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これってどんな体験? UXデザイナーが気になったサービスまとめ


最初に

こんにちは、SONICJAM UI/UX事業部のディレクターチームです。

近年、UXが特に重視されています。その背景のひとつにサービスの多様化が挙げられます。
成熟している市場において、単に「モノ」の価値を高めるだけでは差別化が難しく「コト」の価値、つまり体験そのものが重要視されるようになってきました。
私たちディレクターチームは、最新のUXトレンドやツール、ユーザー行動の分析を取り入れ、常に最適なUX設計を追求しています。その中でも特に優れたUXだと感じた3つのサービスをご紹介いたします。

Sports navi

Sports naviとは?

「Sports navi」はスポーツ観戦に特化したアプリで、ユーザーはリアルタイムのスコアや試合結果、選手・チームの最新情報を確認できます。試合のライブ実況、ハイライト動画、統計データなども提供されており、スポーツファンの間で人気があります。

体験について

Sports naviは、野球ファンにとって必携のアプリと言っても過言ではないでしょう。と言うのも、ナイター時の電車内において、スマホで試合速報に釘付けになっている人を本当に良く見かけるからです。

理想を言えばスタジアムでの観戦が一番の体験かもしれません。
ただ、忙しい日々を過ごす現代人においては、場所を選ばず試合の状況をリアルタイムで確認できるSports naviは、この時代を生きるスポーツファンの願いを叶えるものと考えられるでしょう。
Sports naviでの試合観戦は、スタジアムでしか味わえない「観客のどよめき」をシンプルなテキストで表現してくれるのですが、これもまた体験として非常に優れていて、シンプルがゆえに臨場感や熱気の想像力を掻き立ててくれます。
私たちディレクターチームの中でも、スポーツファンは非常に多いのですが、このSports Naviは、スタジアム特有の臨場感を体験させてくれるUXの設計が行き届いたサービスだと思います。

想定されるターゲット

現代を生きるすべてのスポーツファン

競合との差異

スポーツ総合アプリという意味で、類似するサービスと言えば「SPORTS BULL」が挙がります。
そんなSPORTS BULLは学生・アマチュアスポーツのライブ配信を中心に、企画コンテンツを提供しています。どちらかと言えばエンタメ要素が強い印象ですね。
一方で「Sports navi」は、ダイジェスト機能も充実していて、試合をテキストで追いかけることもできれば、あとでふりかえるといったこともできます。

このダイジェスト機能も含め、スポーツファンをスタジアムに引き込む体験は、徹底したユーザーインタビューを通じてターゲットの価値観を理解した結果だと思います。
こうした背景を想像するからこそ、このサービスにはUXに対する強いこだわりを感じさせるのかもしれません。スポーツファンの心を的確に捉える設計が、UXの深い洞察と徹底的なリサーチから生まれている印象を受けます。

Spotify

Spotifyとは?

もはや説明不要。音楽とポッドキャストの世界を一手に提供する定額デジタルサービス、それがSpotifyです。アーティストや作品に基づいた従来の視聴方法に加え、独自に編集されたプレイリストも楽しめます。日本では2016年からサービスが開始され、多彩な音楽体験を提供し続けています。

体験について

Spotifyの魅力的な機能と聞かれたら「Daily Mix」を挙げる人も多いのではないでしょうか。この機能は音楽好きにとっては非常に優れています。簡潔に言えばユーザーの利用状況に合わせて自動でプレイリストを作成してくれる機能です。

つまり、Spotifyを通して音楽を聴いているだけで自分好みのアルバムが作られる。そんな機能がDaily Mixです。しかも、驚くべきはその精度です。Spotifyで音楽を視聴すればするほど、自分の好みを記憶し続けてくれるので、まだ知らぬ新しい「好き」を提供してくれる音楽コンシェルジュのような存在になってくれます。

仕事に追われ気味な人にとって、探すという手間を省き、且つ「好き」と簡単にめぐり合わせてくれるSpotifyの体験は、非常に優れているものになるでしょう。
特にタイパを重視する若者にとっても、自動で音楽を提供してくれる機能は非常にマッチしていて、ユーザーの価値観がしっかりと反映されたUXと言えますね。

想定されるターゲット

すべての音楽好き。特に音楽離れの若者の獲得が考えられる。

chocoZAP(チョコザップ)

chocoZAPとは?

あのライザップから生まれた「チョコザップ」。ブランド誕生から2年も経たないうちに、全国1500店舗に展開し、会員数は120万人を突破。トレーニング器具に加え、ネイル、脱毛機、ホワイトニング、さらにはカラオケや洗濯機まで、日常生活をサポートする謎の拡張性を見せるサービスです。私たちディレクターチームの中でも、特に健康に気をつけないといけない年齢のベテラン勢を中心に、近所のチョコザップへ通い始めた人が増えています。

体験について

スタッフも他の利用者もいないこのジムは、無駄な会話がないのは勿論、待ち時間も少なく自分のペースでさっとトレーニングを終えて帰れるのが特徴です。継続して通うことが苦手な人にとっては、この「すぐ帰れる」というところが体験として非常に考え抜かれていると感じます。

実際にジムの中に入ると、まず飛び込んでくるのは殺風景な白い壁です。そしてその空間にあるのは最低限の機材だけ。過去にゴールドジムなどの老舗ジムに通ったことがある人は、その大きな違いに驚くことでしょう。

この空間には、笑顔で親切な店員さんがいなければ、魅力的なプロテインバーも存在しません。楽しそうなダンスのスペースも、仲間とコミュニケーションをとるスペースもなく、文字通り目的を達成したら「早く終わらせて帰りたくなる」んですよね。

結局それがジムに通うというハードルを一気に下げてくれて、ユーザーにとって習慣化しやすい体験になります。実際にチョコザップ継続中の弊社メンバーに話を聞いてみると、「買い物ついでに10分だけ腹筋だけやっていこうかな」と、気軽に立ち寄るといっていました。

アスリートにとっては機材が足りないといった物足りさはあると思います。ただ、チョコザップに通う目的にはプロのアスリートになるわけではありません。あくまで健康促進です。この目的がしっかりと果たせると考えると素晴らしい体験であることは間違いないですね。

ターゲットの明確化

40代以上で運動していない人と推察
さらに言えばターゲットの課題を明白にしていることが非常にわかりやすいです。

  • 「ジムと月額契約したけど、ほとんど行っていない」

  • 「そこまでボディメイクに興味がない、意識高くない」

  • 「最近、健康の曲がり角な気がする」

チョコザップはとにかく敷居の低さとトレーニングに直接結びつかないようなサービスを+αで展開しています。それは「ターゲットの健康維持」という大きなコンセプトを持っているからだと推察します。

さいごに

ここまで紹介した3つのサービスには、それぞれ独自の魅力や機能が備わっていましたが、共通しているのは、ターゲットの価値観を的確に捉え、それが体験として設計に反映されている点です。これが実現できているものを私たちは良いUXだと考えます。

勿論それだけやっていれば良いという訳ではありません。ビジネスの成功が目的であればビジネスサイドの戦略、特にマーケットの分野にも意識を向けなければなりません。(この部分のお話はまた別の機会があればご紹介できればと思います)

私たちSONICJAMでは、最新のトレンドを取り入れながら、ユーザーの体験価値を最大化するUX設計を提供しています。もし、貴社のサービスや製品におけるUX向上をお考えなら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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