おいしいとこだけ/食べ物にまつわる文章が書きたい
高校生の頃だったと思う。現代文の教科書に、谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」の抜粋が載っていた。細かいところまでよくよく記憶しているわけではないのだけれど、笑った時に見える歯は真っ白でピカピカなのより黄ばんでちょっとガタついてるぐらいの方が良い、だとか(違ったかな……)、なんとなく子供がムキになってテレビや雑誌で見る、または普段僕らが当たり前だと思っている美意識の逆張りをやっているような感じがして、なのにそれを綴った文章がやたらめったらうつくしいせいなのかそこには妙な説得力があって、