないので不自然に指を伸ばす必要がある。
肘の円周とキーボードの水平が一致していないのも気になる。
無理矢理狭めると、肩が窮屈&前腕の捻じれが気になる。

 結局、普通のキーボードを使うときは、肩をせばめないと手首がつらいし、肩を狭めないと手首がつらい。どっちかに負荷がかかる。あと、前腕をキーボードに対して垂直に置くと、背が丸まるので普通に腰に良くない。
 この姿勢をずっと数時間続けているとまるで石のように体ガッチガチになるのね。この姿勢をがちがちスフィンクスと呼んでいる。

肩と肘がカチカチスフィンクスになる。
ちなみに筆者は六神合体ゴッドマーズのスフィンクスに体型が似ているらしい。

 これを避けるために、肘の可動円周上にキーボードが接していると非常に楽だなあと思う。真ん中でバキッと割って、うまいことする。

肘を中心に手首が動くので、肘の円周上に接するようにキーボードがあると楽~!


 工場勤務で培った経験なんだけども、数百回数千回と手首だけを動かす動作を反復するのは絶対にやめておいた方がいい。手首を動かす動作って、基本的に肩から動かすぐらいの気持ちじゃないと不自然な力がかかっちゃうのよ。
 特にスナップを効かせる(=手首だけ素早く動かす)ように動かす動作を続けていると高確率で腱鞘炎になる。
 キーボードの場合、ちょっと遠いキーを押すときに指を伸ばすとスナップがかかったような状態になるので、これが積み重なって腱鞘炎になるのだと思う。(専門家ではないので、科学的な根拠はない。あくまで体感の話)
なので、手首をできるだけ動かさずに、肘を中心にピボットできるような位置にあったほうが、手首のストレスは少なくなるんじゃないかな?
という予想があって、分割が候補に挙がったのね。

さらに、チェアの肘掛部分に配置することで、ほぼガンダムのコックピットみたいなことにもできるよね。(男のロマン)

変態的なキー配列は人を結構選ぶと思うけども、割とすぐになれると思うので、基本的にはいいことづくめなわけだけども、問題は値段が高すぎるということだ。
キーボードの基本性能から考えてノーマルなキーボードと比べて、大体2倍から3倍の値段がする。

 FILCOのやつ、見つけたやつだとかなり安いほう。キーボード割ったところからファンクションキー(マクロキー)が生えている。

 キークロンのやつ。ほぼHHKBの値段!

 キネシスのやつ。たっけぇ~!

 いやこれ、劇場版機動戦艦ナデシコで出てきたやつ?
 これは使いこなせへんで。あと、たけぇ!

 あと、番外として、alice配列なるキーボードもある。
 これは真ん中が逆ハの字になっているタイプ。

 こんな感じ。ただ、キー配列が水平垂直じゃないので、ものすごく場所を食うのでさすがにやめておくことに。65%だけどほとんどフルサイズより一回り小さいぐらいなイメージ。それだったら分割にするかなあ。

 ということで、分割キーボードにものすごい魅力を感じたんだけど、それよく考えると、「ほとんどリアルフォースとHHKBと大して変わらん値段よね」というところに落ち着いてしまった。
30000ぐらい出せば、すごいやつ買えます。それでも変態キーボード買えますか。

 だったら、いっそリアルフォースかHHKB買えばいいのでは?
 しかし、金はそんなにない。
 ないのだ――。


――気が付いたら梅田にいた。

 原因は散財TVのなおしまさんのせいや。この動画をうっかりみてもうて、
「酒、たばこ、HHKB、金、暴力、HHKB、コカイン、アヘン、HHKB……」
とつぶやいていたら、気が付いたらワシは梅田におった。
 もう、今日買う勢いで来てしまっていたんやな。

 どうやら梅田のヨドバシカメラでリアルフォースが、近くのSUPERCLASSICという店でHHKBが試打できるらしい。
 大阪まで行かなあかんのかと思って、「いや、金がね。金がないのよね……」と、旅費で割と渋っていたが、動画見たら次の日にはもう梅田であった。

 ついでにエリックサウスでビリヤニを食った。
 サラダクラブにレシピが乗っていたので、そのレシピでビリヤニを作っていたのだけども、そもそもビリヤニの正解がわからないので、これあってるのか気になって行ってみた。
 食った結果、今まで作っていたのは偽物であった。素晴らしいバランスだった。肉と米のバランス。付け合わせのライタ(ヨーグルトソース)と特製カレーで最後まで飽きがこなかった。
 こ、これが本物……。(うますぎたので写真撮る前に無くなった)

 そのあと、ヨドバシカメラに向かうが、目の前にあるのに、どこから言っていいのかわからん。エリア6のときのスリッピー状態。
「くそ~ヨドバシカメラがめのまえにあるっていうのに! なんだこの囲い!」

 結果、めちゃくちゃ迂回してヨドバシカメラの背後から忍びよることでたどり着いたが、いや、二階から駅直で行けるんかい! あほくさ!
 この時点でへとへとになりながら。ゲーミングコーナーに行っちゃってキーボードが見つからなかったが、地下のPCコーナーの方にキーボードがあった。
 リアルフォースを探して、うろうろしていたが、ない。
 あれ、あるって聞いたけどな、とぐるぐる回遊魚みたいに探し回っていると、後ろのお姉さま方がリアルフォースを探していると店員に言うのが聞こえてきた。
「あ~リアルフォース? いや~、東プレさん、うちにおけないってはなしになっちゃってて~」
 という話が聞こえてきた。

「ビックカメラさんに置いてるらしいです~」
 いや、ヨドバシおいてないんか~い。

 まあ、探してみると、あったことはあったんだけど、最新機種ではないR2の方はあった。
 あまりにも打ち込まれすぎて、これはちょっと参考にならないなという感じ。キーがぬめってた。

 うーん。
 目的は果たせなかったなと思っていたら、なんと、キークロンとアーキス(だったと思う)があったので、打鍵感を確かめる。
 意外といい。
 メカニカルもありだなと思って、いろいろ打っている内に、Filco発見。
 マジェスタッチは地元にもあったのだが、ヨドバシの方が新しいのかキーがぐらぐらしてなかったので、だったらこれもありなのでは?と候補に挙がってきた。
 分割(マジェスタッチ)も発見。
 リアルフォースR3はないけど、分割はおいてんのかい!
 こちらも試し打ちしてみると、ネットでのレビュー程いまいちな点は見つからず。普通に良くないか?

「いやあ、分割、結構ありだぞ」と思っていると右側に見慣れないキーボードが。

「いや、NIZあるやんけ!」

 静電容量無接点方式のNIZが置いてあった。ワシは散財TVで予習したで。
 なおしまさんの言う通り、打鍵感は最高だった。中華製と聞いていたけども、これ国産と全然遜色ないで。安い中国製キーボードしか知らんかったので、大発見である。最近の中国はITとかガジェットの世界で、ほとんど攻殻機動隊の世界に一番近い気がする。
たぶんうち心地という点でNIZを超えるものはたぶんないだろうなと思う。(後で触るHHKBよりも爽快感がある)

リアルフォース以外は満足したのであった。
リアルフォース(最新のR3)はヨドバシの店員曰くビックカメラにあるらしいので、そっちに行ってみてください。(2024年5月時点)

ここで、正直もう20000円超えると全部一緒現象が発生。
みんな優等生なので、もう個性のレベル。弊社に入社していただくにはみんなオーバースペックなんですね。うちなんかよりももっといいところに就職したほうがいい。

HHKBを見に行く

続けて、SUPERCLASSICへ。(開くのが14時だったので、2時間ほどうろうろしまくる。早起きした意味はさほどなかった)

 ここは、元々ミニマリスト製品扱っているショップらしく、小さい財布とか有名らしい。HHKBは購買層が被るから特売店契約して置いてるみたいね。
 ものすごく珍しいことに現行で売っているHHKBのキーボード全部置いている。
 全部ためしてみたが、こりゃ麻薬だわ。設計がしっかりしている感じはすごくする。キートップを押し込んだ時のスコっとした感覚で、スムーズに入っていく感じが素晴らしい。とにかく英字配列はどのキーもすぐに打てるのがよい。
 一番、気に入ったのはHHKBStudio(44000円)。たけえ!

 なんだかんだ小一時間いたわけだけど、触り心地とサイズ感は最高であるんだけど、値段が。(値段が)
 あと、普通に使いごこちはいいけど、スペック生かし切れる感じもない。普通に期待値が高くて、あまりにも想像通りにものが出てきたので、「あー、そうですかー、あー。すごいですねー」と生返事してしまった感じ。
 普通に弊社に急にハーバード大卒の人が入ってくる感じ。社長のスペックがうんこだから、君を生かせないのよ。

 HHKBよかったけど、なんと真っ先に候補から脱落してしまった。
 HHKB、就職って難しいよな。ワシ、わかるよ。

梅田に飛んだ結果

 結果的にリアルフォースとHHKBが候補から外れた。
 性能が高すぎるというのと、値段である。導入コストと効果を考えると微妙という感じであった。(仕事でもPC触ってたら買ってた)
 中古で買うっていうのもあるけど、当たり外れ引くのが嫌なので今回は採用を見送ることに。

 逆にメカニカル方式のちゃんとしたメーカーのものがグンと順位を上げてきた。filcoのマジェスタッチは前から気になっていたし、キークロンも対抗馬として挙がっていたので、今のところ二強状態。
 両者とも分割キーボードも出しているので、それにするのではないかなと思う。

 この二つが最終候補に。
 打ち心地だとマジェスタッチ。
 カーソルキーありだとキークロンって感じ。
どちらもマクロキーがついているけど、マジェスタッチの方はキーマッピングのソフトの更新が遅い的な話を聞く。
現在マジェスタッチが優勢。理由:値段が安い。

後は明日のワシに任せる。もう寝る。

帰りがめっちゃ混んでんなと思っていたら、その日は日本ダービーやってたみたいだ。ウインズがあったので土産物ショップでオシャレすぎるステッカーと馬のぬいぐるみをうっかり買って帰りましたとさ。


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